師走の両国で、吉良と赤穂を偲ぶ
両国の吉良邸跡で行われる「元禄市」に行ってきました。
かつては吉良上野介の屋敷があり、「忠臣蔵」でお馴染みの討ち入りがあったところ。その場所で、吉良二十士と赤穂四十七士たちを偲ぶのが、この行事のはじまりなんだそう。
近所に住んでいるため、そのポスターを目にしたり、お世話になっている整体の先生に、「あれは面白いですよ! いろんなお店が出て、人がわんさか来ますよ!」と教えていただいたりして、興味が湧いてきました。
両国のこのあたりは散歩すると面白い場所です。そこかしこに看板が出ていて、それを読むと「ここは江戸の頃はこうでした。」という説明があって妄想が膨らみます。
とはいえ、静かな場所。人が溢れかえっている様子なんて想像も出来なかったんですが、行ってみてびっくり。年末の上野かと思うほど人がみっちりぎっちぎち。
その両脇にはキッチン用品、バッグ、お箸、スプーン、タオル、マット、洋服、おもちゃ、化粧品、蕎麦、ちゃんこ、ポップコーン、チョコバナナ、生ビール、などの露天がたくさん並んでいます。
吉良と赤穂を偲ぶと聞いていたんで、しっとりした雰囲気なのかと思いきや、大賑わい。吉良も赤穂も、さぞ喜んでいるに違いありません。
我が家もさっそく蕎麦屋の列に並んで、寒空の下、温かい蕎麦を楽しみました。
外でたくさんの人と食べる蕎麦は、なんとも言えぬ幸福感がありました。
「今年も色々あったけど、ここまできましたね。よかったよかった。」
蕎麦というアイテムも相まって、ひと足先に大晦日の雰囲気も味わえました。
その他にも、お汁粉、チョコバナナを食べ、腹ごしらえを済ませると、いざお買いものへ。
人気のお箸の露天では、マダムたちが押し合いへし合いしています。なんでも1000円はくだらないお箸が全部100円。一膳900円もお得なの!?
血が疼いた私は背が高いことをいいことに、マダムたちの頭の上から手を伸ばし5本ほどゲットしてきました。その他には木のスプーンも。
私がマダムたちとの闘いに興じている間、夫と子どもは、ちゃっかりおもちゃの露店に行っていました。
買うつもりなどなかったのに、「これにすりゅ〜!」と言われ、娘が離さなかった1700円のトーマスのおもちゃが今日1番の出費となってしまいました。
ま、でも娘も「元禄市」を楽しめたのだからいいとしますかね。
昔は年末になると必ず、家族や親戚たちとテレビの前に集まって「忠臣蔵」のドラマを観ていたもんですが、いつからか放送もなくなりましたよね。
あの時のハラハラワクワクとした高揚感と、年末のそわそわした慌ただしい雰囲気が好きだったなぁ。
そんな気持ちを久しぶりに思い出した「元禄市」でした。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。