(『天然生活』2018年1月号掲載)
ギャラリーfève 引田かおりさん
あわただしいときこそ “いつもどおり” に
「年末ギリギリまでパン屋のダンディゾンが営業していることもあり、ごくごく日常なんですよ」
年末年始の過ごし方を伺うと、引田かおりさんは、そういって、ほがらかに笑います。
「以前は、食材を買い込んだり、おせちを用意したり。いわゆるお正月らしい過ごし方だったけれど、最近は食事もふだんどおり、特別出かけたりもせず、家族でゆっくり過ごすことが多いかしら」
1月2日には、息子さん家族、娘さん家族が大集合。みんなで餃子を大量につくって食べる のが、ここ数年の定番になっているのだとか。
「私の好きなものをつくって食べようと子どもたちがいってくれて。ワイワイいいながら準備するのも楽しいんですよね」
餃子のあとのゲームや卓球も、お楽しみ。大人たちが本当に真剣になる、と笑います。
「卓球にいたっては、点数もカウントして大盛り上がり。時間を持て余しがちなお正月に打ってつけ」
家族みんながそろう時間はそう多くないから、と引田さん。
おいしい料理やお酒を囲んで語りあい、笑いあう。そしてまた、新たな一年を思いきり楽しむのです。
◇ ◇ ◇
11月下旬
年賀状の準備。30年来、家族写真がお決まり
写真の年賀状は、近況もわかって受け取るのはうれしいもの。
「でも、お子さんの写真が多くて、大人も一緒ならいいのに、と常々、思っていて。わが家は30年以上、家族みんなで写った年賀状にしています」
近年は孫も加わり、総勢8名。毎年、全員そろって撮影する。
12月中旬
イブラヒム恵美子さんのガラス絵を飾る
カラフルな三角がたくさん詰まったクリスマスツリーは、ガラス絵の作品づくりをするイブラヒム恵美子さん作。「フェブ」で展示をしたこともあり、クリスマス用にと、オーダーしてつくってもらった。
小さな額装をリビングの一角に飾るのが、この時季の楽しみ。
12月中旬
年明けから使う1年分の枕カバーを新調する
枕カバーを毎日、洗濯するという引田さん。
「シーツを毎日替えるのは大変だけれど、枕カバーならできるので。とても気持ちいいですよ」
夫婦ふたりで6枚をローテーションで使うため、年明けに新しいものを新調。生地を選んで、裁縫上手の友人に縫ってもらう。
1月2日
おせちは卒業。家族みんなで餃子パーティ
“キャベツ山盛り、肉少なめ” が引田家の餃子。
「あっさりしているから、たくさん食べられるんです。去年は100個以上つくってペロリでしたね。これはターセンが包んだやつだとか、あれこれいいながら食べるのが楽しくて。準備からワクワクするのは餃子ならでは」
1月2日
餃子のあとは、ゲームで盛り上がって
満腹になったらダイニングテーブルの上をきれいに片づけて、設置式のネットを置けば卓球台へと早変わり。
ほかにも、黒ひげ危機脱出、ジェンガなど、懐かしい! と叫ばずにはいられないおもちゃが集結。大人こそ盛り上がれるゲーム類は、お正月に欠かせない。
〈撮影/有賀 傑 構成・文/結城 歩〉
引田かおり(ひきた・かおり)
夫のターセンさんこと引田保さんとともに東京・吉祥寺で「ギャラリーfève」、パン屋「ダンディゾン」を営む。著書に『二人のおうち』『しあわせのつくり方』(KADOKAWA)などがある。
https://www.hikita-feve.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです