• 「靴下は、糸一本から色や材質、編み方でさまざまな表現ができる」といって2012年に設立された、台湾発の靴下ブランド「+10・テンモア」。創作のテーマを求めていつも台湾を観察する旅に出ている彼女たちが、台湾の知られざる場所にお連れする「テンモア旅行社」。今回は、台湾の最高学府・国立台湾大学です! さあ、一緒に想像旅行に出発しましょう。

    こんにちは、ナビゲーターの陳小爵(チェン・シャオジュエ)です。

    秋になりましたから、「台湾で一番良い学校で、読書の秋」なんてどうでしょう?

    ということで、今回は皆さんを「台湾大学」にお連れします。

    台湾大学は、日本が台湾を統治していた1928年に設立された、歴史ある国立の大学です。

    学部だけでも11あって、そのほかにも研究所や夜間部などがあり、3万人以上が学ぶ、台湾最大規模の総合大学でもあります。

    李登輝・陳水扁・馬英九・蔡英文と歴代4人の台湾総統もここを卒業しています。他にも著名な卒業生を数多く輩出している、台湾人にとって自慢の大学なんです。

    でも何より大切なのは、台湾大学は台湾の最高学府でありながら、学術研究の中でも思考の自由を認めた大学であったことでしょう。

    台湾が過去に戒厳令下にあり、言論の自由が制限されていた頃、一般の大学は自由に研究して発表できる状態ではありませんでしたが、台湾大学は台湾で一代目となるエリートだけでなく、国民が政治に参加することや、人権、環境といった意識の大切さを説くリーダーらを生み出し、台湾社会の進歩を推進させました。

    私たちはこれこそが、台湾人が台湾大学を誇りに思っている点だと思っています

    台湾ではみんな、愛と敬意を込めて「台大」という略称で呼ぶんですよ。

    しかも、大学構内は自由に入って散歩ができるので、平日の夜や休日は親子連れやカップル、友達同士まで、多くの人が散歩や運動に訪れます。

    構内には歴史ある建築物がたくさん残っているので、私たちもよく散歩に訪れます。

    台湾大学があるのは、台北の南側に位置する「公館」というエリア。台湾大学があるおかげで、安くて美味しいご飯屋さんや、カフェ、市場などもある素敵な場所ですよ。

    伊東豊雄さんの設計「辜振甫先生紀念図書館」

    画像1: 伊東豊雄さんの設計「辜振甫先生紀念図書館」

    台湾大学の社会学科のビルは、日本を代表する建築家・伊東豊雄さんによって設計されました。

    使われている家具は日本の家具デザイナー・藤江和子さんによるものです。

    そのビル内に併設された図書館は、誰でも入ることができます。

    私たちは靴下を撮っているので床の方しか写せていませんが、ここは天井のデザインが特別です。

    柱が床から上へと伸び、まるで森林のように天井を覆っているので、ぜひオフィシャルサイトなどで見てみてください。

    自然光がいっぱい降り注ぐ空間はとてもきれいです。

    画像2: 伊東豊雄さんの設計「辜振甫先生紀念図書館」

    ちなみにこの図書館は、台湾大学の名誉博士で事業家だった辜振甫さんから、なんと1億9千万元(日本円で約7億6千万円)を寄付して建てられています。

    辜振甫先生紀念図書館
    所在地:台北市大安區羅斯福路四段一號 台湾大学内
    電話番号:02-3366-8300
    開館時間:大学の学期内は平日8:20~22:00、土曜9:00~、日9:00~17:00。大学休暇期間は別途。祝日は閉館。詳細はFacebookページで確認を。
    Facebook:https://www.facebook.com/ntukoolib
    オフィシャルサイト:https://web.lib.ntu.edu.tw/koolib/

    階段に一目惚れした「生化科学研究所」

    「生化科学研究所」は、台湾を代表する建築物「国父記念館」を設計した偉大な建築家・王大閎さんが手掛けられました。

    この建物の階段はとてもユニークな曲線で構成されていて、私たちはすぐにひと目惚れしてしまったのです。

    画像1: 階段に一目惚れした「生化科学研究所」

    階段の特徴と靴下を一緒に写すのはとても難しく、かなり奮闘しました。

    しかも、フィルムで撮っているので、自然光だけだとものすごくぶれてしまうんです。がんばった成果が、写真から伝わればうれしいんですけれど?

    画像2: 階段に一目惚れした「生化科学研究所」

    この階段の背景とモデルの服を合わせるために、モデルの服は「秋香緑」というグリーンで統一しています。

    画像3: 階段に一目惚れした「生化科学研究所」

    生化科学研究所
    所在地:台北市大安區羅斯福路四段一號 台湾大学内
    オフィシャルサイト:http://ibs.ntu.edu.tw/

    日本統治時代の建物が残る「文学院」

    大学設立と同時に建てられ、台北市の古跡にも指定されている「文学院」は、日本統治時代の建築の特徴を細部にまで残していて、私はすごく好きな場所です。

    画像1: 日本統治時代の建物が残る「文学院」

    昔の人はロマンチックで、先にイメージがあってからつくりますよね。丸い形、不規則な形、随所随所に様々な要素が取り入れられています。

    門もひとつひとつ形が違っていたり、いまではなかなかないですよね?

    画像2: 日本統治時代の建物が残る「文学院」

    廊下が高くて、窓も大きくて、文学の息づかいがいっぱいに感じられます。

    文学院
    所在地:台北市大安區羅斯福路四段一號 台湾大学内
    オフィシャルサイト:http://liberal.ntu.edu.tw/

    台湾らしい植物でいっぱいの「温室」

    台湾大学の「園芸および景観学科」は、いくつも温室を持っていて、その一部は中に入ることができます。

    画像1: 台湾らしい植物でいっぱいの「温室」

    私たちが入ったのは、台湾の街で見かける亜熱帯や熱帯植物の温室でした。

    私には、路上どこでも見る植物で、それらは個性が無くて、ただ単に丈夫で育てやすいから普及しているだけで、正直なところ、微妙ではあるんですけれど(笑)。

    画像2: 台湾らしい植物でいっぱいの「温室」

    この撮影は秋冬シーズンのもので、でも撮影したのは8月くらい。外も暑いのに温室の中はものすごく暑いんです。

    画像: 撮影の合間に扇風機で涼むモデルたち。

    撮影の合間に扇風機で涼むモデルたち。

    撮影が終わったら、みんなですぐに近くのショップ「台大農場 愛玉坊」で冷たい「愛玉」を食べました。

    この他にも台湾大学は「農産品展示センター」で「生物資源および農学院」が付属の試験場で生産した農産物を加工し、リーズナブルに販売していて、特に「サンドイッチモナカアイスクリーム」が人気です。(人気なので、売り切れ御免です!)

    それと、大学のすぐ隣には「台一」という愛称で親しまれているデザート屋さん「台一牛奶大王」があります。

    冬にはあずきスープなどの温かいデザートもおいしいですよ。

    台大農場 愛玉坊
    所在地:台北市大安區羅斯福路四段一號 台湾大学内「農産品展示センター舟山店の隣」
    電話番号:02-2367-1852
    オフィシャルサイト:https://www.facebook.com/pages/category/Local-Business/台大農場愛玉坊-778763805571605/

    農産品展示センター

    「舟山店(鹿鳴広場の斜向かい)」
    電話番号:02-3366-2555
    営業時間:平日8:30~18:00、土日10:30~17:00

    「新月台店(新生南路の「蒲葵道門」を入ったところ)」
    電話番号:02-3366-2566
    営業時間:平日8:00~18:00、土日9:00~18:00

    オフィシャルサイト:https://www.farm.ntu.edu.tw/page/about/index.aspx?kind=137

    台一牛奶大王
    所在地:台北市大安區新生南路三段82號
    電話番号:02-2363-4341
    営業時間:10:00~0:00



    画像3: 台湾らしい植物でいっぱいの「温室」

    +10・テンモア

    2012年に台湾で設立された靴下ブランド。ひとつひとつの靴下や色に詩を用いるなど、若手デザイナーらの独特の感性と世界観を持ち、日本にもファンが多い。日本語で紹介された書籍に『+10 テンモア台湾うまれ、小さな靴下の大きな世界(トゥーヴァージンズ)』がある。
    日本語オフィシャルサイト
    https://www.10moresocks.com/?Culture=ja-jp

    取材・文/近藤弥生子(こんどう・やえこ)
    2011年2月より台湾在住の編集・ライター。日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う「草月藤編集有限公司」を主宰。台湾で妊娠・出産後に離婚し、シングルマザーとして6年間過ごしたのち、台湾人と再婚。現在2児の母。ブログ『心跳台湾』で台湾での暮らしを綴っている。
    http://www.yaephone.com/



    This article is a sponsored article by
    ''.