(『天然生活』2018年1月号掲載)
段取りでメリハリをつけ、暮らしを軽やかにまわす
「仕事も家事も、疲れるとよくないですよね。疲れると、ものを倒しちゃったり、思わぬミスをしちゃったりするでしょう。だから、疲れる前に終わらせるのが一番。そのためにどうすればいいかを考えるのが、私の『段取り』なのだと思います」
そう話す牧田敬子さん。夫の帰宅時間に合わせてピタリと晩ごはんの支度をするのも、「そうすることで、夜の片づけも早く終わり、しっかり睡眠もとれるから」。
毎日、掃除を欠かさないのも、「ふだんからきれいにしておけば、本当に疲れているときに一日くらいサボっても、きれいを保てるから」と、なんとも考え方が合理的です。
「夫の帰宅時間が遅いときは、夕食をお弁当に詰めておきます。そうすると洗い物はお弁当箱ひとつで済みますから、気楽ですよ」
自分を快適に、楽にするため、そのために段取りを組んで前倒しに家事を進めていく。結果的に住まいはすっきりと片づき、掃除はゆき届き、食事の支度もスムーズにまわっていく。
そういう心地いいサイクルを、暮らしのなかでつくり上げているのです。
いうは易く、行うは難し……そんな理想的なサイクルづくり。牧田さんは、その秘訣を、何ごとも「メリハリをつけること」と解説してくれました。
牧田さんの朝時間
07:20 コーヒーの豆を挽き、ドリップする
頭の整理をして、一日の段取りを組む
「ポーレックス」のコーヒーミルで豆を挽き、「ケメックス」のコーヒーメーカーで、ていねいにドリップする。
一連の作業にかかる時間は10分ほど。その間、コーヒーの香りをかぎながら、今日一日の自分の予定を頭のなかで整理。
やることを忘れないよう、必要があればパソコンのスケジュール欄に打ち込みも。
07:30 朝食時に夫と予定を確認
晩ごはんの時間のあたりをつけておく
朝食はパン+コーヒー+ヨーグルト+季節のフルーツという組み合わせで、必ず夫婦一緒に。
朝食のスタイルを決めておくと、買い物や準備も効率的になり、時間のむだもなし。
夫の帰宅時間は日によってまちまちなので、それを事前に確認しておくことで、夕食の準備もスムーズになるそう。
08:00 片づけ&夕食のための仕込み
時間がおいしくする一品を
「料理本で『ひと晩漬けておく』とあるのは、10~12時間。なので、朝食後に仕込めば、晩ごはんの時間にぴったりなんです」
写真の「れんこんと菊の甘酢漬け」など根菜類の酢漬けほか、肉・魚の味噌漬け、塩麴漬けなどを仕込むことも。
やるのは漬け時間が必要なものだけ。つくり置きは基本的にしないそう。
08:30 最低限のいつもの掃除
こまめに行うことで負担なく簡単に
床に掃除機をかけ、「フローリングワイパー」で床と窓の網戸のふき掃除、トイレ掃除までが、毎日、ルーティンとして行う掃除の流れ。
床と網戸は同じ道具を使うことで、ものを増やさないよう心がけを。
毎日、続けて行うようにすると汚れも最低限なので、さっと軽い掃除でもきれいな状態にすることができる。
朝の段取りの味方
牧田さんの朝の時間割
07:00 起床&部屋着に着替え
07:10 洗顔 洗濯機を2回、回す
07:20 コーヒー豆を挽き、ドリップ
07:30 朝食
08:00 片づけ&晩ごはんのための即席漬けづくり
08:30 掃除
09:00 事務作業
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
牧田敬子(まきた・いつこ)
料理研究家。フードスタイリストと料理研究家のアシスタントを務めたのち、独立。食材本来の持ち味を生かした、シンプルで洗練されたレシピに定評がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです