(『天然生活』2021年6月号掲載)
いつも同じではつまらない、模様替えで常に新鮮な風を
模様替えが大好きという、「アトリエナルセ」デザイナーの成瀬文子さんと、「アトリエナルセ」を運営する夫の早川卓馬さん。
夫婦どちらかのスイッチが入ると、もうひとりが協力してどんどん変えていくのだそう。
「いつも同じだとつまらないので、しょっちゅう僕も、家庭内引っ越ししています。数時間で、知らない人の家に来たように変わるでしょう。それが楽しいんです」と早川さん。
そのため、つくり付けの本棚以外の家具は、汎用性の高いものを選ぶことが多いとか。たとえば、早川さんがCDを収納しているりんご箱は用途に応じて買い足せて、横に並べたり、上に重ねたりすることで本棚にもキャビネットにもなり、移動も簡単なのが魅力です。
また、仕事部屋でおもちゃなどを飾っているアンティークの飾り棚は、以前は靴下を収納していたもの。家具の配置や用途は固定せず、常に変化させることで新たな風を吹き込みます。今後は1階と2階、両方に新たな本棚を増設する予定。
さらに、お庭の一角に屋根のあるサンルームのような空間をつくり、本棚を設置して、光や風を感じながら本が読めたらと、プランを温めているそう。
成瀬文子さんの整理整頓術
出し入れの手間を省く“見せる収納”が基本
しまい込まないことで出し入れや管理を簡単に、いつも見ていたいものは専用スペースへ。作業中のワークスペースはあえてそのままにしておき、一段落したところで一気に片づけ。
よく使う道具は、手に取りやすく
フライパンやレードルなど毎日のように使うキッチンツールは、ステンレスバーを取り付けて見せる収納に。
まな板や包丁、おたま置きはシンク上に定位置を決めて。出し入れの手間なく、使ったら元に戻すだけで、いつもすっきり。
子どもの絵はおうちギャラリーへ
早川さんの仕事部屋にある、木のぬくもりを生かしたおうちギャラリー。
ハヤオ君が2〜3歳ごろに贈ってくれた、「とと」と描かれた作品をはじめ、傑作がいっぱい。大切なものは忘れないよう、よく見える場所に飾るのが好みだそう。
用途や置き場所はフレキシブルに
早川さんの仕事部屋にあるアンティークの飾り棚には、昭和の懐かしいおもちゃ、カード、お菓子などがずらり。
以前は靴下入れとして使っていたもので、家具の用途や置く場所は固定せず、フレキシブルに変えていくスタイル。
ワークスペースの収納は効率的に
デザイン作業は、自宅のワークスペースで。スムーズに始められるよう、資料や道具は引き出しやラックごとに収納。
片づけは毎日はせず、ひとつのタームが終了するまでデスクに広げっぱなしにしておき、一段落したら一気にしまう。
成瀬文子さんの整理整頓術
かご、缶、箱に入れて自然にまとめる
置くだけでさまになるかごや木箱を使って、細々したものを整頓。家具の置き場所や用途はときどき変えて、新しい風を吹き込みます。
CD収納には組み方が自在で、買い足せるりんご箱が活躍
アーティストのCDはサブスクに入っていないものや、マイブームとなっているものを中心に、りんご箱を活用したシェルフに収納。
友人が営む雑貨店で買い足すことができ、横に並べたり上に重ねたり、自由度が高いのが魅力。
洗濯、お風呂グッズはランドリーラックへ
右のかごに洗濯ネット、左のかごに洗剤と、かご収納が活躍。
タオルは大きさや色別に分けて収納、入浴剤など細々したバスグッズもここへ。
素朴な佇まいが絵になる木箱やかごを味方に
画材は思い立ったらすぐ描けるよう、木箱にまとめている。
どんどんたまっていくはぎれは、アジアンなかごに入れて見た目もかわいらしく収納。
「かかへ」ボックスに幼かった日々を保存
母の日やお誕生日に、ハヤオ君が贈ってくれた手紙や似顔絵は空き缶に保存。
早川さんとは対照的に、ひそかにしまっておき、時折眺めるスタイル。
〈撮影/わたなべよしこ 取材・文/野崎 泉、鈴木理恵(TRYOUT)〉
成瀬文子(なるせ・あやこ)
「atelier naruse(アトリエナルセ)」デザイナー。著書に『アトリエナルセの服』(文化出版局)がある。
webサイト:https://atelier-naruse.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです