• コロナ禍が続くいま、免疫力を上げて病気にならない体をつくることがとても大切です。いつもすこやかでいるために欠かせない元気な人のセルフケアを紹介します。今回は、主婦で料理家の坂井より子さんに日々の実践アイデアを伺いました。
    『元気な人のすこやかな習慣』より

    規則正しい生活と食事の積み重ねで、いまの私がある

    「健康のために特別なことはしていないんです。主人から、少し運動したらっていわれるくらい」

    そう笑って話す坂井より子さん。それでも肌はつやつや、全身からすこやかな気配が漂っています。現在75歳。幼いころからほとんど病気知らずで、風邪も滅多にひきません。その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

    「長年、規則正しい生活と、バランスのよい食事を続けてきたからではないかしら」

    最近は、毎晩10時ごろに眠りにつき、朝の5時には自然と目が覚めます。日中は家事などをこなし、ときどきひとりで、もしくは友人と気分転換。そんな生活が一年中、ほぼ変わらずに続きます。

    「考えてみると、わざわざ運動はしないけれど、毎日、家事をしながらいつも家の中を動きまわっています。それも体にいいのかもしれませんね」

    3食きちんと食べるのも毎日のこと。日々、工夫をこらして食事づくりをしています。

    高いものを買うわけではけっしてないけれど、食材にはこだわります。肉や魚、野菜、豆腐などはスーパーではなく、昔から地元の専門店で買っているんです。調味料や加工食品を選ぶときも、なるべくシンプルなものを。原材料表示のところに知らないカタカナがなるべく入っていないもの、というのが私なりの基準です」

    画像: ある日の献立。金目鯛の煮つけ、鶏肉のソテー、さつまいもサラダなど。栄養バランスがよいうえ、どれもがほっとする味

    ある日の献立。金目鯛の煮つけ、鶏肉のソテー、さつまいもサラダなど。栄養バランスがよいうえ、どれもがほっとする味

    4年前から、平日は夫と娘家族、息子家族を合わせた9人分の夕食をつくっている坂井さん。食卓はいつもにぎやかだといいます。

    「ワイワイおしゃべりしながら、男性陣はお酒を飲みながら。お料理はいつも大皿で出しますが、みんなよく食べるのであまり残らないの。そのおかげか、家族全員が元気で、お医者さまにかかることはほとんどありません」

    家族で楽しく食卓を囲む。それもまた、健康を保つための大事な習慣なのかもしれません。

    神奈川県の葉山に暮らしてもうすぐ50年。海と山が近く、四季ごとの自然の変化を楽しめるのがうれしいと坂井さんは話します。この50年間、子どもが独立して夫婦ふたりになったり、子ども家族との同居により大所帯になったりと、家族や生活のかたちも変化してきました。

    「どんな状況でも、きたことを受け入れて楽しんで暮らすのは、昔からずっと変わりませんね」

    その柔軟な姿勢が、坂井さんの心身をすこやかに支える、確かな柱になっているようです。

    朝、コーヒーを片手にスキンケア

    画像: スキンケア用品が入った箱を居間のテーブルに置き、小さな鏡を立てかけたら準備完了

    スキンケア用品が入った箱を居間のテーブルに置き、小さな鏡を立てかけたら準備完了

    朝にシャンプーするのが習慣の坂井さん。事前にコーヒーをセットしておき、洗髪したあと、居間に座ってコーヒーを飲みながら肌のお手入れをします。

    「お手入れといっても、オールインワンクリームを塗っておしまい。お化粧もファンデーションだけです。以前と比べて手をかけなくなったら、肌のトラブルがなくなりました」

    朝早く起きる分、お手入れもゆったりと。

    食事を規則正しく、バランスよくとる

    画像: 食事を規則正しく、バランスよくとる

    3食きちんと食べるのが習慣。家族9人で食べる夕食は、主菜を含めて3〜4品のおかず、それに汁物とごはん。肉と魚の両方、プラス野菜で献立を組み立て、栄養バランスに気をつけます。

    「お肉がメインなら魚は副菜にしらすなどを少し入れたり。おかずが足りないときは納豆を足すこともあります。あるもので、無理せず」

    朝食、昼食は夫婦ふたり分。残り物などを上手に活用します。

    好きなことをして、気分転換

    画像: 「アクリルたわしはかぎ針で編めて気軽です」。編み棒ケースは40代のころに手づくりした

    「アクリルたわしはかぎ針で編めて気軽です」。編み棒ケースは40代のころに手づくりした

    毎日さまざまな家事をこなすなか、ときには趣味の手芸でリフレッシュ。空いた時間を見つけて手を動かします。

    「編み物は昔から続けていて、以前は外出用のニットも自分で編んでいました。いまはアクリルたわしを編んでいます」

    すぐに完成するので、周りの人におすそわけすることも。

    「何かに没頭するのが気持ちいいし、好きなものができ上がるとうれしくなります」

    さっと片づけてストレスをためない

    画像: 文具やリモコンは、居間の簞笥の上の小さなかごに。簞笥の横は外出バッグの定位置

    文具やリモコンは、居間の簞笥の上の小さなかごに。簞笥の横は外出バッグの定位置

    部屋が片づいた状態にあることは、坂井さんがストレスなく、元気に家事をするための大事な条件。

    「ものが元の位置に戻っていないのが嫌なんです。朝起きたときや外出先から帰ってきたときに部屋が散らかっていて片づけから始めるとなると、家事をがんばろうという気になれませんから」

    さっと出し入れできるかごなどを活用し、使う場所のそばに置けば、片づけも苦になりません。

    頭を切り替えて、料理をする

    画像: 夕食時にすべての料理がタイミングよく仕上がるよう、煮ものなど、先につくれるものはつくっておく

    夕食時にすべての料理がタイミングよく仕上がるよう、煮ものなど、先につくれるものはつくっておく 

    家族9人分の夕食づくりと聞くと大変そうに思えますが「イヤイヤつくると、おいしくない″イヤイヤの味”になってしまいます。どうせつくるのであれば、家族の顔を思い浮かべながら楽しくつくりたい。そう思って、台所に立つときは意識的に気持ちを切り替えます」

    午後3時ごろから少しずつ準備を開始。合間にほかのことをしながら、段取りよく料理を進めていきます。

    睡眠をしっかりとる

    画像: 睡眠をしっかりとる

    決まった時間に寝起きし、ぐっすり眠るのも健康の秘訣。

    「寝つきはとてもよいほうだと思います。眠れなくて困ったということはほとんどないですね」

    毎晩10時ごろにベッドに入ったら、テレビに30分のオフタイマーをかけて、イヤホンで音声を聞きながら眠りにつきます。

    「不思議と安心するんです。実際にはほとんどテレビを見ていなくて、つけてから10分ほどで寝てしまいます」

    私のストレス解消法

    画像: 私のストレス解消法

    ときどき家の近くの公園に足を運び、海や山の風景を楽しんでいます。

    「ご近所の〝ババ友〟と一緒に眺めのよい場所でお茶を飲みながらおしゃべりするのも、私にとってはとてもよいリラックス法です」

    写真の披露山公園など、坂井さんの地元には景色のいい場所が豊富です。



    〈取材・文/嶌 陽子 撮影/柳原久子(https://water-fish.co.jp/)〉

    坂井 より子(さかい・よりこ) 
    長年の主婦歴を生かし、家庭料理や暮らしの知恵を若い世代に伝える。著書に『受け継ぐ暮らし』『暮らしをつむぐ』(ともに技術評論社)。

    ※この記事は『天然生活』2020年2月号の記事を加筆・修正し再編集したものです

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