ひじきのこと
保存食として古くから日本の食を支えてきた乾物。なかでも「ひじき」は、カルシウム、鉄分、マグネシウム、食物繊維など女性にうれしい栄養成分を豊富に含みます。
ひじきは、全国各地の海岸の岩礁に生える海藻。「長ひじき」と「芽ひじき」がありますが、これは部分の違いです。茎の部分を加工したのが「長ひじき」、先端の細い部分(芽)を集めたのが「芽ひじき」です。芽ひじきはやわらかく口当たりがよく、長ひじきは歯ごたえがあり、風味が強いのが特徴です。
最近では染色したものが出回っていることが多く、天然もののひじきを選ぶのがポイントです。見分けるポイントは、戻したときの水が黒くなるものは染色したもの、茶色いものが天然ものになります。
ひじきの戻し方
1 乾燥ひじきはたっぷりの水につけ、戻しすぎないよう硬めの状態に戻す。
2 ざるにあげ、水を変えながら、磯臭さがなくなるまでしっかりと洗う。戻し水が透明になり、かすが出なくなるまで洗うと良い。
ひじきの薄味煮のつくり方
乾燥ひじきを使った定番の常備菜、ひじきの煮ものを、素材も味つけもシンプルに仕上げました。下ごしらえをしっかりすることで、薄味でおいしいひじきをいただけます。
材料(つくりやすい分量)
● 乾燥芽ひじき | 1/2カップ |
● にんじん | 3cm |
● 油揚げ(油抜きする) | 1枚 |
● A | |
・だし汁 | 1と1/2カップ |
・しょうが(せん切り) | 大さじ2 |
・酒 | 大さじ2 |
● 三温糖 | 大さじ1と1/2 |
● 薄口しょうゆ | 大さじ1 |
つくり方
1 ひじきを上記のように戻す。にんじんをせん切りにする。油抜きした油揚げを4分割し、細切りにする。
2 鍋にAを合わせ中火にかける。油揚げ、水気を切ったひじきと三温糖を加えてふたをする。ふつふつ湧いたらふたをあけ、薄口しょうゆを加えて味をととのえる。最後ににんじんを加えて、火を止めて数分蒸らす。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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