(『天然生活』2020年6月号掲載)
長く愛せる上質な服をベストや小物で自分らしく
「素材がよくて、つくり手のやさしさが伝わってくるような服が好き」という中西ルミ子さん。
子育てが一段落したころに高知で「ギャラリーM2」をオープンし、2017年で30周年を迎えました。
その洗練されたもの選びのセンスは、普段の装いにも。「ヤエカ」など比較的新しいブランドから、ずっと好きな「コム デ ギャルソン」などのシンプルな服に、父から譲られたベストや、土佐サンゴのアクセサリーを自在に組み合わせ、自分らしく着こなします。
この日の装いは、大人のための礼服としてデザインされた「スズキタカユキ」のワンピースに、「コズミックワンダー」のワークジャケット、足元は「アグ」のブーツ。
「最初から礼服にはしないつもりで、日々気軽に着ています。足元は冷えとりをしていることもあって、夏でもほぼ『アグ』。この靴が一番いまの私らしいと思う」
グレイッシュなトーンを好んできた中西さんですが、70代になったら、少し明るい色の服もまとってみたいと思うようになったとか。
「着るものひとつで、はっとするほど見た目が変わる。服はその人の内面や生き方を表すもの」だといいます。
どこか凛とした表情のワードローブはやわらかな差し色も加わり、より軽やかに進化していきそうです。
ギャラリーM2・中西ルミ子さんの
初夏の服と小物
自然の色や形をさりげなく添えて
土佐サンゴのネックレスとリングは、高知出身の中西さんらしいアイテム。サンゴに穴をあける技術を持つ職人は、年々減少傾向にあるそう。
イヤリングは「プフッツェ」のもの。花や種子など自然から着想を得たフォルムが、普段にも特別な日にも似合う。
靴は気に入ったものを何度もリピート
「コム デ ギャルソン」のストラップシューズは2足目、白いレザースニーカーは4足目という中西さんの定番。
スニーカーのひもはあえてはずし、ラフに履くのがお気に入り。ここ数年は冷えとりソックスを重ねばきすることが多く、靴は大きめを選ぶことが多いとか。
“好き” を集めてマニッシュに
ヴィンテージリネン製のシャツに、父から譲られたテーラーメイドのベスト、「エルメス」の水牛ペンダントを合わせて。ボトムには「コム デ ギャルソン」のドットスカート。
「メンズだと肩の位置が合わないこともありますが、好きなものなら着てしまいます」
帽子と羽織りもので私らしさをプラス
「スズキタカユキ」のワンピースに、「コズミックワンダー」の墨染めワークジャケット、「サシキ」の帽子でマニッシュに。
胸元の「プフッツェ」のネックレスはチェーンの一部が二重になっており、自然な陰影が生まれます。オニキスのイヤリングと合わせて。
〈撮影/辻本しんこ 取材・文/野崎 泉、鈴木理恵(TRYOUT)〉
中西ルミ子(なかにし・るみこ)
高知にて「ギャラリーM2」主宰。作家ものを中心に、暮らしまわりの品々を独自の視点で提案している。
http://www.gallery-m2.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです