(『心とからだを元気にするお助けスパイスカレー』より)
冷えを感じる人に。スパイスカレーにフェンネルをプラス
「冷えは万病のもと」と昔からいわれるように、肩こりや便秘の原因ともいわれます。血流をよくして体を温めれば、それらの不調も同時に解消できるかも。
+1 効能スパイス
フェンネルについて
特徴:さわやかな甘い香り
別名:茴香(ういきょう)
科名:セリ科
部位:種子(植物学上は果実)
持ち味のさわやかな香りからは想像がつきにくいですが、冷えをとり、胃の調子を整える作用があるといわれます。
消化器官を整えて体全体を温めたいとき、胃腸が弱っているときやガスがたまっているときにもおすすめ。口臭予防にも使われ、から煎りしたフェンネルを食後に数粒嚙むとさわやかな香りが口の中に広がります。
インド料理店でも砂糖でコーティングされたフェンネルをときおり見かけますね。中国の五香粉(ウーシャンフェン)やインドのミックススパイス・ガラムマサラにも使われるスパイスです。
フェンネルシードの火入れポイント
油につかるようにして、強火にかけ、1分ほど加熱。泡立ち、薄茶色になってきたらOK。焦げやすいので注意。
冷えにおすすめの食材
いわし水煮缶
血管を広げる働きのあるビタミンEが豊富なほか、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のEPAにも血流の流れをよくする働きがあるといわれる。缶詰なら下処理なしにすぐに使えるのが魅力。ビタミンCと一緒にとると抗酸化作用も上昇する。
いわしカレーのつくり方
うまみの詰まった缶汁も加えるのがミソ。さわやかレモンは栄養面からもばっちり。
材料(2人分)
【具材】 | |
・ いわし水煮缶 | 1缶(200g) |
【効能スパイス】 | |
・フェンネル(ホール) | 小さじ1/2 |
【グレイビー】 | |
・ にんにく、しょうが(各みじん切り) | 各1かけ |
・ 玉ねぎ(薄切り) | 1個 |
・ トマト(ざく切り) | 1個 |
・ ターメリック(パウダー) | 小さじ1/2 |
・ クミン(パウダー) | 小さじ1 |
・ コリアンダー(パウダー) | 小さじ2 |
レモン汁 | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
油 | 大さじ1 |
つくり方
1 フライパンに油とフェンネルを入れて強火にかけ、薄茶色になるまで1分ほど熱する。
2 にんにく、しょうが、玉ねぎを加え、薄茶色になるまで3分ほど炒める。
3 トマトを加え、水分がなくなり、ペースト状になるまで中火で2分ほど炒める。
4 ターメリック、クミン、コリアンダーを加え、弱火で1分ほど炒める。
5 いわし缶を汁ごと加え、ふたをして弱火で3分ほど煮る。レモン汁、砂糖を加え、味をみて、物足りなければ塩小さじ1/4~(分量外)でととのえる。
Memo
いわし缶はメーカーによって塩分が違うので、最後に味をみて塩の量を加減して。あれば、パクチーをちらしても。
あったら、このスパイスも使おう!
*カルダモン(ホール、3個)1で加える
*チリペッパー(パウダー、小さじ1/4)4で加える
〈料理/印度カリー子 撮影/豊田朋子 構成・文/飯村いずみ、印度カリー子(スパイス部分) イラスト/コグレチエコ〉
本記事は『心とからだを元気にするお助けスパイスカレー』(家の光協会)からの抜粋です
印度カリー子(いんど・かりーこ)
スパイス料理研究家。初心者のためのスパイス専門店香林館株式会社「印度カリー子のスパイスショップ」代表取締役。スパイスカレーを食べ始めてから1年半で7〜8kgの減量に成功。冷え性や風邪を引きやすい体質も改善できたことから、スパイスカレーに魅了される。誰でも簡単にカレーがつくれるスパイスセットの開発・販売をするほかテレビ、ラジオ、新聞、ネットなどでも活躍中。著書に『ひとりぶんのスパイスカレー』(山と渓谷社)、『フライパンひとつでスパイスカレー』(ぴあ)などがある。
インスタグラム:@indocurryko
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スパイスを食品科学の観点から研究する印度カリー子さんが教える、症状別カレーレシピ。スパイスは「食べる漢方」といわれ、高い効能が認められています。本書では疲れ、肌荒れ、冷え、ダイエットなど、日本人に悩みの多い10の不調を改善するカレーレシピを紹介。
つくり方は3つの最強スパイス(ターメリック・クミン・コリアンダー)に、もう1種類のスパイスを組み合わせるだけ。フライパンひとつででき、どれも20分前後で完成! 初心者でも簡単につくれます。
また、カリー子さんのカレーレシピは辛くないうえに、油少なめでヘルシー。スパイスの香りとおいしさを五感で楽しんで、心も体も元気&きれいになりましょう。