• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、9月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる発酵食品が注目されています。おうちで過ごす時間が増え、保存食づくりを始める人も。今回紹介するのは、「いくらのしょうゆ漬け」です。

    いくらの薬膳的効能ついて

    いくらはサケやマスの卵で、卵巣膜に入ってつながっている状態のものを筋子といいます。筋子からほぐしてバラバラにしたものがいくらです。

    薬膳では、鮭と同じように体を温め、気や血を補い、めぐらす働きがあるとされています。

    抗酸化作用の強いアスタキサンチンや不飽和脂肪酸のEPAやDHAも多く含むので、血流を改善したり、アンチエイジングにも役立ちます。胃の働きを高める効果も。

    【保存食】いくらのしょうゆ漬けのつくり方

    画像: 【保存食】いくらのしょうゆ漬けのつくり方

    魚屋さんで生の筋子を見つけたら、迷わずつくるのがしょうゆ漬け。

    薄皮からきれいに卵をはずすのが難しそうと思われるかもしれませんが、鮮やかな朱色で、膜にもハリのある鮮度の高い筋子を選べば、ほぐしやすさも格別です。

    それができれば、あとは調味料に漬けるだけ。

    炊き立てのごはんに山盛りのせていただけるのも、手づくりならではですね。

    材料(つくりやすい量)

    ● 生筋子1本(約300g)
    ● 塩大さじ1
    ● しょうゆ大さじ2
    ● 酒大さじ2
    ● みりん大さじ2

    つくり方

     小鍋に酒とみりんを入れ、1〜2分煮切ってアルコール分を飛ばす。冷めたらしょうゆを加える。

     40℃のぬるま湯2L(分量外)と塩を加え、溶かしておく。

     ボウルにの1/3量を入れ、筋子を入れる。皮の切れ目に手を入れてそっと開き、卵を上に向け、指の腹でやさしくほぐして薄皮から卵をはずす。ざるにあげてぬるま湯を替え、静かにかき混ぜながら白い膜や血合いなどをていねいに取りのぞく。これを2、3回繰り返す。 

    画像1: つくり方

     卵をざるにあげて5分ほどおき、卵の水けをしっかりきる(卵はやや白くなるが、調味液に漬けると透明感のある紅色に戻る)。煮沸消毒した密閉性の高い容器に入れての調味液を注ぐ。ふたをして冷蔵で保存し、ひと晩おいたら食べごろ。

    画像2: つくり方

    ※冷蔵庫で10日ほど保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。

    インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
    YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」



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