(『天然生活』2021年5月号掲載)
リモートワークにおすすめ。リセット体操の習慣化で体を活性化
凝り固まった姿勢をその日ごとにリセットし、胸骨や肩甲骨をほぐすことで、しっかり呼吸する。ほんの数分の体操でも、それを習慣化するだけで、体はかなり活性化されるそう。
また、こもりがちで体重が増えてしまった人は、これからの季節がチャンスだとか。
「春は皮下脂肪が減り、いろんなものをデトックスしやすい時季。おなかを下すことも増えますが、それも自然の摂理の一部です。そのときに意識して食べる量を減らすと、体がすっきりします。どうしても甘いものを食べたいときは、食後に。空腹時より吸収されにくく、腹持ちもよくなるので、間食が減る効果もありますよ」
松下るなさん 体すっきりの心がけ
肩甲骨リセット体操で背中の筋肉をほぐす
長時間のパソコン仕事などが続いた日は、肩甲骨をゆるめ、体をニュートラルな状態へ。開いた肩甲骨をしっかり内側に寄せることで、肋骨がゆるみ肺に酸素が入りやすくなるだけでなく、姿勢が整う効果も。「最近くびれがなくなった」という人にもおすすめ。
「目を酷使する人、同じ姿勢を続けがちな人は、朝昼晩1日3回、1回につき5回程度行ってみて」
1 両足を肩幅に開いて立つ。右手を顔の前を通り頭上を通過させ、ひじを曲げて肩の高さより下で止める。
2 左手も同じように顔の前を通り頭上を通過させ、右手と同じ位置でひじを止める。
3 ゆっくり腕を下に伸ばし、3呼吸して脱力。そのまま力を抜くと、背骨がゆるやかなS字カーブに。
松下るなさん 体すっきりの心がけ
リモートのときこそできる骨盤リセット体操
そもそも春は骨盤がゆるむ時季で、さらに座りっぱなしでいると、その状態で固まりがち。きちんと締め、弾力を与えておくと、骨盤内の内臓も活性化されます。
ポイントは内転筋(内ももの筋肉)をしっかり使って脚を閉じることと、閉じるほどにしっかり腰が反っていることを実感すること。
生理痛にも効果的。リモートワークの在宅時なら、横になる体操も盛り込めます。
1 リラックスしながら仰向けになって、両手を頭上にしっかりと伸ばす。
2 床の上をすべらせるように両ひじを肩から胸の位置まで、ゆっくりと下ろしていく。
3 同じく床の上をすべらせるようにして両脚を、腰幅より大きく左右に開く。
4 内転筋を使ってこぶし1個分まで脚を閉じ、左右のかかとを交互に押し出し、3呼吸キープ。
体をリセットする体操を続けるためのコツ
全身の姿を毎日撮影する
肩が前に出て前傾姿勢になっていないか、背骨がきちんとS字カーブを描いているか、膝が曲がっていないか。体操をやる前とあとを写真に撮ってみると、その差は一目瞭然。
「見比べてみると、いかにリセットが大切かわかると思います。鏡に対して横向きになり、同じ角度から全身を撮影して」
〈撮影/柳原久子 取材・文/田中のり子〉
松下るな(まつした・るな)
2002年井本整体に入門し、井本邦昭氏に師事。2008年より東京・世田谷に「人体美学」の指導室を構える
インスタグラム:@luna_matsushita
webサイト:https://lunaseitai.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです