• アラフォー独身男の孫に、料理をつくり続けた「おばあ」。なつかしくて素朴な「田舎のおばあちゃんの手料理」とはほど遠い、ユニークでどこかずれている奇抜な料理に、孫のつっこみが炸裂。今回は、おばあの顔がぼんやり浮かぶ鮭茶漬けおにぎりを紹介します。
    (『おばあめし』より)

    おかずに鮭の塩焼きがあるのは偶然……なわけない!

    画像: おかずに鮭の塩焼きがあるのは偶然……なわけない!

    細かな“あられ”に刻みのり、赤い梅肉。全体はうっすらと緑っぽい。ひと口かじると少しふやけた“あられ”の食感に、ほどよい塩気がごはんに相まって、もう緑茶をすすりたくてたまらない!

    ごはんに混ぜられているのは、そう、お茶漬けの素!

    おかずに鮭の塩焼きがあるのは偶然……なわけない!「このおにぎりと鮭で、お茶漬けつくって食べや」と優しく語るおばあの顔が、天井辺りにぼんやり浮かんで見える。

    そのとおりにしてみると、これはたまらない! おいしくて力がみなぎってくる。おばあ、ありがとう。天井に向かって感謝する。

    だけど勘違いしてはいけない。おばあはまだ生きている。それなのに、なぜおばあの幻影がこうしてたまにあらわれるのか。そして、なぜ現実より優しげなのか未だに謎だ。

    画像: “もうわかってるで! こうして食べるんやろ!”

    “もうわかってるで! こうして食べるんやろ!”

    具材

    ・[おにぎり] お茶漬けの素
    ・[お茶漬け] 鮭の塩焼き、緑茶、ブロッコリー、刻みピーマン、ほうれん草

    本記事は『おばあめし』(清流出版)からの抜粋です


    大迫知信(おおさこ・とものぶ)
    1984年、大阪府生まれ。フリーライター、京都芸術大学非常勤講師。大阪工業大学大学院修了、技術職として沖縄電力勤務。3年で退職し、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)に入学。生活費を浮かすために、実の祖母の手料理を食べ始める。大学卒業後はフリーライターとして、体当たり取材もいとわず、書籍のブックライターから紙媒体、Webまで幅広く活躍中。
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    webサイト:https://obaameshi.com

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    『おばあめし』(清流出版)

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    アラフォー独身男の孫に、料理をつくり続ける「おばあ」。「おばあちゃんの手料理」とは程遠い、奇抜でぶっ飛んだ料理に、孫のつっこみが炸裂! おばあと孫のオモロイ関係に、笑って、笑って、ちょっと泣ける、グルメ写真エッセイです。



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