• はなさんがお茶のお稽古を始めて早6年。茶の湯の世界には、日本人としての大切な繊細な心構えがあるとはなさんは考えます。お茶のお稽古は、心と体のバランスを整えるきっかけにもなっているようです。
    (『今日もお稽古日和』より)

    姿勢が悪くなるのは、心と体の疲れのサイン

    早朝、駅に向かう途中に開店前のお店が軒を連ねます。店舗の中は真っ暗ですが、窓ガラスの反射で自分の歩く姿を確認することができるので、この日もチラッと姿勢だけチェック。

    疲れている日は首が前に出て、猫背気味。元気な時は、頭のてっぺんから吊るされるように、姿勢がスッと伸びている。うわっ。今日は首が前に出過ぎ。崩れかけた積木を立て直すように、急いで、自分の立ち姿を整えました。

    心と体は繋がっています。どちらかが疲れていると、姿勢が悪くなってしまい、やがて、気持ちも後ろ向きになってしまう。今日も疲れているから気をつけよう、とブツブツ言いながら電車に乗り込み、朝稽古に向かいました。

    画像: 姿勢が悪くなるのは、心と体の疲れのサイン

    茶室に到着すると、すでにお稽古をされている方がいらしたので、後ろの方で見学させていただくことにしました。

    「お茶を点てる時はどうしても前屈みになってしまうので、姿勢に気をつけてね」

    お茶のお点前は一礼に続き、美しい姿勢ですっと立ち上がる動作から始まります。美味しいお茶を召し上がっていただきたい、その一心でお点前を続けると、心と体が前のめりになってしまうのです。

    お茶のお稽古は心と体のバランスを整えるきっかけに

    一心不乱に茶筅を振り続け、姿勢も前屈みになりやすいので、私は「この空間をお客さまと共有している」という意識を常に持つように心がけています。

    疲れている日は特に、自分の姿勢が乱れないように注意する。そう考えると、お茶のお稽古は心と体のバランスを整えるきっかけにもなる、大切な時間です。

    「思想は姿勢に繋がり、姿勢は人生に繋がる」この日、先生からいただいた言葉が全てを物語っていました。

    画像: お茶のお稽古は心と体のバランスを整えるきっかけに

    健やかな気持ちで毎日過ごせるように、今日も背筋を伸ばして

    前向きな考えが、美しい姿勢を作る。そして、美しい姿勢が豊かな人生へと導いてくれる。健やかな気持ちで毎日を過ごすことで、心も体も健康を保つことができるのですね。

    人間、よっぽどの精神力と筋肉量がなければ正しい姿勢を維持することは難しいのかもしれません。ただ、意識することで、バランスを少しずつ取り戻すことができるような気がしています。

    美しい姿勢から見えてくる、この先の豊かな人生。果たして、その景色を私は見ることができるのか?! 気がつくと、今日も積木が崩れかけたような体勢で原稿を書いていますが、背筋を伸ばして、胸を張り、丹田に力を入れて。健やかな気持ちで一日を過ごしましょう。

    本記事は『今日もお稽古日和』(淡交社)からの抜粋です



    画像: 健やかな気持ちで毎日過ごせるように、今日も背筋を伸ばして

    はな
    モデル・タレント。神奈川県横浜市出身。17才からモデル活動を始める。現在は、ファッション誌で活躍するかたわら、FMヨコハマ「Lovely Day♡~hana金~」のナビゲーターも務めるなど、幅広く活躍している。趣味はお菓子づくりや茶道、仏像鑑賞。著書に『はな、茶の湯に出会う』(淡交社)、『hana’s style book』(宝島社)、『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』(幻冬舎)、『おくるおかし』(集英社)など。5月17日に新刊『今日もお稽古日和』(淡交社)が発売になったばかり。
    インスタグラム:@hanalovestaco

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