爪の大敵「乾燥」
「爪が乾燥していると、爪が硬くなって柔軟性がなくなり、爪切りの衝撃で爪が割れるなどのトラブルが起きやすくなります。一般的に、年をとるにつれて爪の乾燥は進み、爪に縦線ができるおもな原因になります。また、爪は皮膚の仲間なので、肌と同じように、冬の乾燥している時期は爪も乾燥しています。爪が割れやすい場合は、少しずつカットできる直線刃タイプの爪切りで、少しずつ切るといいでしょう」
「自分に合った爪切りを選び、正しく爪を切るだけでなく、食生活や保湿に気をつけるのも爪にとっては大切です。栄養が偏ると爪の質が悪くなるので、栄養バランスのいい食事で爪の質を上げるようにしてください。市販のネイルオイルを爪の生え際や爪の表面に塗って保湿していただくと、乾燥を防いで爪が丈夫になります。
爪を短く切りすぎるのは、よくありません。ハイポニキウム(爪下皮)という名前なんですが、爪の裏側にも皮膚があり、爪が短すぎるとその皮膚の働きを弱めてしまいます。すると、爪の幅(ピンク色の部分)がどんどん後退していき、指先の皮膚が乾燥して割れる原因になったりすることも。
さらにいうと、爪はさまざまな圧力を支える働きをしているので、爪が短すぎると爪で支える圧力が減り、その分骨の関節に余計な負荷がかかってしまいます。それを防ぐためにも、爪は適切な長さに切るように気をつけてください」
爪のトラブルごとの対処法
巻き爪の場合
「巻き爪を切るときは、凸刃タイプと斜め直線刃タイプの爪切りの2種類を使うようにしましょう。まず凸刃で、爪の中央部分を少しカットします。そうすると切り口ができるので、その後は斜め直線刃で端まで切っていきます。数回繰り返して仕上げる気持ちで少しずつ切ることをおすすめします。巻きの具合にもよりますが、スクエアオフの形(角を少しだけ丸めたもの)にするのが難しければ、スクエア(角に丸みをつけずにまっすぐ)に整えても構いません」
二枚爪の場合
「二枚爪は、通常の切り方と同じでいいのですが、割れがさらに広がらないように、“少しずつわけて切る”のを忘れないようにしてください。割れているところを残さずカットできればいいのですが、割れが深ければ、無理に全部切らずに爪が伸びるのを待ちます。伸びるまではテープなどを貼って保護し、爪が剥がれたり、引っかかったりしないようにするといいでしょう」
爪をこまめに整えて、感染症対策を
「コロナに限らず、風邪やインフルエンザなどにも手洗いや消毒が有効ということは、だいぶ認知されたと思います。手を石けんでしっかり洗うのがなにより大切ですが、その前段階として、爪を短く整えておくのも重要です。爪は長すぎると爪と皮膚の間の菌が落ちにくく洗い残しが増えるので、正しい長さに切りましょう。爪ブラシを使って、爪の中の汚れもしっかりかき出すようにすると、さらに安心です」
爪切りのお手入れ方法
「爪切りを清潔に保つために、使用後はこまめにお手入れしましょう。家族で共有しているなら、使用後に毎回やると感染症対策にも役立ちます。お手入れには、綿棒とアルコールスプレーを用意します」
「爪を健康に保つには、正しく爪を切ることと、バランスのとれた食事・保湿をダブルで行っていくことが大切です」と浅見さんはいいます。爪をいたわって、トラブルが起きないよう日頃から気をつけたいですね。
<撮影/山川修一 取材・文/諸根文奈>
浅見 芽生子(あさみ・めいこ)
貝印株式会社の社内資格である、包丁・ツメキリのマイスター資格と、ハサミのアドバイザー資格を保有。2017年にツメキリのマイスター制度の立ち上げメンバーに加わり、2018年にはJNECネイリスト技能検定3級を取得。爪の健康を保つためのケアを自分でできる方法を広く普及することを目指し、ツメキリの選び方や爪の正しい切り方を確立。講習、実習を通して啓蒙活動を行っている。ツメキリの啓蒙活動のほかに、包丁マイスターとして包丁研ぎのサービスにも従事する。