(『天然生活』2021年10月号掲載)
ひと手間加えてみるのが、DIYのコツ
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
DIYに必要なのは、技術よりも「こうすれば簡単につくれる」という発想。そのために、「自分が好きな材料やパターンを見つけるのが近道」と話す森田京子さん。
「私がよく使うのは、空き箱と段ボール。どちらも気がつけば家にたまってくるものだから『この収納に合うかな?』と気軽に試せるし、カッターやガムテープで加工できて扱いやすいんです。あとは収納なら『ぶら下げられるかな?』というパターンで考えてみるとアイデアが見つかりますよ」
今回、コード類の収納に空き箱を、衣類の間仕切りに段ボールを使った例を紹介してくれました。ぶら下げる収納パターンは、洗面所の歯磨き粉チューブや歯ブラシ立てに使われています。
ドライバーなどの道具を使える人には、「垂木(たるき)」という角形の建築資材が曽田耕さんのおすすめです。下の写真のパソコン置き場は、垂木の幅をそのまま生かしてつくられたもの。このほかにももらいもののプランターや自転車かごを、ブックケースなどに再利用。いちから棚をつくるより、あるものにひと手間加えてみるのが、暮らしにDIYを取り入れるコツです。
暮らしに合わせて棚を増設
書類や文具を並べた木の棚は、以前、曽田さんがDIYしたもの。後に持ち物の変化に合わせて左側に教科書置き場を、右下に森田さんがノートパソコンの置き場を増設。パソコン置き場の材料は、ホームセンターでカットした垂木2本+端材板。
天井の梁に垂木を渡し、洗濯ハンガーを吊るす
「洗濯ハンガーはたたんだり開いたりするときの絡まりが、ピンチの壊れる原因に。毎日使うものだから、開いたまま収納できる方法を考えました」と話す曽田さん。
天井の梁に垂木を渡し、ワイヤーを巻きつけ、先を輪っかにしたところへ洗濯ハンガーを引っかけている。これで絡まりのストレスが解消。
衣類は、段ボールで手軽に仕切る
子どもの成長とともに服のサイズも変わるため、衣装ケースの中は段ボールで仕切るのが楽。下の写真のように折り、ガムテープで固定。
「プラスチックなどの仕切りだと、その通りに使わなくちゃいけないけれど、段ボールでつくれば自在」と森田さん。Wi-Fi機器などの目隠しや、何かを買う前にサンプルをつくるのにも段ボールを使う。
水まわりは「ぶら下げる」のが衛生的
急須に付属してきたものの、使わない茶こしを歯ブラシ立てに再利用。歯ブラシの水滴がちょうど流しに落ちる位置に、針金で固定してぶら下げている。「これも一時的に試してみたアイデアだけれど、ちょうどよかったです」と森田さん。歯磨き粉などのチューブは、ピンチではさみ、フックにかけている。
「四角い箱形のもの」を、棚として再利用
おそらく工具ケースだったと思われる拾いものの金属のボックスは、白くペイントし、洗面所の壁に取り付け。ふたが扉になるから、生活感のあるストック品をすっきり収納できる。中段に並んでいるのは、作品づくりに使う靴の接着剤の空き缶。側面をカットし、細かいものの収納に使っている。
〈撮影/中垣美沙 取材・文/石川理恵〉
曽田 耕(そだ・こう)、森田京子(もりた・きょうこ)
革を用いて靴や鞄などを制作。もとは工場だった建物をセルフリノベーションして、専門学校1年、中学2年、小学6年の子どもと5人で暮らしている。http://www.sodako.com
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです