日常のアイテムで楽しむ水栽培
家に花を飾る。それは、特別なことでありません。「日々の暮らしにいつでも花を」……そんな、“日常花”を提案する平井かずみさんによると、この時季は、花との暮らしをはじめるには、まさにうってつけの季節。なぜなら、球根花にたくさん出会うことができるから。
「土の中で何年も栄養を蓄えて花を咲かせる球根花は強い生命力あふれていますから、私たちがほとんど手を貸すことなく、元気にかわいらしい花を咲かせてくれます」
今回は、その生命力を生かした水栽培の楽しみ方。球根花は、土から栄養をもらわずとも、水だけですくすくと育ち、可憐な姿で私たちの心を潤してくれます。
特別な器や道具は、何も必要ありません。家にあるいつものもので、水栽培を楽しむアイデアを教えていただきました。球根のまま飾る水栽培は、球根本体が水につからないように、根っこの部分だけを水につけるのが、長く楽しむ秘訣です。
根っこの美しさまで愉しむ、水栽培のアイデア
アイデア1 やさしく束ねる
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口の広いびんに入れるときには、根本に近い部分をやさしく束ねるとすっきりと立ち、生けやすい。
アイデア2 器に枝を渡して掛ける
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水耕栽培では、球根本体には水をつけず、白い根元にだけがつかっているのが理想。球根がちょうどいい位置に留まる場所を見極め、器に枝を渡して掛けるアイデア。
アイデア3 苔を敷き詰めて底上げ
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球根本体が水につからないよう、苔を敷き詰めて底上げを。苔を使えば、雰囲気を損ねることなく球根花を好みの場所に固定できる。ちょっとした盆栽のような雰囲気もかわいらしい。
アイデア4 器にひもを渡して固定
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丸くて不安定になりがちな球根は、器にひもを渡して固定。花の色や、やわらかな質感をじゃましない、自然な風合いの麻ひもやラフィアを使って。
<スタイリング/平井かずみ 撮影/有賀 傑 取材・文/福山雅美>
平井かずみ(ひらい・かずみ)
フラワースタイリスト。インテリアショップ勤務を経て、挿花家・谷匡子氏に師事。“しつらえる”という感覚を大切に、暮らしのなかに季節の草花を取り入れる「日常花」を提案。花の教室やリース教室を全国各地で開催。雑誌や広告、イベントでのスタイリングや、ラジオやテレビなど多方面で幅広く活躍中。著書に『花のしつらい、暮らしの景色』『あなたの暮らしに似合う花』(ともに扶桑社)、『フラワースタイリング ブック』(河出書房新社)、『季節を束ねるブーケとリース』(主婦の友社)などがある。
https://www.hiraikazumi.com/
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