• 世界の暮らしには、私たちの知らない美しいもの、おいしいもの、たくさんの楽しみがあります。本連載では、約4年半、ミャンマーで暮らした経験を持つ、今野まやさんが出合った、美しいアジアの手仕事、暮らし、文化を紹介します。今回のテーマは「執着しない、受け入れること、楽しむこと」。大自然と寄り添う暮らしとともに、お楽しみください。

    ミャンマーに到着

    こんにちは。moringa(モリンガ)の今野まやです。

    いまは大変な状況下にあるミャンマーの平和を心から祈りながら、本連載ではミャンマーの素晴らしさ、現地での暮らしや経験、モリンガを通して学んだことなどをお伝えしたいと思っています。

    いろいろと綴っていきたいと思いますので、少しでも楽しんでいただければうれしいです。

    * * *

    夫の転勤で突如訪れた、一家4人のミャンマー暮らし

    夫、5歳の息子、3歳の娘との家族みんなでの海外暮らしは人生初ですし、何が一番大変だったかもわからないくらい、毎日は、ハプニングの連続でした

    幸せな日々は「いまを受け入れる」ことから

    画像: 停電のときは、潔く諦めて、庭でキャンプ気分を味わったりしていました

    停電のときは、潔く諦めて、庭でキャンプ気分を味わったりしていました

    現地に到着し、まず、驚いたのが、頻繁におとずれる「停電」です。1週間に何度も起こり、多いときには1日に何度も電気が止まります。

    電気が止まるということは、水道も止まります

    うだるような暑さのなかで、トイレもシャワーも冷房も。自然に囲まれた環境だったため、明かりがつかなければ、停電エリアは本当に真っ暗。懐中電灯が手放せません。

    それでもその環境に段々と慣れてきて、日々貯水するなど、対応策の引き出しも増えてきます。

    停電になったらときには、家族で停電エリア外のカフェへ。冷房の効いた空間でおいしいドリンクをみんなで楽しくいただきます。いい気分転換です♪

    もちろん、今度はそのカフェのエリアが停電になることも。

    パッと突然電気が止まり、再び真っ暗。地元の方は、そんなトラブルにも慣れているようで、誰ひとり、停電に騒ぐ方もおらず、皆、淡々とおしゃべりを楽しみ、食事が進みます。最初は「えー!! みなさん、電気が消えていますよ!!」とびっくりしたものでしたが、2、3カ月過ぎたころには、私たちも動じず、また消えたね、程度の気分になっていました。

    そんなトラブル満載の幕開けでしたが、慣れて来ると、ふと気づく大自然に寄り添うミャンマーの素晴らしさ。見るもの耳にするもの味わうもの、すべてが私たちにとって初めての経験で、暮らしはワクワクと楽しいことで満ちていました。

    過去の暮らしに「執着しない」「諦める」「受け入れる」ことができたときから、一気に私たちの暮らしは広がります。

    気持ちよく晴れた、土曜の朝の楽しみ

    画像: 野菜は、生産者の農家さんが直接売っていてフレッシュでおいしいものばかり。日本では貴重な蘭も数百円で買える身近な存在

    野菜は、生産者の農家さんが直接売っていてフレッシュでおいしいものばかり。日本では貴重な蘭も数百円で買える身近な存在

    私たち一家の土曜日は、車で10分ほどの公園で毎週開かれているオーガニックマーケットから始まります。

    まずは、夫と娘と一緒に、サッカーの早朝練習を終えた息子のピックアップへ(昼間は気温が40℃を超えるので、ミャンマーでの練習は早朝7時からスタートです)。

    そこから、みんなでマーケットに向かいます

    緑に囲まれたマーケットは、おいしいあれこれが何でもそろう万能な台所みたいな場所。すごく楽しいし、朝から気分も上がります。

    私は、バスケット片手に、花や野菜の調達を、夫と子どもは、新鮮な朝ごはんを楽しみなら、公園をウロウロ、のんびり時間を過ごします。

    子どもたちのお気に入りは手づくりのソーセージが入ったホットドックと、ココナッツジュース。子どもたちはガブリつき、大興奮で食べていました。

    ヤンゴンの夏は激暑だし、雨季はお昼過ぎからどしゃ降り! なので、とにかく朝早く起きて朝ごはんも買い物も一気に片づくマーケットは、私にとっても家族にとっても、気持ちも体もリフレッシュできる最高の場でした。

    画像: 気持ちよく晴れた、土曜の朝の楽しみ
    画像: マーケットでは野菜はポリ袋ではなく、葉くるみに。土にかえる地球にやさしいパッキング

    マーケットでは野菜はポリ袋ではなく、葉くるみに。土にかえる地球にやさしいパッキング

    フルーツ天国のミャンマー

    画像: フルーツ天国のミャンマー

    ミャンマーはフルーツ天国です。夏にはパイナップル、マンゴスチン、リュウガン、ドライフルーツなど、1年で一番元気に実った旬のものが手に入ります。

    なかでも、そのおいしさに一番衝撃を受けたのが、一年中手に入るバナナです。朝のマーケットで収穫したばかりの完熟バナナを手に入れたら、真っ直ぐ自宅の冷凍庫へ。凍ったバナナをミキサーで撹拌すれば、あっという間に自家製のオーガニックアイスができあがります。

    砂糖も牛乳も生クリームも入れなくても、あまくてトロトロ。スプーンですくうと、トロ〜リと器に落ちていきます。

    初めて食べたときの衝撃は忘れられません。「日本に帰国したら、バナナアイスクリーム屋を開きたい!」って本気で思ってしまったくらいおいしいんですよ。

    ほかにもパッションフルーツを煮詰めて炭酸水で割って飲んだり、種類豊富なマンゴーを食べ比べたり、現地では、子どもたちも大好きなフルーツを、1年中楽しんでいました

    画像: 市内のバナナ専門店。大きさも色もさまざまなバナナが売っています。圧巻です

    市内のバナナ専門店。大きさも色もさまざまなバナナが売っています。圧巻です

    買い物のおとも

    マーケットの買い物の必需品といえば、バスケットです。

    毎回、「moringa(モリンガ)」のバスケットを持って行きました。

    いまでは日本にも浸透している、買い物用のポリ袋をなるべく持たない暮らしが「ふつうのこと」でした。

    ミャンマーでは、ずっと変わらず、それが日常です。慣れてみると、とても便利で、気持ちいいものでした。

    画像: 卵を買うときは、布付きの小さなバスケットで

    卵を買うときは、布付きの小さなバスケットで

    画像: 買い物袋もないのでゴミもでません

    買い物袋もないのでゴミもでません



    今野まや(いまの・まや)
    モリンガ主宰。7年前に夫の転勤によりミャンマーへ移住。現地でミャンマーのものづくりに触れ、2016年、手織りの布を使ったテキスタイルブランドmoringa(モリンガ)を設立。2019年家族とともに帰国。
    インスタグラム:@moringahandmade
    facebook:https://fb.me/moringahandmade
    HP:モリンガ



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