• 多色の毛糸で美しい模様をつくるだけでなく、裏側に糸が渡るので糸が重なり、とても暖かに仕上がる“編み込み模様”。ヨーロッパの厳しい冬の寒さから生まれた伝統的な技法ですが、人気ブランドのニット製品の制作や書籍や雑誌で多くの作品を発表している、編みもの作家・小林ゆかさんが、日本の四季をモチーフにした編み込み模様のオリジナルパターンを教えてくれました。今回は、秋の景色を美しく彩る「落ち葉」をモチーフにしたパターンのお話です。

    〈秋〉落ち葉をモチーフにした編み込み模様のパターン

    画像: 〈秋〉落ち葉をモチーフにした編み込み模様のパターン

    “編み込み” は、裏側で糸を渡しながら2色以上の毛糸で編み、模様をつくっていく編みものの技法です。

    厳しい冬の寒さから生まれた北欧の伝統的な編み方のひとつ。

    編み込みで編んだ小物は、糸が重なって編み地の厚みが増し、とても暖かいのも魅力です。

    そのなかでも、とがった三角の形と細かい編み込み模様のミトンは、冬の地味になりがちなファッションのワンポイントにもかわいいと、日本でも人気を集めています。

    もともと、伝統的な編み込み模様は、自然の恵みや神話、暮らしの営みがモチーフ。

    それならば、それぞれの季節ごとに美しい自然の景色を楽しませてくれる「日本の四季」をモチーフに ……と、編み込み模様のオリジナルパターンを教えてくれたのが、編みもの作家の小林ゆかさん。

    写真は、そのパターンを、三角ミトンに展開したものです。

    今回は、秋の景色を美しく彩る「落ち葉」をモチーフにしたパターンのお話です。

    ◇ ◇ ◇

    秋のミトンのお話

    秋になると裏山に子どもたちと散歩に出かけます。

    鮮やかな紅色や黄色へと変わった落ち葉をたくさん集めて、ぱぁっと高く澄み渡った空へまくと、なんだか違う世界に迷い込んだよう。

    落ちてくる、そのひとつひとつの落ち葉の色合いや形にうっとりとします。

    そして、もうひとつの楽しみは、きれいな色や形の落ち葉を集めて地面に並べ、模様をつくること。

    その模様を見るたびに、どこかの国の伝統模様の編み地のようだと感じるのです。

    それは、誰も知らない架空の国。

    けれども、きっと季節の移ろいや、手仕事を愛でて人々がそっと寄り添う、美しい国なのだろうな……。

    そんな想像を膨らませながら、自分なりの “架空の国の伝統模様” を図案にしたのが、このパターンです。

    もしかしたら、そんな想像の国が誰かの心の中にもあるかもしれないと思いながら……

    小林ゆか

    ◇ ◇ ◇

    〈秋〉落ち葉の編み込み模様のパターン

    画像: 絵を描くように並べた落ち葉がモチーフ。 花のようにも見える配置にした華やかな図案で、配色によって、大きく印象が変わるのも魅力。

    絵を描くように並べた落ち葉がモチーフ。
    花のようにも見える配置にした華やかな図案で、配色によって、大きく印象が変わるのも魅力。

    <図案をつかった展開案>

    画像: 〈秋〉落ち葉の編み込み模様のパターンを配置して編んだレッグウォーマー。ベースを濃赤にして、落ち葉を白に。めりはりがあり、スタイリッシュな印象。

    〈秋〉落ち葉の編み込み模様のパターンを配置して編んだレッグウォーマー。ベースを濃赤にして、落ち葉を白に。めりはりがあり、スタイリッシュな印象。

    (こちらのレッグウォーマーの編み方は『天然生活』2020年12月号に掲載しています)

    同じ模様でも配置や、色の組み合わせによってまったく違う印象になるのも、おもしろさのひとつ。

    パターンを活用して、オリジナルの小物をつくってみるのはいかがでしょう?

    細い毛糸で編むので手間はかかりますが、カラフルな編み込み模様のニット小物はとても素敵です。

    編み込み模様ができていく楽しさ、でき上がったときの感動をぜひ味わってみてください。

    天然生活×小林ゆかさん
    オリジナルの手編みミトン

    画像: 右から、春、夏、秋、冬、季節に沿った4つのデザインが。(撮影/林 紘輝)

    右から、春、夏、秋、冬、季節に沿った4つのデザインが。(撮影/林 紘輝)

    「天然生活のオリジナルミトンをつくってみませんか?」

    編集部から小林ゆかさんにお願いしたのは、今年の春のはじめ。

    そこから、思い通りにいかないことも多かった2020年ですが、打ち合わせを重ね、でき上がったのが、この日本の四季をモチーフにした編み込み模様のミトンです。

    「お話しをいただいて最初に思い浮かんだのは、私の仕事部屋から見る季節の庭の草花のことでした。創刊号から愛読していた『天然生活』、暮らしに寄り添い、そしてそこにはいつも自然に寄り添う姿を感じていた私は、“春夏秋冬” 4つの季節の模様を手の大きさの中の編み地に落とし込んでみようと思いました」と小林さん。

    画像: 手編みで描く四季のミトンの「秋モデル」。 落ち葉をモチーフにした編み込み模様。グレー×暗赤でしっとりと落ち着いた印象に。

    手編みで描く四季のミトンの「秋モデル」。
    落ち葉をモチーフにした編み込み模様。グレー×暗赤でしっとりと落ち着いた印象に。

    画像: 5本指の手袋より、中で隣同士の指が触れるから、あたたかく感じるミトン。親指がしっかりとホールドされるようにつくられており、ミトンをはめていても動作を妨げないのも、このミトンの魅力。(写真は冬モデルです)

    5本指の手袋より、中で隣同士の指が触れるから、あたたかく感じるミトン。親指がしっかりとホールドされるようにつくられており、ミトンをはめていても動作を妨げないのも、このミトンの魅力。(写真は冬モデルです)

    画像1: 手編みで描く四季のミトン〈秋〉
落ち葉をモチーフにした編み込み模様のパターン|小林ゆかさん

    使用している糸は、シェットランドウール100%の「Jamieson’s Shetland Spindrift (ジェイミソンズ シェットランド スピンドリフト)」。

    英国のシェットランド諸島でつくられる、フェアアイルニット用として代表的な毛糸です。

    英国本土から150km北の北海に浮かび、1年中冷たく強い風が吹き荒れるシェットランド諸島。

    なかでも冬は過酷で、木の育成をもはばむほどと言われており、丈の低い植物しか育たないのだそう。

    このような厳しい自然の中で育ったシェットランド羊の毛は、とても軽くて暖かく、弾力性に富んでいるので、ミトンも、とても軽く薄い仕上がりになっています。

    画像2: 手編みで描く四季のミトン〈秋〉
落ち葉をモチーフにした編み込み模様のパターン|小林ゆかさん

    ミトンは、すべて小林ゆかさんがひとつひとつ、手編みをしています。

    手編みだから、ふっくらと編まれ、その編み目に空気が含まれるから、とても暖か。

    手編みの小物を使ったことがない方こそぜひ一度、良質の毛糸で編まれた手編み製品の暖かさを体感していただければと思います。

    ◇ ◇ ◇

    天然生活×小林ゆかさん「オリジナル手編みミトン」を、

    10月24日(土)より天然生活 ONLINE SHOPで、限定販売いたします

    天然生活 ONLINE SHOP
    https://shop.tennenseikatsu.jp/

    画像3: 手編みで描く四季のミトン〈秋〉
落ち葉をモチーフにした編み込み模様のパターン|小林ゆかさん

    ぜひご覧ください。





    〈撮影/滝沢育絵 スタイリング/荻野玲子 モデル/Lilly ヘアメイク/KOMAKI〉

    小林ゆか(こばやし・ゆか)
    編みもの作家。文化服装学院ニットデザイン科卒業後、メーカー勤務を経て独立。棒針編み、かぎ針編みから、機械編み、指編みなどまで、「編む」というさまざな技法を用いて雑誌や書籍を中心に作品を発表し、編みものの楽しさを伝えている。著者は『手あみの冬こもの』(日本ヴォーグ社)。
    インスタグラム@tsumugi_knits



    This article is a sponsored article by
    ''.