空いた時間で楽しめる、鍋敷きづくり

慣れた手つきで折り進める松場さん
今日ご紹介するのは、身近にあるものを生かした暮らしの知恵、新聞チラシでつくる鍋敷きです。
皆さんの自宅には、読み終えた新聞チラシはありませんか? 手元に用意したら、鍋敷きづくりのスタートです。
大まかなつくり方は、チラシを4cm幅に切って四つ折りにし、4本を組み合わせて折ってはつぎ足し、好みの大きさになったら、円を描くように丸くして始めと終わりをボンドで留めるだけ。
少し、根気は入りますが、つくり方はシンプルです。
もともとは、松場さんが、群言堂スタッフのおばあさまに教わったもの。宿の台所で使っていると、宿のお客さまからつくり方を教えて欲しいとお願いされることも多いといいます。
「地元のお母さんたちもつくっているものだけれど、むだなく生かす、暮らしのアイデアだなと思います」
これまでいくつも完成させてきた松場さんにとっては、紙の鍋敷きづくりはお手のものです。普段からチラシを切ってストックしておき、手が空いたときにつくるのだそう。
チラシのデザインによって、独特の表情が生まれ、見た目もカラフル。紙といえども、厚みがあるので丈夫で長持ちします。
ぜひ、皆さんもつくってみてくださいね。
切って、折って、組んで、丸めて

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集中する時間も、また楽しい
手を動かそう!
チラシでできる鍋敷きのつくり方

※今回はわかりやすくするため色紙を使っています。

チラシを4cmの幅にカットして折る。これをたくさんつくっておく
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チラシの棒の長さに差をつける。先端を1.5cm程度折る
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写真のように配置する。重なりに注意
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配置した紙を上下、左右に引く
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①の輪を残して、②を折る
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③を折る
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④は①の輪の中を通し折る
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①を引くと土台が完成。このとき、少し強めに引っ張ときれいに仕上がる。今度は、黄色の紙の棒を輪っかにし、上に折り曲げ、藤色を左に折ったら、緑を下に折る。最後は橙を右に折り曲げ、黄色の輪っかに通して4本をぎゅっと引っ張る
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4本中、1本が3cm以下になったらつぎ足していく
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新しい棒をこのすき間に差し込む
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新しい棒をつぎ足す際、工程10で示した隙間の奥2㎝ほどまでしっかりと差し込んで抜けにくくし、ひき続き折っていく
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円に出来る長さまで折り、折り始めと折り終わりとをボンドで止めて輪ゴムで固定する
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工程 1から11の要領で2周目分を折る。工程12にぐるりと巻けるほど折ったら、1周目分の周囲にボンドをつけて、2周目分を固定する
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お好みのサイズになるまで周囲の輪を増やし完成
※ボンドが乾いたら輪ゴムをとって完成です
できあがり!

読み終えたチラシが、見事に生まれ変わる
<協力/石見銀山 群言堂 撮影/渡邉英守 取材・文/宮下亜紀>
松場登美(まつば・とみ)
石見銀山生活文化研究所所長。夫と立ち上げた「群言堂」にて、デザイナー、古民家を再生した宿「他郷阿部家」の女将も務める。現在配信中のNHKワールドJapanオンデマンド番組「Zero Waste Life」に出演。『あるものを生かしきる毎日を楽しむ捨てない暮らし』(家の光協会)など著書多数。
石見銀山 群言堂: https://www.gungendo.co.jp/