(『季節の不調が必ずラク~になる本』より)
続けると確実にラクになる!
花粉症対策3か条
体の中に入っている余計なもののことを、東洋医学では「邪気(じゃき)」と呼びます。風邪のウィルスや細菌、花粉もこの「邪気」です。
邪気ができるだけ入らないよう、バリア機能、デトックス作用で排除しようとしますが、それでも入ってきてしまったものは、体の中の「正気(せいき≒免疫力)」が戦って、体に平安を取り戻そうとします。
「正気」が何らかの理由でしっかりしていないと、戦いに苦戦し鼻水などの副産物が必要以上に大量発生します。増産された副産物は、デトックスするための通り道をふさぎ、体の中にたまる邪気を増やし、さらに戦況が悪化する……まさにドロ沼ですね。
このドロ沼こそが、花粉症の正体です。
「治らない」と思われがちな花粉症。けれど以下の3つを意識して生活すれば毎年苦しんできた花粉症の症状は、確実にラクになるはずです。
1 花粉を入れない
「入れない」は、鼻や喉、目や胃腸の粘膜、それから皮膚といった体の外側のバリア機能のこと。
バリア機能が働くには、胃腸が元気であることが何よりも大切です。
胃腸を物理的に冷やさない(腹巻きがおすすめ)、胃腸を冷やす食生活(甘いもの、冷たいもの、生もの)を避ける対策を。
発症の予防にはこのバリア機能強化がいちばん重要です。
2 花粉をためない
花粉はまず、鼻水やくしゃみで排出されます。必要以上に出すぎたり、粘膜を傷つけない限りは、鼻水やくしゃみは出したほうがよいのです。
それでも出ていかない花粉は、主に便で排出されます。なので、花粉の時季は特に便秘に注意です。
それでも残った花粉は「肝」(≒肝臓)によって解毒されます。花粉症のつらさは「肝」が疲れて解毒できていないからです。
「肝」を疲れさせるものは、アルコールや乳製品、甘いものや脂っこいものが多い食事。寝不足や過労など生活の不摂生、そしてストレスや怒りなどの精神的ダメージです。
対策として、「肝」を元気にする青い葉野菜をたっぷり食べるのがおすすめです。
3 花粉に反応させない
内側のバリア機能がしっかり働き、花粉という「邪気」を抑えられている状態です。
これには、「正気」をつくる胃腸を元気にする、そして「内因(ないいん=生活習慣で蓄積された発症の「きっかけ」)」をつくらないことが大切です。
「内因」の多くは汗からも発散できます。春先から軽く運動してうっすらでも汗がかけるようにしておくと、花粉対策にもいいのです。
毎日のごはんで実践! 超お手軽「花粉症改善法」
しそで解毒! 解毒!
解毒作用に優れたしそは、とにかく花粉を排出したい時季にはおすすめの素材。梅干しに入っている赤じそや生の青じそを積極的に食べましょう。
おなかが冷えやすく、あまり汗をかけない人に特におすすめ。気を巡らせてストレスを発散させる作用もあり、忙しかったり、ストレスが多かったりして、胃の調子や食欲がおちる人はぜひとって。
しょうゆ漬けで保存を
青じそはしょうゆ漬けにしておくと、ごはんのお供にも。お好みでごま油を加えるとコクが増します。
ふりかけも活用しよう
冬から食べておきたい、赤じそのふりかけ。おむすびに加えたり、ドレッシングの風味づけにも。
ハーブティーはシソ科で
ハーブティーはオレガノ、セージ、タイム、バジルなどを。目のかゆみにはミントがおすすめです。
ちぎって料理にトッピング
青じそは温野菜サラダやおみそ汁などに、ちぎってトッピング。香りを生かすため生で使いましょう。
青じその農薬が気になる人は、ボウルに水を張り、しばらくつけたあと水洗いしてから使うようにするとよいでしょう。
症状がラクになる「花粉症ごはん」
もやしとしそのさば缶あえ
花粉症の時季にぴったりなおかずを紹介します。素材には火を入れて、優しい味つけにするのがポイントです。
解毒作用の強い緑豆もやしと青じそは、花粉症の時季は毎日食べてもよい素材。さばと酢は、「瘀血(おけつ=血の巡りが悪くなってドロドロになり、栄養や老廃物をうまく運べなくなった状態)」を取ってくれます。
材料(2人分)
● 緑豆もやし | 1袋 |
● 青じそ | 10枚 |
● さば缶(有塩) | 1缶(190g) |
● 酢 | 大さじ2 |
● しょうゆ | 大さじ1/2 |
つくり方
1 鍋に湯を沸かし、もやしをゆでる。しそはせん切りにし、水にさらす。
2 ボウルにしっかり水気をきった1、さば缶(汁ごと)、酢、しょうゆを入れ、よく混ぜる。
当記事は『季節の不調が必ずラク~になる本』(文化出版局)からの抜粋です
【受付終了】瀬戸佳子さんの著書
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〈調理・撮影/瀬戸佳子 イラスト/あおむろひろゆき〉
瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了。北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。会社員を経て、東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行いながら東洋医学に基づいた食養生のアドバイスを行う。雑誌やwebの取材、セミナーの講演などでも幅広く活躍。初めての著書『1週間で必ず体がラクになる お手軽気血ごはん』(文化出版局)が、働く女性たちの間で話題に。
源保堂鍼灸院・薬戸金堂
https://genpoudou.com/
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春は花粉症がつらくて、お花見どころか外に出るのもイヤ。梅雨は体が重くて、なんだかやる気が出ないし、夏は暑くて暑くてしかたがないのに、クーラーで冷えてつらい。寒くなれば、インフルエンザやカゼにかかるのが怖くて……。そんな季節の不安ばかりで、1年を過ごしていないでしょうか。
もちろん生まれ持った体質はありますが、どうメンテナンスしていくかによって症状はガラリと変わります。季節の養生は自分の体を大切に扱うメンテナンスの第一歩。「今日からちょっと取り入れてみよう」「今シーズンこれだけやってみよう」と気軽に試せる簡単な方法を紹介します。