• いまや「国民病」と言ってもよいほど、多くの人の春をユーウツなものにしている「花粉症」。毎日の食生活で花粉症を改善するポイントについて、東京・青山の「源保堂鍼灸院」で東洋医学に基づいた食養生のアドバイスを行う、国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんに教えていただきます。今回のテーマは、「毎日おみそ汁」。発酵食品は「脾(ひ=消化機能全般)」の強い味方、栄養の吸収と消化を助けてくれます。
    (『季節の不調が必ずラク~になる本』より)

    季節の不調を引き寄せる「内因(ないいん)」

    画像1: 季節の不調を引き寄せる「内因(ないいん)」

    春は花粉症がつらくて、お花見どころか外に出るのもイヤ。一方で、飛び散る花粉をものともしない元気な人たち。

    もちろん生まれ持った体質はありますが、東洋医学では、体の中に「内因(ないいん)」という生活習慣で蓄積された発症の「きっかけ」がどれだけあるかで、症状が左右されると考えます。

    その「内因」の代表的なものが、「痰湿(たんしつ)」「瘀血(おけつ)」「熱毒(ねつどく)」の3つです。

    痰湿(たんしつ)

    体内にたまった余計な湿気のこと。体がむくみやすくなり、胃腸を弱らせ、頭や体を重だるくさせ、デトックスのための通り道をふさいでしまうやっかいなもの。

    [痰湿をつくるもの]
    甘いもの・冷たいもの・生もの・脂っこいものの食べすぎ、飲みすぎ、胃腸の冷え など

    瘀血(おけつ)

    血の巡りが悪くなってドロドロになり、栄養や老廃物をうまく運べなくなった状態です。体に不要なもののデトックスが速やかにできなくなったりします。

    [瘀血をつくるもの]
    脂っこいもの・味の濃いもの・乳脂肪分の多いものの食べすぎ、カフェイン、アルコール、ストレス、寝不足 など

    熱毒(ねつどく)

    体内にたまった余計な熱のこと。粘膜が荒れたり、体内で解毒を担当する臓器「肝」を傷めたり、発熱や湿疹、かゆみなどの原因になったりします。西洋医学における「炎症」も含みます。

    [熱毒をつくるもの]
    脂っこいもの・味の濃いものの食べすぎ、肉の食べすぎ、香辛料のとりすぎ、過食、アルコール、ストレス など

    もちろんどんなに健康な人でも、病気になるときはなるものです。けれど「内因」をできるだけ減らし、自分のバリア機能を高めることができれば、花粉に過剰に反応しない体をつくることができるのです。

    ここでは、花粉症の時季、毎日の食生活で、意識して食べるとよいものを紹介します。暮らしの養生と並行して、以下の食材を積極的に食べると、花粉症がぐ~んと改善するはずです。

    画像2: 季節の不調を引き寄せる「内因(ないいん)」

    毎日のごはんで実践! 超お手軽「花粉症改善法」
    毎日おみそ汁

    画像: 毎日のごはんで実践! 超お手軽「花粉症改善法」 毎日おみそ汁

    腸内環境をよくするために、毎日ヨーグルトを食べている人も多いですが、東洋医学的には乳製品は「痰湿」をためやすい食材。

    その代わりにおすすめが、みそや納豆などの大豆を使った発酵食品です。

    東洋医学ではある臓器が修復され、活動的になる時間帯が臓器ごとに決まっていて、朝食を食べる朝7~9時は、胃の時間帯とされています。

    この時間帯に胃をいたわる発酵食品を食べると、胃が元気になり、栄養の吸収がスムーズに。結果的に「衛気(えき≒体のバリア機能)」「正気(せいき≒免疫力)」を養います。

    みそは本醸造をチョイス

    画像: みそは本醸造をチョイス

    みそ汁に使うみそは、本醸造を。インスタントのみそ汁は、フリーズドライではなく生タイプで。

    特に朝食べるのがおすすめ

    画像: 特に朝食べるのがおすすめ

    朝のみそ汁は胃腸を補い、体も温まって一石二鳥。朝食抜きの人も、みそ汁だけでも飲みましょう。

    葉野菜プラスで効果アップ

    画像: 葉野菜プラスで効果アップ

    みそ汁の具は、キャベツや菜の花、小松菜など葉野菜にすると、花粉症対策の効果がアップします。

    発酵食品も選び方が大事

    画像: 発酵食品も選び方が大事

    納豆、かつお節、ぬか漬けなどもおすすめの発酵食品。チーズやキムチは「熱毒」の原因になるので注意。

    症状がラクになる「花粉症ごはん」
    ごぼうとにんじんのごまみそ汁

    画像: 症状がラクになる「花粉症ごはん」 ごぼうとにんじんのごまみそ汁

    花粉症の時季にぴったりなおかずを紹介します。素材には火を入れて、優しい味つけにするのがポイントです。

    ごぼうもごまも、お通じをよくしてくれる素材。ごぼうは熱を取り、解毒作用もあるのでしっかり食べましょう。

    材料(2人分)

    ● ごぼう1本
    ● だし汁350mL
    ● にんじん1/2本
    ● みそ大さじ1と1/2
    ● ごま油大さじ1
    ● すりごま大さじ1

    つくり方

     ごぼうは包丁の背で皮をそぎ、そぎ切りにして水にさらす。にんじんはせん切りにする。

     鍋にごま油をひいて火にかけ、水気をきった のごぼう、にんじんを入れ、さっと炒める。

     だし汁を加え、野菜に火が通るまで煮る。火を止め、みそを溶き入れる。

     器に盛り、すりごまをふる。

    にんじんやごまは、乾燥を防ぐ効果もあるので、肌が乾燥しがちで、衛気が弱くなりがちな人はよく食べるようにして。

     

    当記事は『季節の不調が必ずラク~になる本』(文化出版局)からの抜粋です

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    〈調理・撮影/瀬戸佳子 イラスト/あおむろひろゆき〉

    画像: つくり方

    瀬戸佳子(せと・よしこ)
    国際中医薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了。北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。会社員を経て、東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行いながら東洋医学に基づいた食養生のアドバイスを行う。雑誌やwebの取材、セミナーの講演などでも幅広く活躍。初めての著書『1週間で必ず体がラクになる お手軽気血ごはん』(文化出版局)が、働く女性たちの間で話題に。
    源保堂鍼灸院・薬戸金堂
    https://genpoudou.com/

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    『季節の不調が必ずラク~になる本』(瀬戸佳子・著)

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    春は花粉症がつらくて、お花見どころか外に出るのもイヤ。梅雨は体が重くて、なんだかやる気が出ないし、夏は暑くて暑くてしかたがないのに、クーラーで冷えてつらい。寒くなれば、インフルエンザやカゼにかかるのが怖くて……。そんな季節の不安ばかりで、1年を過ごしていないでしょうか。

    もちろん生まれ持った体質はありますが、どうメンテナンスしていくかによって症状はガラリと変わります。季節の養生は自分の体を大切に扱うメンテナンスの第一歩。「今日からちょっと取り入れてみよう」「今シーズンこれだけやってみよう」と気軽に試せる簡単な方法を紹介します。



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