(『天然生活』2018年1月号掲載)
子どもたちとの時間を存分にもつための夜の段取り
家事の効率化や時短のために「段取り」を考える人も多いですが、セキさんの場合、どうやらそれが目的ではなく、子どもと一緒の時間をできる限り長くするための、その手段のひとつとして、段取りを行っている感じです。
たとえば、宅配を利用すれば、買い物に行く時間の分、図書館や公園へ一緒に行けます。パソコン仕事を早朝に済ませておけば、親子お互いがイライラすることがありません。
ちょっとした工夫で時間に余裕が生まれれば、お手伝いの方法を少しずつ教えていったり、繕いものやかつお節削りなどで手を動かす親の姿を、子どもに自然に見せていくことができます。
その代わり、掃除や整理整頓などはゆるやかに。たっぷり遊んで、おいしくごはんを食べられさえすれば、「ちょっとくらいいいか」と、おおらかに構えている様子です。
「気づいたら、ある日、『おやすみなさい』というあいさつをいえるようになったり、小さな葉っぱと小石だけでおままごとを始めていたり。そういう子どもの世界に触れることで得られるものが、私にとってはかけがえのないもの。自分がしたくて選んだ子どもとの生活ですから、あと数年は、子育て中心のこの暮らしを、存分に楽しませてもらおうと考えています」
セキさんの夜時間
14:00 子どもの汚れた服は夕方につけ置き
翌朝の洗濯がスムーズ
毎日、公園で転げまわって元気に遊んでいるため、服は、いつも泥まみれ。
「そのまま洗濯機に入れることはできないことが多いので、帰宅したらその場で脱がせ、洗濯用液体石けんを溶かした水に、つけ置きするようにしています」
専用のボウルはお風呂場に置いておき、翌朝、これを軽く絞って洗濯機へ。
15:00 生活クラブの宅配を利用
買い物に行く時間を子どもとの時間に
週に一度、生活クラブの宅配を利用し、その分、買い物に行く時間を削減。
重たい洗濯用洗剤や根菜類、缶詰なども届けてもらえるので、体力的にも楽。
「スーパーは子どもにとっての誘惑が多いし、時間もかかります。その分、絵本を読んだり公園で遊んだりするほうにゆっくり時間を割きたいと思います」
18:00 毎日18:00には、ご主人が帰宅
お風呂、夕食などあとの家事がスムーズに
子どもがふたりになったことで、セキさんの家事・育児の負担は倍増。
家具デザイナーをしている夫の清水徹さんには、夕食の1時間前には帰宅してもらうルールに。
清水さんも子どもをみる時間が増え、セキさんに時間的な余裕が生まれ、葉ちゃんも配膳やお片づけなど、お手伝いの練習が少しずつできるように。
19:00 夕食の副菜を多めにつくる
翌日のお弁当のおかずにアレンジ
朝の下ごしらえを活用して夕食のおかずをつくるとともに、たとえば、いんげんのごまあえなど副菜を多めに仕込み、翌朝のお弁当に備えをしておく。
「必ず『こうしておく』と決めているわけではなく、気づいたときに『これ、次のごはんやお弁当にも使えるな』という下ごしらえを、ちょこちょこやっておく感じです」
夜の段取りの味方
セキさんの夜の時間割
14:00 自主保育から帰宅 汚れもののつけ置き
15:00 生活クラブの宅配
16:00 近所の子どもとの遊びの付き添い
17:00 夕食の支度
18:00 ご主人が帰宅
19:00 夕食から入浴まで
20:00 子どもの寝かしつけ
22:00 就寝
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
せき・ゆりを
2000年から「サルビア」の活動をスタートし、古きよき日本の伝統文化に学びながら、いまの暮らしに寄り添うものづくりを提案。
http://salvia.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです