• 日々の暮らしになくてはならない冷蔵庫。毎日使うものだからこそ、使いやすく。整理収納アドバイザーの資格をもつ文筆家の青木美詠子さんが実践している活用法を教えてもらいました。今回は、冷蔵庫の中で一番多く開閉する冷蔵室のつくり方を伺います。
    (『天然生活』2022年3月号)

    青木美詠子さんちの冷蔵庫

    さて、青木さんの冷蔵庫。7年ほど前、新居に引っ越す際に購入したものだそう。どこを開けてもきっちり整理整頓されていますが、冷凍室と比べて冷蔵室は、やや余裕をもたせている印象です。

    「冷凍室はぎっしり、冷蔵室はやや余裕があるほうが冷気の回りがいいと聞いたので、そこも意識しています。基本的には冷蔵でだめにしてしまうとショックが大きいので、冷凍できるものは“即”冷凍することが多いですね。といっても、失敗したり試行錯誤したりして、ここまでたどり着きました」

    冷蔵庫は部屋の間取りのように十人十色。大きさはもちろん冷凍室や野菜室の位置関係も違い、家族構成や生活スタイルなどで役割りは大きく変わると青木さん。

    「うちは夫婦ふたり。家で調理して食事をすることがほとんどなのと、買い物に毎日行かないこともあり、食材のストックは比較的多いほうだと思います。私のやり方が皆さんにピタリと当てはまるわけではないと思いますが、ひとつでも参考になったらうれしいです。冷蔵庫とうまくつきあえると、日日の暮らしにもちょっぴり自信がもてると思いますよ」

    【冷蔵室】 容量80%を心がけ、埋没や見落としをゼロに

    画像: 【冷蔵室】 容量80%を心がけ、埋没や見落としをゼロに

    冷蔵庫の中で一番多く開閉する冷蔵室。青木さんが最も気をつけていることは適正な容量を決めることと見通しのよさを保つことだそう。

    「冷蔵スペース全体を奥と手前で考えて、おかずの残りや薬味類などは必ず前面に置くことを徹底しています」

    また、容器は中身が見え、スペースにむだをつくらないものを。青木さんは透明で四角いガラスのものを多用しています。

    「中身が見えるか見えないかはとても重要。さらに目が留まる位置に置けば食べ忘れたり使い損ねたりすることもありません」

    このふたつをルールにしてから“ついうっかり……”という失敗がグンと減ったといいます。

    「ぬか漬けや、多めにとっただしなどを鍋ごと入れることもあるので、ぎゅうぎゅうに詰め込みすぎないように気をつけています。冷凍できるものは早めに冷凍室に移して、8割ほどに留めるようにしていますね」

    画像: 冷蔵庫は両扉式。冷蔵スペースも扉のポケット部分も余力を残し、どこに何があるかひと目でわかるように収納。何も置かない場所も次の買い物用に確保

    冷蔵庫は両扉式。冷蔵スペースも扉のポケット部分も余力を残し、どこに何があるかひと目でわかるように収納。何も置かない場所も次の買い物用に確保

    A ポケットは容器に立てて入れる

    画像: A ポケットは容器に立てて入れる

    気づくとごちゃごちゃしがちなドアポケット。6つに区分けしてある容器や空きびんを使って収納する。

    「付属のたれなどは結局使わないので、すぐに処分しています」

    B ゆるやかにグルーピングして配置

    画像: B ゆるやかにグルーピングして配置

    見通しよくすれば、どこに何を置くのか厳密に決めすぎないほうが臨機応変にでき、使いやすい。

    ただし、一番上は甘いもの、おかずの残りは真ん中などゆるく分けて。

    C 汚れ防止で掃除の手間を減らす

    画像: C 汚れ防止で掃除の手間を減らす

    液体や汁けの多いおかずをしまうときは、容器の下に皿を敷くのが青木さん流。

    「急いでいるときなど、とくにこぼしがち。これで冷蔵庫の汚れもかなり未然に防げます」

    D 全体を奥と手前に分けて考える

    画像: D 全体を奥と手前に分けて考える

    冷蔵室全体を奥と手前に分け、奥にはストック類や頻繁に出し入れしないものを。

    手前はよく使うもの、早く使いたいものを入れれば、さっと見つけて取り出せ、効率がいい

    E 奥のストック類はパッケージ+保存袋で

    画像: E 奥のストック類はパッケージ+保存袋で

    粉類や調味料のストックは飛び散り防止も兼ね、ジッパー付きの保存袋に入れて半透明の容器に立てて収納。

    冷蔵庫の奥に容器を横にして入れればスペースを有効活用できる。

    F 容器と中身の組み合わせを決める

    画像: F 容器と中身の組み合わせを決める

    なんとなく入れるのではなく、目的に合わせて容器を決める。

    残った豆腐は水がこぼれないスクリュータイプの丸型、ねぎは乾燥やにおいを考え、四方向でロックできるものに。



    <撮影/近藤沙菜 構成・文/結城 歩>

    青木美詠子(あおき・みえこ)
    文筆家。「冷えとり」に関する4冊の著作のほか、『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など著書多数。整理収納アドバイザー1級の資格ももち、暮らしまわりの工夫を発信している。https://www.aokimi.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.