料理をぐっと楽にしてくれる“ひと工夫”。すぐにできて、家のごはんがもっとおいしくなる、魔法のような知恵あふれる料理を紹介します。大原千鶴さんに、ぶたしょうが焼きのつくり方を教えていただきました。
(『天然生活』2018年3月号掲載)
ぶたしょうが焼きのつくり方
たれとしょうがを最後に加え、しっとりやわらかく焼き上げます。甘辛味のお肉には、酸味の効いたガリを添えるのがおすすめ。
材料(2人分)
● ぶたロース肉(しょうが焼き用) | 200g |
● 片栗粉 | 適量 |
● ごま油 | 小さじ2 |
● A | |
・みりん | 大さじ3 |
・薄口しょうゆ | 大さじ1と1/2 |
● おろししょうが | 小さじ2 |
● せん切りレタス、しょうがの甘酢漬け、ラディッシュ | 各適量 |
つくり方
1 ぶた肉は半分に切り、片栗粉を薄くまぶしつけ、ごま油を熱したフライパンで両面を焼く。火がとおったら、Aの調味料を入れて煮つめながらたれをからめ、火を止めてから、おろししょうがを加え、さっと混ぜる。
2 皿にせん切りレタスをたっぷりのせて1のぶた肉を盛り、しょうがの甘酢漬け、彩りにラディッシュの薄切りを添える。
小さな工夫
ぶた肉に片栗粉をまぶしておくと、たれがからみやすくなる。
みりん2:薄口しょうゆ1は、とりの照り焼きなどにも合う「黄金だれ」。
料理をイメージすることが、おいしさにつながります
「家庭料理は毎日のものだから、手間をかけすぎず、さっとつくるのがいいですね」という大原さん。
そのなかで、「面倒だと思わない程度のおいしさの追求」から、小さな工夫は生まれるそうです。
とろっとやわらかな食感のしょうが焼き。今回、教えてくれた料理はシンプルですが、大原さん流の工夫やアイデアがちりばめられていて、何度も食べたくなるようなやさしい味がします。
おいしく仕上げるために、いつも心がけているのは、「料理のイメージを明確化すること」だそう。
「たとえば、しょうが焼きは、最後のひと煮つめがあるのとないのとでは、味が変わってきます。どんな料理も、イメージに向かってちゃんとつくっていく、ということですね」
たとえ日常の料理でも、着地点をきっちり定め、ひとつひとつの工程に誠実に向き合うことが、‟わが家の味”をおいしくする近道のようです。
〈料理/大原千鶴 撮影/伊藤 信 取材・文/山形恭子〉
大原千鶴(おおはら・ちづる)
奥京都、花脊の料理旅館「美山荘」の次女として生まれる。幼いころから料理の心得を学び、現在は京都伝統の味をつくりやすい家庭料理として紹介する。著書に『大原千鶴のささっとレシピ』(高橋書店)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです