• 二十四節気 霜降(10月23日~11月7日)
    日々の暮らしの中にある季節の移ろいを
    白井明大さんの詩・文と當麻妙さんの写真で綴ります。

    ともだちの家のごはん


    くりごはん
    あきじゃけ
    いんげん
    こまつなおひたし
    りんごもぎたて

    西の海に
    日がしずんでいくのをながめながら
    あの秋の日に
    ともだちの家でごちそうになった
    あのおいしかったごちそうのことを
    思いうかべていたら

    夕ごはんの
    いいにおいが
    だいどこからしてきて
    ちょっとつまんでたべた

     

    季節の言葉:初時雨(はつしぐれ)

    二十四節気も霜降を迎え、今年もあとふた月余りとなりました。だんだんと山のほうから、やがて町にも霜が降りはじめます。

    黄や紅に色づいた紅葉に、サアッと降りかかっては、すぐにあがる時雨。それは晩秋の風物詩でもあり、冬の訪れを告げる声でもあります。

    ことに、その秋に初めて降る時雨は、平安の歌人たちがこぞって歌の題材にしたそうで、そんな初時雨をいちはやく詠むのも風流とされたとか。

    七十二候*では、十月二十八日から十一月一日に、まさに時雨の季節、霜降次候の「霎時施す(しぐれときどきほどこす)」が訪れます。

    十月二十九日には、十三夜の栗名月**が夜空に浮かびます。


    *七十二候……旧暦で一年を七十二もの、こまやかな季節に分けた暦。日付は2020年のものです。

    **栗名月……十三夜は、満月より少し欠けた形が栗に似ているからと、別名を栗名月といいます。



    白井明大(しらい・あけひろ)
    詩人。沖縄在住。詩集に『生きようと生きるほうへ』(思潮社、丸山豊賞)ほか。近著『歌声は贈りもの こどもと歌う春夏秋冬』(福音館書店)など著書多数。新刊に、静かな旧暦ブームを呼んだ30万部のベストセラー『日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー 増補新装版』(KADOKAWA)。

    當麻 妙(とうま・たえ)
    写真家。写真誌編集プロダクションを経て、2003年よりフリー。雑誌や書籍を中心に活動。現在、沖縄を拠点に風景や芸能などを撮影。共著に『旧暦と暮らす沖縄』(文・白井明大、講談社)。写真集『Tamagawa』。
    http://tomatae.com/



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