(『天然生活』2022年12月号掲載)
肩こりと腰痛に効く入浴法
肩こりと腰痛は、血流の滞りと慢性的な筋肉の緊張が原因。入浴で体を温めると血流がよくなり、筋肉の緊張をやわらげることができます。
肩こりの解消には、入浴で肩甲骨の周りにある「僧帽筋」を温めて、ほぐすのがポイントです。そのためにも、入浴時は肩までしっかりつかること。湯船につかりながら、首や肩周りの筋肉をゆっくりとストレッチすると、より効果的です。
腰痛の場合、多めの湯量で体を浮かせて、腰への負担を和らげます。浮力を利用しながら、腰を伸ばしたりひねったりするストレッチで、筋肉の緊張をじっくりとほぐします。
肩こりに効く浴槽でのストレッチ
肩までしっかりお湯につかり、体をじっくり温める。
首の横の筋肉がしっかりと伸びるように、ゆっくりと頭を左右に各5秒ずつ倒す。これを各5回ほど繰り返す。
湯船の中で体が温まってきたら、肩全体を前から後ろにぐるぐる5回ほど回し、肩甲骨の筋肉をゆるめる。
このとき、左右の肩甲骨をしっかり寄せるように意識するとよい。
腰痛 に効く浴槽でのストレッチ
両腕を頭の上に伸ばして手を組み、腰をしっかりと伸ばす。
そのまま上半身を左右にゆっくりと倒して、腰全体をストレッチ。ゆっくり呼吸をしながら、左右で各5回行う。
湯船のふちをつかんで、呼吸をしながら上半身を左右にゆっくりとひねる。
体の側面、尻、太ももの外側がしっかり伸びているのを意識する。左右で各5回繰り返す。
<監修/早坂信哉 イラスト/植松しんこ 取材・文/工藤千秋>
早坂信哉(はやさか・しんや)
温泉療法専門医。東京都市大学人間科学部学部長・教授。お風呂や温泉に関する医学的研究の第一人者。著書に『入浴は究極の疲労回復術』(山と渓谷社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです