(『天然生活』2023年5月号掲載)
新居でのまっさらな暮らしに温かみや活気をもたらす植物を
窓から光がたっぷり入る、明るいリビング。数々の植物が、白い空間によく映えます。布山瞳さんと家族は、新しく建て替えたこの家に、つい最近引っ越してきたばかり。これから新しい家具なども迎えて、少しずつ住まいを整えていく予定です。
「真新しくて、まだどこかよそよそしい雰囲気もあった家に植物を運び込んだら、温かみを感じて、なんだかほっとしたんです」
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日当たりのよいリビングにさまざまな植物を置いて。この場所に緑を置きたいと、最初から考えていたそう
植物を一番たくさん置いたのはリビング。前の家から持ってきたものに加え、引っ越しに伴い新しいものも迎え入れました。葉の形や色、柄などが違うものを組み合わせているため、空間が生き生きと見えます。
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ハレの日の印象が強い胡蝶蘭も、飾り方次第では日常の花に。根付きのものは根の部分が乾いたら湿らせるだけで長持ちする
そのほか、「前から置いてみたかった」という浴室、洗面所やトイレ、寝室、それに階段などの通り道にも置いたり吊るしたり。新しい家での生活も、緑や花がいっぱいです。
「お世話をしなくてはいけないものがあると、日々の活力になりますよね。私が大事だと思っているのは、毎日数分でもよいので植物を見て、触ること。そうすれば水やりのタイミングなど、お手入れのコツもわかってくる気がします」
花ひとつ、花器ひとつでインテリアの印象は変わります
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緑とともに、花も布山さんの暮らしに欠かせない要素。キッチンにはいつも切り花を飾っている。
「水を使う場所の近くだと、水替えも楽です」
棚の中には花器コレクションが
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台所の吊り棚を開けると、花器がずらり。旅行に行くたびに買っていたそう。
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花器コレクションのごく一部。右のブルーの陶器は自作。
「個性的な花器なら、部屋の雰囲気を手軽に変えられます」
毎日、変化を見るのが楽しみ
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毎日、一つひとつの植物をよく見て、触るのが習慣。枝が伸びてきたら、ときどき剪定して形を整えて。
「昨日はなかった新芽を見つけると、うれしくなります」
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すぐに出し入れできるよう、植物のそばに置いたバケツの中にはさみやじょうろ、霧吹きなどの道具をまとめて入れている。
ずっとやりたかったのは、バスルームを緑で彩ること
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浴室にはコウモリランとモンステラを。
「適度な光と風通しがあれば育てられそう。浴室にちょっとした庭があるような気分を味わえます」
トイレにムスカリを
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トイレにはなるべく香りのいい花を選ぶようにしてます」
左はフランスの「ラ・スフルリー」の花器。
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洗面所にはティーツリーの枝をさりげなく飾って。
「比較的涼しいので、日持ちしない花もおすすめ」
水場から遠い部屋にはドライを
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水場から離れている寝室では、水やりがいらないドライフラワーを飾って楽しんでいる。
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写真右の右端のように押し花を額装して飾ることも。布山さんが営む「malta」の人気商品。
<撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子>
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布山 瞳(ふやま・ひとみ)
フローリスト。東京・世田谷区にある花と緑のアトリエ「malta」店主。店舗販売のほか、撮影、店舗装飾、ウエディング装飾なども手掛ける。花と緑から感じとる季節の美しさ、そこから生まれる余白を大切に、花と緑のある暮らしを提案している。インスタグラム@maisonmalta