• あなたは、なんのために働いていますか? 働いている時間は、人生の大部分を占める大切な時間です。「幸せに働く」ことは、「幸せな人生を生きる」こと。そんな幸せな働き方について働き方研究家の西村佳哲さんと考えます。
    (『天然生活』2023年3月号掲載)

    「幸せに働く」は「幸せに生きる」

    幸せな働き方って、いったいどんなこと?

    そんな少し漠然とした質問に答えてくれたのは、働き方をテーマにさまざまな人々を取材してきた、働き方研究家の西村佳哲さんです。

    「幸せな働き方について考える前に、まずは“幸せ”とはどういうことか定義してみましょう」

    西村さんの考える幸せとは、ジョーゼフ・キャンベルの「人間が本当に求めているのは『いま生きているという経験』」という言葉に集約されているといいます。

    「幸せは、自己一致している状態。自己一致とは、瞬間瞬間で“感じている”ことと、自分の“言葉や行動”が一致していることです。しかし多くの人が、感じていることではなく“考え”、つまり過去の自分の考えや、未来への不安、だれかの言葉などに自分の言動を合わせているのです」

    画像: 「幸せに働く」は「幸せに生きる」

    “考え”ではなく、瞬間瞬間の自分の“感覚”に自分自身を一致させることで、小さな自己表現ができることに。その積み重ねが大きな成果となり、自然に瞬間瞬間の幸せを実感できるようになります。

    自分の心の奥で感じていることを実現

    では、そのような幸せを、働き方と結びつけて考えるとどうなるでしょう。

    仕事とは、島のようなものです。島は、海の上に突き出た山の一部で、その見えている部分だけを指します。しかし海底には島の山裾が広がっています。仕事も同じ。

    目に見える部分の下には、技術や知識、考え方・価値観、そしてその人自身のあり方・存在が広がっているのです。

    画像: 自分の心の奥で感じていることを実現

    「技術や知識は仕事の成果に直結しますが、さらにその土台となるのは、その人がなにを信じているか、どう生きているかです」

    このように考えていくと、幸せに働くことは幸せに生きることと同じだと気づかされます。

    幸せに働くとは、自分の心の奥で感じていることを、仕事を通して実現することにほかなりません。

    それには心が感じていることを敏感にキャッチし、自分がなにを望み、働くことでどんな喜びを感じたいのかをきちんと言葉として表現することが大切になってきます。

    もうひとつ、気をつけておきたいのが、周りから受ける影響の大きさです。

    「人は他者とかかわるうちに、無意識に期待にこたえようとしたり、他者の言葉に引きずられたりします。すると自分の実感から少しずつずれてしまうことがある。自分の本心から距離ができないように、常に自分の心の奥に問いかけつづけることが必要です」



    <監修/西村佳哲 取材・文/工藤千秋 イラスト/山元かえ>

    西村佳哲(にしむら・よしあき)
    プランニング・ディレクター。働き方研究家。つくる・書く・教えるの3つの領域で働く。2014〜2022年に徳島県神山町に居住し、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」第1期にかかわり、一般社団法人神山つなぐ公社の理事に就任。現在は東京在住。著書に『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)ほか。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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