今回は、かわいらしい桜色の小鯛を、棒寿司状に仕立てました。
(『天然生活』2014年3月号掲載)
美しく上品な小鯛寿司を「巻きす」で簡単に
イメージよりもずっと簡単な巻き寿司づくり。専用の押し型なしで巻きすで十分に、おいしく美しくつくることができるのです。
「大切なのは、寿司飯がすき間なく詰まっていること。初めに、ぎゅっと丸くにぎってしまえば、ごはん同士がしっかりくっつくから、型がなくても上手に形づくれるんですよ」
「お寿司というとハードルが高いと思われがちですが、もっと気楽に考えてほしいですね」と長谷川弓子さん。一緒に食べたらおいしそうなものを、自由に組み合わせればいいのです。漬物同士ならどう合わせてもおいしいし、チーズや生ハムを入れて洋風にするのも趣向が変わり、楽しいもの。
さて、今回のお寿司には、ゆず皮、しそなど、風味が強いものをアクセントに入れました。おしょうゆなしでもおいしくいただけて、その場で楽しくつまめる彩り華やかなお寿司は、みんなが集まる場所への、おもたせとしてもぴったりです。
小鯛寿司のつくり方
桜色の小鯛を、棒寿司状に仕立てた小鯛寿司。ゆずとしそが、上品に香ります。
寿司飯のつくり方(でき上がりの目安:760g)
米2カップ(400mL)に対して水460mLで普通に炊く。炊き上がったら飯台(または大きなボウル)に移し、米酢40mL、砂糖大さじ2、塩小さじ1弱を合わせたすし酢を素早く混ぜ合わせる。かたくしぼったぬれぶきんをかけ、冷ます。
材料(4本分)
● 小鯛(刺し身用・三枚におろしたもの) | 2尾分(100g×2) | |
● しそ | 2〜3枚 | |
● ゆずの皮 | 5×2cm | |
〈三杯酢〉 | ||
・酢 | 50mL | |
・砂糖 | 大さじ1と1/2 | |
・薄口しょうゆ | 小さじ1 | |
● 塩 | 大さじ1程度 | |
● 寿司飯 | 40~50g×4 | |
(それぞれかたくボール状ににぎり、ラップに包んでおく) |
つくり方
1 小鯛は腹骨を取り、小骨を骨抜きで抜く。両面に塩をふり、10分おく。
2 三杯酢の材料を小鍋に合わせ、軽く火にかけて冷ます。しそはせん切りにしてさらしに包み、流水でもみ洗いして水けをしぼる。ゆず皮は内側の白い部分を除いてからみじん切りにする。
3 1をバットに移し、大さじ1ほどの酢(分量外)を入れ、両面をさっとひたすように酢洗いする。洗った酢を捨て、バットに三杯酢を入れる。上下を返しながら10分ほど漬ける。
4 よく切れる包丁で、小鯛の中心の身の厚い部分をそぎ取る(厚さを均等にすると同時に、長方形の寿司をつくる際に、尾に続く部分の欠けを補う)。
5 巻きすの上に、巻きすよりやや大きめのラップをのせる。手前側を小鯛1尾分強あけ、皮目を下にして小鯛を置く。そぎ取った身を斜めに切ってふたつに分け、それぞれを尾の部分に当てがって長方形にする。気になるようなら、端を切るなどして形をととのえる。
6 鯛の中心に沿って、しそとゆず皮をのせる。
7 寿司飯40~50gずつを、小鯛1枚に対してひとつずつのせる。中心から広げるように満遍なく広げ、大まかに形をつくる。
8 手前側のラップを持って、きっちりと包み込むように巻く。手で強く押さえながら、形をととのえる。仕上げに巻きすで巻き、ぐっと力を入れて形をととのえる。
〈撮影/有賀 傑 スタイリング/曲田有子 取材・文/福山雅美〉
長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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