1〜3日で家じゅうをさっぱりさせましょう。ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんから、“大掃除の計画”と、あると便利な“掃除道具”について教わります。
(『天然生活』2023年1月号掲載)
わが家の大掃除計画を練ってみましょう
それでなくても忙しい年末。「大掃除をしなくちゃ」というプレッシャーで、毎年、憂鬱という人も多いのではないでしょうか。
「年末にすべての大掃除を絶対やらなくては……というのは思い込みかも。まずは、わが家でどうしても年末にやっておきたい場所はどこなのか考えてみましょう」と、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんはアドバイスします。
大掃除の基本は「台所」「風呂・トイレ」「リビング・ベランダ」と考えると、1日1カ所、つまり3日あればキレイにできるはず。年末の予定や家の汚れ具合に合わせて「今年の大掃除は台所だけ1日のみ」という考え方もありです。
また、大掃除の手間を減らすのに欠かせないのが、必要最低限の「あると便利な道具」をそろえること。詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
適材適所の道具を使うことで、格段に楽にきれいになります。洗剤は、基本的に下で紹介している5つがあればOKです。ただ、黒カビについては、ナチュラル洗剤では落とせないので黒カビを落とす専用の塩素系の洗剤が必要です。
「1年の汚れを掃除するだけでなく、来年の大掃除の負担を減らす工夫も取り入れてみてください」
1、2、3日でできる大掃除カレンダー
[1日目] 油汚れを中心に
□換気扇
□ガスコンロ
□冷蔵庫、食器棚の上
□冷蔵庫の中
余力があれば
□排水口
□床、壁
□食器棚の中
[2日目] 水まわりを中心に
□風呂釜
□風呂小物(椅子、洗面器)
□風呂のふた
□浴室の黒カビ
□トイレの尿石
□トイレの便座下
□浴室の水アカ
余力があれば
□浴室の床・壁
□換気口
□洗濯槽
[3日目] ほこり汚れを中心に
□窓
□窓のサッシ
□ベランダ
余力があれば
□照明器具
□エアコン、家具
□カーテン
掃除が楽になる道具
これを選ぶと掃除が楽になる優秀な道具をご紹介します。
マイクロファイバークロス
水だけでも汚れがキレイに。大掃除では、重曹水に浸して絞った「重曹水クロス」をたくさん用意すると楽。
こんな掃除に:油汚れが少ないふき掃除
柄が伸びるハンディワイパー
シートの静電気で細かいほこりをキャッチして逃さない。エアコンや照明のほか、天井や壁の高いところも。
こんな掃除に:高い場所の掃除
バスブラシ
持ち手が短いバスブラシは、力が入りやすく、ベランダや玄関といった広い場所を掃除するのにぴったり。
こんな掃除に:広い面積の場所の掃除
細ブラシ
細かい部分の掃除にはブラシの先端が斜めに飛び出した細ブラシを。「無印の隙間掃除ブラシがおすすめです」
こんな掃除に:サッシなどの細い場所の掃除
スクイージー
浴室の壁や鏡をしっかり水きりして、カビや水アカ予防。窓掃除にも欠かせない。
こんな掃除に:浴室の壁、窓の掃除
使う洗剤について
大掃除でも基本的にいつものナチュラル洗剤でOK。
重曹
家の中の軽い油汚れなら、これひとつできれいになる万能選手。必ずお湯で溶かして使う。
基本の重曹水:お湯(40℃)2Lに対して重曹小さじ5、お湯(40℃)200mLに対して重曹小さじ1/2。
※つくりおきは不可
過炭酸ナトリウム
頑固な油汚れ落としや、カビや雑菌の除菌、漂白に。40〜60℃のお湯に溶かして使う。
アルコール
カビや雑菌の除菌だけでなく、油汚れを落とす効果も。水が使えない家電掃除でも重宝
基本のアルコール水:水110mLに消毒用アルコール(アルコール分80%程度)90mL。
※アルコール使用可のボトルでつくること
食器用洗剤、石けん
油汚れを泡で包んで汚れを落とす。水で洗い流せる掃除の際に、手軽に使える。
クエン酸
水アカ、石けんカスなどアルカリ性の汚れに。アンモニア臭のもとになる汚れもすっきり。
基本のクエン酸水:水200mLにクエン酸小さじ1/2。
※使用期限2~3週間
※アルミ製品は、アルカリ洗剤(過炭酸ナトリウム、重曹、食器用洗剤)を使うと変色の可能性があります。特に過炭酸ナトリウムはアルカリ度が高いので注意が必要です。
<監修/本橋ひろえ 取材・文/工藤千秋 イラスト/須山奈津希>
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
理系出身の知識を生かした科学的な解説を主婦目線で行う「ナチュラルクリーニング講座」が人気。著書に『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)など。ブログ:安心♪ 安全♪ ラクチン♪ Natural Cleaning
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです