(『天然生活』2020年11月号掲載)
写真便せんにひと言添えて思いを伝える
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
京都から香川の三豊市・仁尾(にお)に越してきて、海の美しさに魅了されました。いまも毎日のように散歩で海に行くのですが、潮の満ち引きや、朝日・夕日の色合いなど、1日たりとも同じ日はありません。その美しさを伝えたくて写真便せんをつくりました。
家庭用のプリンターで印刷しただけですが、その手軽さが気に入っています。東京など遠方の方とお手紙でやり取りをすることが多いのですが、今年はとくにこの写真便せんが喜ばれました。こういうときこそ自然に触れることが大切なのかもしれませんね。

左右の非対称な余白を切り落としたら思いのほかバランスがよくなり、怪我の功名だった。野菜のおすそ分けのお礼には、いただいた野菜で顔をつくってパチリ。井上さんならではの遊び心
また、ご近所さんからのいただきものなどの御礼に添えることもあります。何気ないけれどすごく喜んでくださって。もともとアナログなのでメールよりも、もっぱら手紙派ですが、この便せんをつくって紙を使ったコミュニケーションは私の原点なのだなと改めて気づかされました。

モーネ工房の寺子屋の生徒や仲間などの便りには郵便局で風景印を押してもらう。仁尾にある大蔦島・小蔦島からなる蔦島と、奈良時代から深く関係がある獅子舞が描かれている
〈撮影/山田耕司 取材・文/結城 歩〉
井上由季子(いのうえ・ゆきこ)
モーネ工房。2017年秋に香川県三豊市に移住。現在は病院や高齢者施設でデザインやワークショップを行うほか香川大学で講師も務めている。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです