こんにちは、陳小爵です。
私たち「+10・テンモア」は2012年の設立以来ずっと、毎シーズンの新作カタログのために台湾各地へロケーション撮影に行っています。
場所探しからモデルの衣装決め、ロケバスの運転、そしてフィルムカメラでの撮影まで、すべて自分たちで行っています。
撮影場所を決めるとき、本当はたくさんの人がいる場所は避けたいのですが、有名すぎる場所でも行ってみるとやはり素晴らしく美しかったりするんですよね。笑
そんな場所のひとつが台湾最大の湖、南投県にある「日月潭」です。
水墨画のように美しい湖「日月潭(にちげつたん)」
静かな湖面と、背景にそびえ立つ中央山脈が水墨画のように美しい。日月潭は台湾を代表する景勝地です。原住民の伝説も残されている神聖な場所です。
私たちのロケーション撮影は一日ですべてを終えなければならないので、とってもハード。台北から日月潭までは車で約4時間ほどかかりますが、美しい朝日を撮りたいので、この時には前泊して臨みました。
周りにビルなどのない静かな日月潭の夜が明け、少しずつ朝日が昇り始めると、湖上の霧に光が差して、辺り一面はキラキラと輝きます。
湖のほとりにはたくさんの船が停泊していて、みんなが来るのを待っているようです。
日月潭
所在地:南投縣魚池鄉中山路599號(日月潭國家風景區)
日本語オフィシャルサイト:http://www.sunmoonlake.gov.tw/ja
アクセス:台北から台中まで新幹線に乗り、台中から日月潭までタクシーやバスなどを利用するのがおすすめ(乗り継ぎにもよりますが、片道2時間半〜3時間程度)。台北から直通の長距離バスも出ています(片道約4時間)。
レトロな理髮店「阿郎師的店」
日月潭の南西に車を約30分ほど走らせたところにある「車埕」という駅のすぐ近くにある理髪店をご紹介します。
日本統治時代に建てられた「車埕駅」は、サトウキビや山から切り出した木材を運ぶ「集集線」の終点として活躍していました。今もその面影を残していて、密かに人気がある観光地です。日本の方にもぜひ訪れていただきたい場所です。
そんな「車埕駅」のすぐ近くにあるこちらの理髪店は、Googleマップにお店の情報が載っていないものの、なんと60年ほどの歴史があるそうです。まるで時間が止まったかのような空間に、撮影チーム一同は大興奮でした。
お店の看板の字体や、床や壁に使われている模様など、今ではもうなかなか見かけることのできないものばかりです。
上の写真に写っている鏡には「満面春風」と書いてあります。
これは中国語で「満面の笑み」といった意味。「髪を整えた後は、この鏡に姿を映してモデル気分になってね」ということなのでしょうか。
オーナーの阿郎さん、とってもクリエイティブですね!
阿郎師的店
住所:南投縣水里鄉民權巷116號
草屯のボウリング場と、ユニークな並木
「車埕駅」から車で一時間弱のところに、「草屯」という小さな町があります。
草屯では、「好笑ボウリング館(撮影時の名称。その後「永樂ボウリング館」に改名後、廃業)」という昔ながらのボウリング場を見つけて、撮影させてもらいました。今は廃業してしまったようで、残念です。
もうなかなか見かけることのないボウリングマシーンです。
そして、ボウリング場のすぐそばで、通りがかりに見つけたこの並木たち!
太陽の方を向いて枝を伸ばしている姿がとってもユニークじゃないですか?
モデルも喜んでポーズを撮ってくれたので、みんなで楽しく撮影しました。
日新街並木
住所:南投縣草屯鎮日新街85號
Googleマップでも並木の様子が見られます。
日月潭への想像旅行はいかがでしたか?
+10・テンモア
2012年に台湾で設立された靴下ブランド。ひとつひとつの靴下や色に詩を用いるなど、若手デザイナーらの独特の感性と世界観を持ち、日本にもファンが多い。日本語で紹介された書籍に『+10 テンモア台湾うまれ、小さな靴下の大きな世界(トゥーヴァージンズ)』がある。
日本語オフィシャルサイト
https://www.10moresocks.com/?Culture=ja-jp
取材・文/近藤弥生子(こんどう・やえこ)
2011年2月より台湾在住の編集・ライター。日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う「草月藤編集有限公司」を主宰。台湾で妊娠・出産後に離婚し、シングルマザーとして6年間過ごしたのち、台湾人と再婚。現在2児の母。ブログ『心跳台湾』で台湾での暮らしを綴っている。
http://www.yaephone.com/