• 自然治癒力を高めて心身を整え、冬を迎えるために。文筆家の服部みれいさんに、足湯や白湯、湯たんぽなど、いまから始められる健康法を教えてもらいました。
    (『天然生活』2020年12月号掲載)

    冷えとり健康法をベースに、自然療法を取り入れてセルフケア

    いつお会いしても、温かいエネルギーに満ちている服部さん。血色はよく、手はぽかぽか。13年続けている冷えとり健康法をベースに、アーユルヴェーダなどの自然療法を取り入れて、日々セルフケアをしている賜物です。

    冷えとり健康法でいう「冷え」とは、上半身と下半身の温度差のこと。

    内臓が集中している上半身に比べて下半身は5~6℃ほど温度が低く、どんな人も「冷え」をもっているといわれます。下半身を温めて上下の温度差をなくすことで、体の血と気のめぐりがよくなるという理論です。

    「長年、下半身を中心に温めつづけて、体も心も本当に丈夫になりました。以前はしょっちゅう風邪で寝込んでいたし、顔色も悪かったんです。それが風邪を引かなくなり、花粉症やPMS(月経前症候群)が改善して更年期障害もありません。

    あとは、疲れても回復が早くなったのが大きいですね。体を温めることで、免疫力や自然治癒力が高まっているんだなと、自分の体験から実感しています」

    そして服部さんは、世の中が大変ないまこそ「愛」を使って、自分と人を温めてほしいとも。

    「じーんとするような愛のある言葉は心を温め、体にもいい影響を与えます。自分にも人にもやさしく。いまこそ大切だと思います」

    足湯をする

    家の中ですぐできるのが魅力。生理中の冷えや痛みにも効く

    画像: 家の中ですぐできるのが魅力。生理中の冷えや痛みにも効く

    冷えをとくに感じる日は、足湯が効果的。バケツや発泡スチロールの箱などに、気持ちよく感じる程度の熱めのお湯を張ります。

    やかんやポットに熱湯を用意して、差し湯をしながら30分ほど足を温めると、じんわり汗ばむほど全身がぽかぽかに。

    「冷え切った足をお湯につける気持ちよさといったら……。私は生理がしんどいときは足湯でお手当てします。足から全身が温まると、嘘のようにらくになるんです。家の中で簡単にできるのもいいところ。入院中などお風呂に入れない環境のときにもおすすめです」

    白湯を飲む

    内臓を洗い流し、消化力アップ。体が内側から温まる

    画像: 内臓を洗い流し、消化力アップ。体が内側から温まる

    白湯はアーユルヴェーダでは、自然の三元素「風、火、水」が調和した飲みものとされます。

    新鮮な水をやかんに入れて、ふたを開けたまま火にかけ、換気扇を回して10~15分ほど沸かして完成。朝起きたときや、食事中などに、すするようにして飲みます。

    「朝シャワーを浴びるように、白湯で内臓を洗い流します。物理的に体を内側から温めることに加え、白湯は消化力を上げて内臓の働きを活発にする作用があるともいわれ、その相乗効果が望めます。体調がいいと甘く感じられ、飲みものとしてもとてもおいしいです」

    湯たんぽを使う

    寝るときだけでなく日中も。いろいろな種類を使い分けて

    画像: 寝るときだけでなく日中も。いろいろな種類を使い分けて

    湯たんぽを、季節を問わず活用します。

    睡眠中は足元に置いて布団をかけ、仕事中は木の箱に湯たんぽを入れて、その上に足を載せてひざ掛けで保温します。濡れずに手軽に、体を温められるいい方法です。

    「湯たんぽで足を温めて、半身浴をしているような状態をつくります。寝るときや仕事中は陶器製の湯たんぽを、冬場など冷えが強いときは履くタイプと陶器製の湯たんぽを併用することも。ゴム製の小さい湯たんぽでおなかを温めるのも気持ちがいいです。体が温まるだけでなく、胃痛や腹痛も改善します」

    愛のある言葉を使う

    ネガティブな言葉は冷えのもと。自分にも人にも愛を贈る

    画像: ネガティブな言葉は冷えのもと。自分にも人にも愛を贈る

    「自分や人に対して、否定したり批判したりする言葉を使いすぎると、どんどん心が冷えて結果的に体も冷えてしまう」と、服部さん。

    ありのままの自分を受け入れ、自分に温かい声がけをすることが大切といいます。

    「自分へのダメ出しをやめて、まず認めてあげることから。『もう年だから』のような卑下の言葉も使わないで。マイナスの言葉の蓄積は知らないうちに自分を傷つけています。そして人に対しても、感謝や愛のある言葉を意識的に使います。いわれた方はもちろん、いった自分も心がじわっと温まるものですよ」

    こんにゃく湿布をする

    内臓をじわじわ温めることで、免疫力を高める作用も

    画像1: 内臓をじわじわ温めることで、免疫力を高める作用も

    疲れがひどいときに行うのが、こんにゃく湿布。市販のこんにゃくを3~4丁、20分ほどゆでて水けをきります。

    それぞれタオルで巻いて、左右の肩甲骨や腰に置き、10~20分ほど温めます。時間があるときは、まず仰向けになっておなかを温めることもあるそう。

    「こんにゃく湿布は本当に気持ちがいいです。これで体を温めると、睡眠が深くなって翌日スッキリ疲れがとれています。腎臓や肝臓のお手当ですが、ざっくばらんに、おなか、腰、背中を温めるだけで十分効果があるはず。足の裏を温めるのもおすすめです」

    〈監修/服部みれい 取材・文/熊坂麻美 イラスト/はしもとゆか〉


    参考文献/『医者知らず「冷えとり」で完全健康人生』進藤義晴著(海竜社)、『あたらしい自分になる本』服部みれい著(アスペクト)、『うつくしい自分になる本』服部みれい著(筑摩書房)

    画像2: 内臓をじわじわ温めることで、免疫力を高める作用も

    服部みれい(はっとり・みれい)

    文筆家・詩人、『まぁまぁマガジン』編集長。2015年に岐阜・美濃市に編集部ごと移住。オンラインショップや講座、トークなども精力的に行う。年内に『まぁまぁマガジン』24号を発売予定。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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