• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしを作る。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、大好物の「ホテルオークラのレモンパイ」を食べた興奮を鎮めるため、りんごとチーズでケークサレを作ります。

    甘くないケーキの罠

    ホテルオークラの「レモンパイ」が私の好物です。

    世の中には色々なケーキが溢れていて、どれもこれも、もれなく美味しいです。なのに、その中で私にとってダントツで美味しいのがこの「レモンパイ」なのです。

    レモンパイの存在を知ったのは、赤毛のアンです。お茶会の描写の中に出てきて、幼かった私は「レモンパイってなんだろう?」と心惹かれました。だってレモンなんて、うちでは唐揚げの横に添えるくらいしかその役割を果たしていなかったのですから。

    それがメインでパイになっているなんて。甘いの? 酸っぱいの? 美味しいの? 唐揚げみたいに上からしぼるの? 当時、そんな洒落たパイは地元福島には存在しませんでした。

    それが時を越えて、35歳の時にテレビでたまたま発見するのです。なんでもホテルオークラのレモンパイは創業当時から販売され、オークラを代表する至高の一品なんだそう。

    パイ生地、レモンカード、キレイに絞られたメレンゲがこんがり焼けて美味しそう。私の想像していたレモンパイの、何倍も上を行く魅惑的な姿でした。

    画像1: 甘くないケーキの罠

    そして念願叶って、初めて食べたオークラのレモンパイは私の胸を貫きました。美味しい。パイはほんのり塩っけがあってサクサク。レモンカードがこれまた絶品。甘すぎず、レモンの酸味と香りが残っていて、レモンをしっかり感じさせます。そしてカリッと焼けたほんのり甘いメレンゲ。これが三位一体となって素晴らしいよ!

    先日、そのレモンパイを久しぶりに食べてから、タガが外れたと言いますか、甘いもの食べたい欲が増してきました。でも産後ダイエットもしなければいけないし、甘いものは控えてなくては。

    そこでケークサレならいいか! と思い、久しぶりにケークサレを焼きました。父親が買ってきてくれたりんごが余っていたので、「りんごとカマンベールチーズのケークサレ」です。

    画像2: 甘くないケーキの罠

    ケークサレってお菓子作りほど、分量とか泡立て方とか気にしなくていいので、雑な私でも失敗なく作れて最高です。しかも甘さ控えめで今の私にぴったり。

    これは甘みのないケーキよ。と、モグモグ食べていたら、これはこれで大変です。お酒が飲みたくなってくるではありませんか。白ワインが飲みたい。

    ケークサレはケーキではない。おつまみだった。ああ! マッシュルームのアヒージョとか、生ハムとか、カラスミのスパゲティとか、塩のパンチが効いている品々も用意しちゃって、白ワインをガブガブ飲みたい。

    甘いものを避けるために作ったケークサレで、今度はお酒の欲望が湧き出てくるとは。情けない。なんて欲深いのでしょう。

    全力でモグモグしても罪悪感を抱かない日を夢見て、時々のご褒美で、またレモンパイを食べたいと思います。

    画像3: 甘くないケーキの罠


    画像4: 甘くないケーキの罠

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



    This article is a sponsored article by
    ''.