はじめまして。ぼくの名前はHaji(ハジ)です。
犬派の桜井家。
突然みゃあみゃあと現れた仔猫を飼うことに(金沢で暮らす息子がね)なったお話を。
仔猫との出会いはとても不思議で運命的でした。
5月中旬、義父のお通夜のさなか親戚が集まっている実家(長野)の庭でみゃあみゃあと仔猫の鳴き声が。
「どこから来たの? ママは?」
親猫の姿は見当たらない。
左目はまだ完全に開いておらず、茶色のトラ模様の毛はぽやぽや。
5月の長野はまだ肌寒くてとりあえずコタツにそっと入れた。そしたらスヤスヤと寝ちゃって。もうお通夜どころじゃない。
生前父は、朝と夕方どこからともなく庭にやって来る野良猫にいつも「はい」とだけ言って大きな袋からカリカリのエサをザザザーッとあげていたんです。
警戒心の強い野良猫たちも父にだけは寄って来てました。もらうもんもらったらサーッとどっかに消えちゃうんだけどね。夫の実家の周りには常に野良猫がいました。
そんな父のお通夜の日に現れた仔猫。わたしたちは、この仔、絶対おじいちゃんの生まれ変わりだよ! と運命を感じずにはいられませんでした。
お義父さんたらこんなかわいい姿になっちゃって。それで名前は父の名前(はじめ)からもらってわたしが「はじめのハジはどお?」と名付けました。
私は飼えない、さてどうする?
ちっこくて(手のひらサイズ)かわいい。飼いたい……でも桜井家は老犬のつぶがいる。飼えない。
そしたら金沢で暮らす長男が「僕が金沢に連れて帰ります。責任持って飼います!」と。
家族でハジ会議が始まりました。
・今の住まいで動物は飼えるのか?
・飼育できる環境は整えられるのか?
・日中、仔猫のハジの面倒をみる人はいるのか?
・動物と暮らすにはそれなりに費用がかかる。最後まで責任持って暮らす覚悟があるのか?
翌日も親猫が探しにくる様子はまったくなく、なんならケロッとした顔でカリカリを食べていなくなる。どうやらハジは小さくて育児放棄をされたようです。
のちにわかったこと。ハジは4匹兄弟でした。
息子は、ハジに出会ったその日にキャリーバック、哺乳瓶、仔猫用ミルク、おしっこシート、おもちゃ(早い! 笑)を購入して動物病院の予約をしていました。
どうやらパパになる覚悟はしっかりあるようだ。
家族で誰も仔猫を飼育したことがなくてミルクのあげ方もわからない。
そんな時に思い出したのが女優石田ゆり子さんのSNSでみていた「ちびた」。
たしかこうやって哺乳瓶でミルクをあげていたよ。
お股をチョンチョンしておしっこさせていたな、って。
手をパーに広げて哺乳瓶からチュパチュパとミルクを飲む姿、お股をチョンチョンしたらチョロチョロって黄色のおしっこが出た時にはもうみんながハジにイチコロでした。
金沢の動物病院で診察を受けてわかったこと。
・おそらく生後約1ヶ月
・体重は380g
・男の子
・気になっていた左目は問題なし
・くしゃみの原因は軽い猫風邪
・ノミ、ダニはついていない
・小さいからやはり親猫の育児放棄だろうと。
ハジとの生活は始まったばかり。
こんなにも人間の心を動かし豊かにするんですね、動物って。
わたし、孫ができた気分です♡
よかったら今後もご一緒にハジの成長日記をお楽しみくださいね。
おまけ。
ハジのインスタグラム:@haji22414
現在のハジの体重は、1.3kgですって。
読んでくださってありがとー!
桜井かおり(さくらい・かおり)
文筆家。大手損害保険会社のOLを経て、東京・代官山「クリスマスカンパニー」にアルバイトとして勤務。その後、系列店のテディベア専門店「CUDDLYBROWN」で店長を務める。2001年3月、東京・松陰神社前で「カフェロッタ」をオープン。心のこもった接客に、全国からお客様が足を運び、お客様から相談やお手紙をもらうことも多かったそう。「カフェロッタ」は2021年9月末に建物老朽化のため、惜しまれつつ閉店。いまは、文筆業や、買い付けなどを行う。著書に『カフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)がある。2冊目の著書『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)が好評発売中。
インスタグラム:@kaorilotta
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