鶏手羽中のこと
鶏の「手羽中」は、「手羽先」の関節から先の部分を取り除いた部位です。よく動かす部分なので、肉が引き締まっていて、骨付き肉ならではのうま味があります。
皮がしっかり付いて脂質が豊富な「手羽先」と、淡白で脂身が少ない「手羽元」の中間のような特徴がある「手羽中」は、適度に油が載っていて、骨付き肉のジューシーさを味わえる部位です。シンプルな形状で火の通りもいいので、煮物や揚げ物、炒めものなど幅広い料理に活用できます。
手羽中の下処理
手羽中は、余分な脂を出して、火の通りと味のしみ込みをよくするために、手で広げながら、金串で全体に数カ所穴をあける。とくに、皮の脂の多い部分に多めに穴をあける。
鶏手羽中の塩焼きのつくり方
オーブンで皮をカリっと、ジューシーに焼き上げた鶏手羽中の塩焼き。すだちを添えて、さっぱりといただきます。
材料(つくりやすい分量)
● 鶏手羽中 | 10本 |
● 塩 | 大さじ1 |
● 酒 | 大さじ3 |
● こしょう | 少々 |
● すだち | 適宜 |
つくり方
1 ジッパー付き保存袋に塩と下処理した手羽中を入れ、もみ込む。さらに酒を加えて全体になじませ15分おく。最後にこしょうをふる。
2 1を250℃に予熱したオーブンで、途中で裏返しながら、10分焼く。オーブンがなければ、魚焼きグリルで焼いてもよい。最後に上火を強くして皮をパリッと仕上げる。
3 すだちは半分に切り、楊枝で種を取り除く。端をV字に切り汁を絞りやすくする。2が焼き上がったら、2~3分おいて、すだちを絞っていただく。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
◇ ◇ ◇