• 「悩みがあるなら陽子先生に相談だ」。そう思わせてくれる頼りになる存在。赤い眼鏡に、赤い服、耳には大きなピアスがトレードマークの祐成陽子さんに、笑顔で元気に暮らすための人生訓を聞きました。
    (『天然生活』2021年12月号掲載)

    「迷ったらGO!」の精神で、人生アップデート中

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    祐成陽子さんは御年84歳で、フードコーディネーターの養成学校を束ねる校長先生です。

    84歳といったら家でのんびりしているもの? とんでもない! 陽子さん歩みを止めません。友人にスマートフォンの使い方を習い、インスタグラムで楽しいおしゃべりを発信する日々。「迷ったらGO! 」の精神で、まだまだ人生アップデート中。

    「常に頭を動かしているから、ボケてなんていられないわ〜」

    画像: 「『じっとしている暇はないんでしょ? 』と聞かれるけど、ハンモックでゆらゆらのんびりしてますよ」

    「『じっとしている暇はないんでしょ? 』と聞かれるけど、ハンモックでゆらゆらのんびりしてますよ」

    一番の健康食品はバランスよ

    オーガニック、グルテンフリーなど、食の業界では長らく「ナチュラル」がキーワード。

    「ナチュラル」は気持ちいいけれども、絶対ではないし、イコール健康でもないと、この年齢になって思います。私はそんなことを気にしたことないけれど、84歳までこうして元気(一度がんを患いましたが、いまはとても健康)にやってきました。肉も魚も野菜も米も、バランスよく、楽しくいただくことが一番なんじゃないかしら?

    そうそう、職業柄、たくさん料理をしているように思われるかもしれませんが、いまはもう引退。老夫婦ふたりの生活ですから、気分が乗ったときだけで十分。近くの娘の家のごはんに便乗したり、お弁当を買ったり、気楽にやっていますよ。

    言い訳している間に、まずは動こう

    だれかに何かをお願いするときに、できない人ほどその理由を探す、って思いません? せっかくの機会なんだから、言い訳している間に、とりあえずできることからやっていけばいいのにって思います。一度は挑戦してみようとか、失敗しても何度でもやればいいんだという、前向きな気持ちが大事だと思うんです。

    成長するためには「できない」ではなく、やってみることが大切。日々の小さなことも同じ。面倒だなと思っていることは、寝かせておくとどんどんおっくうになってしまうから、思ったときにすぐに片づけてしまう癖をつけています。

    たとえ全体が見通せなくても、まずは目の前のことから手をつけ始める。ため込まないことが大事です。

    元気に見える努力と工夫は必要

    私のトレードマークの派手な眼鏡と洋服ですが、これは意識して身に着けているんです。眼鏡をかけると、顔が立体的になり、表情も生き生きとするからおすすめ。

    朝起きたらすぐにお化粧をするし、月に一度は専門クリニックでシミも取って、きれいでいる努力をしています。だって、世間の人に「おばあさんだからしょうがない」というふうに見られたくないもの。

    おばあさんなんてそのままでいたら、どうしても弱々しく見えるもの。だから自分でケアして、歩き方も気をつけて、なるべく背筋を伸ばしてシャキッとね。年相応に見られるのはいいんです。でも、「年寄りくさい」と思われる姿は、できるだけ最後まで見せたくない。それが私の美学かしら?

    画像: 生徒の友人お手製という「陽子人形」。発明品のハサミを携えにっこり

    生徒の友人お手製という「陽子人形」。発明品のハサミを携えにっこり

    80歳を過ぎてもまだまだ攻める

    守る努力をするなら、その力を攻めに使っていきたいタイプ。その姿勢は、80歳を過ぎたいまでも同じです。

    攻めていればね、自然と周りの人がついてきてくれる気がします。そんな「攻め」のひとつとして、自宅でカフェを開くことにしました。いままで何回かカフェを経営していたのですが、ほかの仕事が忙しくて泣く泣くやめて……。

    私はカフェをやるのが好きなのね。娘があるとき「ここ(自宅)でカフェをやるのもいいわよね」なんてつぶやいたんですが、「いいね! やろう!」って即採用。驚く周囲をよそに、行動に移していました。

    思い立ったが吉日。残りの人生で「いま」は一番時間がある。やりたいと思ったとことはどんどん実行しなきゃ。

    笑う門には福来たる

    楽しく歳を重ねるためには、笑っていることが何よりも大事だと思っています。私だって仕事や暮らしのなかで困った事態になることもあるし、それで気持ちが暗くなることもあります。

    でも、たとえ損をしたって、少しくらい納得がいかなくたって、その問題が解決することを第一に考えて、なるべく長引かせないほうを選びます。そのためには、お金やものに執着しないこと。

    ときには、潔く手放したり、諦めたりすることも必要なんです。そして、気持ちを切り替えて、次へ進むようにしないと。手放したら、また別の新しい「何か」が入ってくると思うし。

    とにかく、いつも口角を上げて笑顔でいましょう。笑いは心と体の免疫力を上げてくれるはず。



    〈撮影/近藤沙菜 取材/鈴木麻子〉

    祐成陽子(すけなり・ようこ) 
    フードコーディネーター。「祐成陽子クッキングアートセミナー」校長。
    インスタグラム:@sukenariyoko
    https://www.sukenari.co.jp/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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