(『天然生活』2019年10月号掲載)
金子由紀子さんの「日曜日のまとめ家事」
平日はあまりにも時間がなく、かといって何もしないでいれば週末にやることが山積みになってしまう……。ならば、時間のかかることはぜんぶ日曜にまわして、平日はさっとできることだけをし、土曜は完全な休みにしよう。この仕組みをずっと続けているのは、シンプルライフや家事についての著書も多い金子由紀子さん。
子育てや仕事に追われるなかで試行錯誤してきたもので、いまでは手のかからなくなった子どもたちと、夫も巻き込み、平日と日曜、それぞれのルーティーンが家族全員に身についているといいます。
「子どもが小さいころとは違って、いまは平日でも多少は時間のゆとりがあるのですが、日曜のまとめ家事がすっかり習慣化しているんです」と金子さん。たとえば、アイロンがけや繕いものは、一度に何着かまとめてするほうが効率がいいし、今日できなかったからといって翌日着るものに困るというほどではないはず。
掃除や片づけも同じで、毎日やるべきことを完了する必要はありません。平日にすることは、“とりあえず”かごに入れておいたり、“気になるところだけ”をさっとふいたり、掃いたりという、いわば簡易バージョンの家事。家中に掃除機をかける、ものを定位に片づけるといった本番は、すべて日曜に。
日曜日は、たまったものを一気に解消する
掃除、片づけ、物の手入れなど、平日にたまった分をすっきり成敗する日。料理については、平日のためのストックを仕込んでおくのが日曜の仕事です。
日曜日 毎週の家事計画
料理 食材の買い出しと下ごしらえは一週間分まとめて
「買い出しから帰ったら、2時間半かけて下ごしらえします」。野菜をたっぷり刻み、魚は3枚におろす。かたまりのぶた肉を煮て、ひき肉は小分け冷凍。家族4人の一週間分を準備する。
片付け “とりあえず”片づけたものを戻す
使ったものをその都度片づけるのは大変なので、最低限、出しっ放しにしないように設けた“とりあえずかご”。日曜は、ここに入れておいたものを元の場所に収納し、かごを空にする。
掃除 掃除機をかけるのはゆとり時間に
家族に家事を振り分けるのも大事なコツ。いつしか、掃除機は日曜に家族のだれかがかけるのが習慣に。掃除機がけが楽なように、ものを置かず、ソファも下が空いているタイプを選んだ。
片付け 洗濯ものをたたむのは各自まとめて
洗濯は毎日。でも、たたむのは数日分まとめて。乾かしながら吊るしておいたり、乾いたものはひとり分ずつかごに入れておく。各自ができるときに、自分の衣類をたたんで収納するルール。
日曜日 月1~2回の家事計画
その他 洋服のボタン付けや繕いは一気に
繕いものもかごにひとまとめにしておき、月に1~2回だけ針仕事をする。ダイニングにあるカウンターの引き出しを丸ごと裁縫箱にしていて、道具やボタン類も1カ所にまとまっている。
その他 アイロンがけは必要なものだけ
形状記憶シャツのおかげで、ずいぶん頻度が減ったというアイロンがけ。毎日する必要はなく、洗濯して“アイロン待ち”になっている服がたまってきたときだけのまとめ家事のひとつに。
その他 気持ちよく履くために靴磨きを
靴磨きも平日はとても手がまわらないので、月1~2回、自分と夫の分をまとめて磨く。ためておいたハギレを使ってピカピカにすれば、ふだんは汚れをさっとふく程度できれいに保てる。
金子さんの
日曜日のスケジュール
朝は主に掃除と片づけ。午後はテレビを見ながら台所仕事です。
起床 | |
朝食 | |
08:30 | 片づけ(10分) |
09:30 | 掃除機をかける(15分) |
10:30 | 買い出しに出かける(90分) |
帰宅 | |
昼食 | |
13:30 | 食材の下ごしらえ(150分) |
16:00 | 洗濯ものをまとめてたたむ(10分) |
夕食 | |
20:00 | 靴磨きなど月1〜2回の家事(20分) |
入浴 | |
就寝 |
土曜日は家事休み。家事のために週末をつぶさない
金子さんの一週間のプランが、「週末と平日」ではなく「日曜と平日」ということに気づいたでしょうか? 実は、土曜日には家事を休んで思い切り遊ぶことにしているそうです。
「子どもたちは友達と出かけるので、夫とふたりでドライブに行くことが多いです。家仕事だけで週末が終わってしまうなんて、もったいないでしょう? 」
メリハリ上手なところが、家事の効率アップにもつながります。
〈撮影/滝沢育絵 取材・文/黒澤 彩〉
金子由紀子(かねこ・ゆきこ)
物を持ちすぎない、シンプルライフを提案する。夫と子ども2人の4人家族。著書『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです