• 初夏の果実シロップや、夏の果実酢づくりに活用してきた氷砂糖。秋の訪れを感じたら、煮ものづくりに役立ててみませんか? 砂糖類の中でも純度が高く、加熱すると時間をかけて溶けていく氷砂糖。その特徴を生かして、豚の角煮とさんまの甘露煮を料理家のワタナベマキさんに教わりました。

    氷砂糖のやさしい甘味が、煮ものを品よく仕上げる

    画像: 氷砂糖のやさしい甘味が、煮ものを品よく仕上げる

    吹く風が日に日に涼しくなり、新米が出回り始めたら、待ちに待った食欲の秋の到来です。炊きたての銀シャリに合わせたい、煮ものづくりを教わりました。

    「今回は豚の角煮と、秋が旬のさんまを使った甘露煮をつくりましょう。和風の甘辛味のベースは、しょうゆの塩味と砂糖の甘味。そこにねぎやしょうがで素材特有の生臭さなどをカバーします」

    「煮ものに使う砂糖を氷砂糖にすると、すっきりとした甘さに仕上がります。通常の煮ものでは、やわらかく仕上げるために砂糖を数回に分けて加えてつくることが多いのですが、氷砂糖なら一度に入れてしまって大丈夫。氷砂糖は粒が大きく、鍋の中でゆっくりと溶けていきます。素材が固くならず、ふっくら煮上がるのもいいですね」

    氷砂糖を使った料理はしつこくなく、キレのよい甘さ。豚肉、さんま、しょうがなど素材の味と香りを鮮やかに感じられます。

    今回教わった2品は、いずれも長時間煮込むことなく完成しますが、素材の中までしっかりと味がしみ込み、噛みしめるたびにうまみが広がります。

    氷砂糖を使った
    豚の角煮のつくり方

    画像: 氷砂糖を使った 豚の角煮のつくり方

    ワタナベさんの豚の角煮はかたまり肉のままで調理し、食べる前に切り分けます。こうすると肉のうまみが煮汁に溶け出さず、風味豊かに仕上がるそうです。

    煮る際は、調味料を入れる順番に注意を。

    「しょうゆは最初に入れず、ある程度煮てから加えます。料理の“さしすせそ”でいわれるとおり、砂糖が先でしょうゆは後。塩分が先に多く入ると、氷砂糖の甘味がお肉にしみ込みません」

    翌日以降の角煮は、上面に浮いた脂分を取り除いて再加熱することで、脂が落ちてさっぱりした味わいに。時間の経過とともに、新たなおいしさを楽しめます。

    材料(4人分)

    画像: 材料(4人分)
    ● 豚バラ肉(かたまり)500g
    ● 氷砂糖70g
    ● しょうが(皮付きの薄切り)大1片
    ● 長ねぎ(青い部分)3本
    ● 梅干し1個
    ● しょうゆ大さじ1と1/2
    ● 酒150mL
    ● ごま油(サラダ油でもよい)少々
    ● 小松菜(ゆでたもの)、練り辛子各適宜

    つくり方

     鍋に水と豚バラ肉を入れて中火にかける。沸騰後5分ほどゆで、取り出す。

    画像1: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    豚バラ肉は最初にゆでこぼして、においや汚れを取り除く。

     鍋に油を熱し、豚肉を皮目から焼く。こんがり色付いたら裏返し、火を止める。溶け出た油脂をペーパータオルで取り除く。

    画像2: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    煮込む前に皮目を焼き付けることで、余分な脂分を除き、香ばしさを付ける。

     にねぎ、しょうが、ほぐした梅干し(種ごと)を加える。氷砂糖をまんべんなく入れ、酒を注ぐ。肉にかぶるくらいまで、水を加える。落としぶたをして、中火にかける。煮立ったらアクをとり、弱火にして30分ほど煮る。

    画像3: つくり方
    画像4: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    梅干しを加えて煮ると、クエン酸の効果で豚肉のやわらかさがアップ。

     にしょうゆを加える。落としぶたをして、弱火でさらに30分煮る。火を止めて10〜15分おき、味をしみこませる。

    画像5: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    塩分を先に加えると氷砂糖の甘味が食材に入りにくくなるため、しょうゆは後から加える。

     食べやすい大きさに切って器に盛る。煮汁をかけ、好みで小松菜と辛子を添える。

    画像6: つくり方

    保存期間

    冷蔵庫で4日ほど保存可能。

    氷砂糖を使った
    さんまの甘露煮のつくり方

    画像: 氷砂糖を使った さんまの甘露煮のつくり方

    秋に旬を迎える青魚、さんまを氷砂糖で煮る「甘露煮」。純度が高い氷砂糖を使うと、煮汁に照りが出て、つややかな仕上がりになります。

    しっかりと味がしみこんだ上品な甘さの魚料理。この料理も、しょうゆを後から加えることがポイントです。

    「さんまと一緒に煮たしょうがにも、氷砂糖のやさしい甘味がしみ込んでいます。ぜひ一緒に食べてくださいね」

    材料(2人分)

    ● さんま3尾
    ● 氷砂糖60g
    ● 長ねぎ(青い部分)2本
    ● しょうが(皮付きの薄切り)大1片
    ● 昆布1枚
    ● しょうゆ大さじ2
    ● 酒150mL
    ● 長ねぎ(白い部分を白髪ねぎにする)、粉山椒各適宜

    基本の分量 さんま1尾に対して氷砂糖20g

    下準備

    さんまは頭を落とし、内臓を取り除く。長さを半分に切る。

    つくり方

     さんまの表面に塩をふり、10分おいてペーパータオルで水気をふく。昆布はぬれ布巾(またはぬらしたペーパータオル)で表面をふく。さんまがぴったり入る大きさの鍋に、昆布を敷く。さんまを並べ入れ、しょうがとねぎを加える。

    画像7: つくり方
    画像8: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    鍋底に昆布を敷き、さんまの皮がやぶれないようにする。落としぶたもさんまに当たらないよう、ねぎの上にのせるようにする。

     の上に氷砂糖をのせる。このとき、まんべんなく全体に広がるようにする。酒を注ぎ、さんまの高さの八分目まで水を加える。落としぶたをして、弱めの中火にかける。煮立ったらアクをとる。

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    画像10: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    魚は弱火で調理すると生臭くなりやすいので、身がくずれない程度の「弱めの中火」で加熱する。

     氷砂糖がすべて溶けたら、しょうゆを加える。落としぶたをして、弱めの中火でさらに7〜8分煮る。器に盛り、好みで白髪ねぎと粉山椒を添える。

    画像11: つくり方
    画像12: つくり方

    ワタナベマキ(わたなべ・まき)
    料理家。グラフィックデザイナーを経て、料理の世界へ。シンプルな調味料と調理法で素材の魅力を引き出す料理が人気。四季を大切にしたていねいな暮らしぶりが、幅広い年代から共感を得ている。
    インスタグラム:@maki_watanabe

    もっと氷砂糖のレシピを知りたい人は

    全日本氷糖工業組合 | 旬の果実でおいしく楽しい氷砂糖

    画像: 氷砂糖で秋の煮ものをおいしく。「豚の角煮」と「さんまの甘露煮」のつくり方|氷砂糖で1年を楽しむ季節の仕事/ワタナベマキさん

    氷砂糖でくらしをもっとカラフルに。梅酒づくりでおなじみの氷砂糖は、じつは梅以外の果実とも相性Good。色とりどりのフルーツを使って手づくりを楽しめる氷砂糖の世界、あなたものぞいてみませんか。

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    協力/全日本氷糖工業組合
    http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/

    〈料理/ワタナベマキ 撮影/林 紘輝 取材・文/河合知子〉



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