「自給自足」と「食」と「種」
みなさんこんにちは。
愛媛で小さな自給自足を楽しんでいる池田じゅんみです。
新しい一年の始まりにちなみ、今回は「自給自足の始まり」でもある「種」についてお話したいと思います。
移住してまもなく畑を始めたころは、種はお金で買うものだと思い込んでいました。
土を耕して種を蒔き、作物を育てて収穫し、そしてまた種をとる、そんな暮らしを続けていると、私のなかにさまざまな変化や気づきが生まれました。
種は、循環の一部であり、食そのものでもあるのです。
主食の米も豆も芋類も、にんにくなどの球根類なども、種であり食材であり。ごまやコリアンダーやフェンネルなどのスパイスなんかもそうです。山で拾ったどんぐりやクルミなんかの木の実も、種ですよね。とても身近な食べものなのに、ほんの一部分しか見えていませんでした。
わが家の種蒔き
新月に蒔く
わが家では、種まきはできるだけ新月に蒔くようにしています。
「いつ蒔いたっけ??」となってもそこそこ覚えていられるし、小さな自給自足暮らしには月の満ち欠けと旧暦のリズムがしっくりくるんです。
畑仕事の中で一番難しいのが「種を発芽させること」です。
畑歴8年が経過しても発芽率が一向に上がらない私の種蒔き。
長い時をかけて繰り返し繰り返し行う畑仕事は一見単調にも見えるのですが、土と作物と一緒に、きっと「勘」も養っていく作業なんですよね。
発芽率に伸び悩みながらも、畑と向き合っていると土と息が合ってくるといいますか、感覚が体に馴染んでいく。
畑と打合せをするように微調整を積み重ねながら整えていき、あるとき、絶妙なバランスで調和する。だけれども、私の感覚と土のバランスはまだまだ。いまのところそんな風に感じています。
さらに、種蒔きは、自然の力に任せることも。完全に枯れるまで植えっぱなしにしておくだけで、こぼれ種から、やがて芽が出て、再び実りをもたらします。その美しい循環を肌で感じています。
時期をみて種蒔きするよりもうんと発芽率が良く、種そのものが的確に目覚めてくれます。
自然ってすごいなあ。
限られた栽培面積は木箱を活用
小さなわが家の庭には種蒔きする場所を探すのが大変なほど、植物たちが常におしくらまんじゅう状態です。
そこは工夫で補いながら(無理やりともいう)、この小ささが私にはちょうどいい。
コラム【私の種蒔き】
種の保管について知っておきたいこと
畑用編
その1 カビ対策をしっかり行う
保管する種たちは密閉されるとカビてしまうことが多いので、新聞紙や紙袋や段ボールなどの紙類に入れて保管することが多いです。
その時々の気候や品種にもよりますが、瓶で保管するときは念入りにしっかりと乾燥させてから。
その2 種蒔き時期を袋にメモする
いつごろ種まきするのかの目安を簡単に書いておきます。
小さな畑なので種袋の全量を一度に使い切れません。古くなっていく種は発芽率が落ちていくけれど、友達に分けたり山の畑に蒔いたり、コンポストにパラっと入れたり、おおらかに使い切ります。
食用編
その1 瓶に入れてパントリーへ
食材でもある種は基本的に台所やパントリーで保管しています。
寒い場所を好むものは小屋に置いています。姿がかわいいし美しいので飾ったり眺めたり食べたり。
結果的に息子も姿形を日常的に目にすることになり、変化していく植物を覚えるようになりました。
こないだ友人たちとおはぎづくりの話になったのですが、「じゅんちゃんは種を蒔くところからおはぎづくりをやりたい人だよね」っていわれてしまいました。ふふふ、その通りです~!!
過程そのものが楽しくてたまらない小さな自給自足。
これからも「楽しい」を道しるべに続けていきたいと思います。