日々の暮らしの中にある季節の移ろいを
白井明大さんの詩・文と當麻妙さんの写真で綴ります。
たなばたに ねがう
またあいたい
と あなたをおもう
またあおうね
と やくそくする
ときのながれを わたって
いちにち いちにち
ゆびおりかぞえて
ねがうことは
いのること
そらを みあげて
おもいうかべる
ねがいを いのりを
きぼうを やくそくを
あなたを あなたを
またあいたい
と こころにおもう
またあおうね
季節の言葉:七夕(たなばた)
七月七日に小暑を迎え、いよいよ本格的な夏、暑中となります。
そして七月七日といえば、七夕ですね。願い事をするというのは、大切な心の働きのように思います。何もさだまりのない未来に向けて、こうあってほしいと願うとき、そこに人の心そのものが表われるように思うのです。
ちなみに暑中とは、二十四節気の小暑と次の大暑を合わせた時期をいいます。梅雨明けの声を聞いたなら、友達に暑中見舞いを送ってみませんか? 手書きの便りだからこそ、届く気持ちもきっとあるはず。
七十二候*では、七日から十一日まで「温風至る(おんぷういたる/あつかぜいたる)」の候、南風が夏本番を運んでくる季節です。
*七十二候……旧暦で一年を七十二もの、こまやかな季節に分けた暦。日付は2020年のものです。
白井明大(しらい・あけひろ)
詩人。沖縄在住。詩集に『生きようと生きるほうへ』(思潮社、丸山豊賞)ほか。近著『歌声は贈りもの こどもと歌う春夏秋冬』(福音館書店)など著書多数。新刊に、静かな旧暦ブームを呼んだ30万部のベストセラー『日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー 増補新装版』(KADOKAWA)。
當麻 妙(とうま・たえ)
写真家。写真誌編集プロダクションを経て、2003年よりフリー。雑誌や書籍を中心に活動。現在、沖縄を拠点に風景や芸能などを撮影。共著に『旧暦と暮らす沖縄』(文・白井明大、講談社)。写真集『Tamagawa』。
http://tomatae.com/