(『天然生活』2019年10月号 別冊付録掲載)
時間のない朝だからこそ「前もって」
超がつくほどの心配性。なんでも「30分前行動」が当たり前。だから、朝ごはんも、いえ、時間のない朝だからこそ「前もって」準備をしておくのが基本です。
「夕ごはんの準備をしながら、『今日は多めにお魚を買ったから明日の朝はそれを焼いて朝ごはんにしよう、だったら、晩ごはんの野菜のおかずも多めにつくっておこう』とか軽く考えておくんです」
以前は、お弁当をつくっていたので、朝からてんやわんや。作業の効率化はそのときにずいぶんと強化されました。
いまは、お弁当づくりから卒業したので前よりはだいぶ楽になりました。とはいえ、どこの家でもそうであるように、決してのんびりなんかはしていられません。
朝、起きて、台所に立ったときに、「さて、何にしよう?」と、一から支度をするのではなくて、「あとは仕上げの調理だけ」くらいで、無意識にパパッと動けるのが理想です。
「前もって段取りを組んでおくと、次にやることに迷うこともなく、失敗やうっかりも軽減されます」
そんなふうに段取りよく準備された朝ごはんは野菜たっぷり、栄養満点、すこやかそのもの。
ふたりの子どもも、いまはもう社会人。「お昼は何を食べているかわからないから、朝はしっかり食べてほしい」という母心からの献立です。
朝、あわてないための下準備
自称・心配性な性格ゆえ、準備は早めに、段取りは前もって、が基本。朝ごはんの支度も、できるときにコツコツと。
下ごしらえは買ったときに
「使いきれずにダメにしてしまいそうなので……」
だから、野菜は買ったその日に即、下ごしらえ。たとえば、レタスはひと口大にちぎる、ブロッコリーは小房に分けてさっとゆでる、ねぎは小口切りにして薬味用にスタンバイ。
洗って、切って、ゆでて、使った道具を片づけて、の一連の手間をつどつどにかけるのではなく、いっぺんにしておけば合理的。
タンパク質とカルシウムを意識する
とある雑誌の企画で、昨年、糖質オフダイエットに挑戦。医師の監修のもと、いろいろと勉強しながら進めました。
「そこで得た知識を生かして、自分なりにゆるく続けています」
心がけているのは筋肉をつくるタンパク質を多く摂ること。骨を丈夫にするカルシウムも欠かせません。以来、それらを多く含む乳製品や大豆製品は食卓の常連食材に。
前日に和か洋かは決めておく
しみじみとした和定食も、パンを堪能する洋食も、大好き。だから朝ごはんは、和と洋、半々くらいの割合です。
「東京に出張に出て、おいしいパンが買えた翌朝は決まってパン食です。魚が買ってあるときは和にしようとか、そのときに家にある食材の具合で決めます。朝、あわてたくないので、前の晩に決めてから一日を終えるようにしています」
副菜はまとめてつくって朝も活用
なにしろ、支度時間は15分。朝ごはんのためにおかずをあれこれつくるなんてことはしません。でも、できる限り野菜や栄養は摂取してほしいというのが、家族の食を預かる母の願い。
もともと副菜は多めにつくるので、夜、余ったら翌朝に持ち越し、というのが後藤さん流。「ザ・お母さん料理」のきんぴらやおひたしなどが、持ち越しおかずの定番です。
〈撮影/大森忠明 取材・文/鈴木麻子(fika)〉
後藤由紀子(ごとう・ゆきこ)
静岡・沼津で器と生活雑貨の店「hal(ハル)」を営む。著書に『私の愛するお店』『おとな時間を重ねる』(ともに扶桑社)などがある。YouTubeチャンネル『後藤由紀子と申します。』公開中。
インスタグラム:@halnumazu @gotoyukikodesu
voicy:https://voicy.jp/channel/2796
webサイト:http://hal2003.net/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです