(『明るい方へ舵を切る練習』より)
ようやく見つけた果物の置き場所
みかんを愛媛県の農家さんから取り寄せています。送られてきた段ボール箱のまま、わが家の冷蔵庫でもある‟さむ~い廊下”に置いてあるのですが、頻繁に取り寄せるので、ずっと廊下に段ボール箱がある状態に。さらにりんごも青森の方が送ってくださり、2箱に。う~ん、これはどうにかしなければ……と「果物置き場」をつくることにしました。
まずは、「入れ物」を探しに行かなくてはいけません。が、これがなかなか見つからない。段ボール1箱分すべてが入らないと意味がないので、そこそこの大きさが必要です。1か月ほど前から探し続けておりました。
ある日近所の雑貨屋さんの前を自転車で通りかかったとき、「これ!」とバケツ型のかごを見つけました。
サイズを測って……という緻密さのないワタクシ。「これならいけるだろう!」と見切り発車で買って帰ると、ぴったりでした。本当は重ねないで平らに保存した方がいいのだと思いますが、どんどん食べてすぐになくなるので、ま、いいかと。
家にたったひとつ「定位置」を決めるだけなのに、あれこれ迷ったり、買いに行く時間がとれなかったり……と大変です。でも、ドンぴしゃりなものを見つけると、とってもうれしい。最近は、この2つのかごの前を通るたびにニマニマしています。
本記事は『明るい方へ舵を切る練習』(大和書房)からの抜粋です
一田憲子(いちだ・のりこ)
1964年京都府生まれ兵庫県育ち。編集者・ライター。OLを経て編集プロダクションへ転職後、フリーライターに。暮らしまわりを中心に、書籍・雑誌で執筆。独自の視点による取材・記事が人気を得ている。『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)では編集ディレクターとして企画・編集に携わる。著書多数。近著に『人生後半、上手にくだる』(小学館クリエイティブ)、『もっと早く言ってよ。50代の私から20代の私に伝えたいこと』(扶桑社)がある。
ほんの少し、考え方の方向を変えるだけで、幸せな今日がやってくる。ままならないことも多い日常を、いかにして機嫌よく乗り切っていくか。「暮らしのおへそ」編集ディレクター・イチダさんが、一年を通して暮らしの中での発見と工夫を綴った実践録。