• 「物」の後ろには、それを使う時間や身に着けたときの気持ち、手に触れたときの心地よさがつながっています。なんとなく使って、着て、持っていたものともう一度向き合い直してみませんか?「これが大事」と胸に抱きしめれば、自然に心がそちらに向かっていくはずです。日々を心地よく、快適に整えるには、大事な物を見つめ直すことから始めるのもひとつの手。ライターの【大橋知沙さんの「大事」】をお聞きしました。
    (『暮らしのまんなか』vol.34より)

    自分の「好き」を並べることで、暮らしの風景がよりいとおしく

    ライターという職業柄、素敵なものとの出合いが多く、自他ともに認める「物好き」の大橋さん。

    小さい子どもを育てながら仕事に家事にと、毎日すっきり暮らせるわけではないけれど、好きなものが、ありのままの暮らしの一瞬をきらりと輝かせてくれるそうです。

    画像: 自分の「好き」を並べることで、暮らしの風景がよりいとおしく

    「この土鍋が大好きで、土鍋が使いたくて献立を考えるぐらい。作家ものの器は、人の手でつくったものならではの手触りのやさしさにも癒やされます」

    私の大事① 手触りのよい道具が大事だから

    ていねいに扱い、見えるところに収納する

    画像: 私の大事① 手触りのよい道具が大事だから

    鍋やせいろ、ドリップポットなど、どれも日々活躍している、愛着のある道具ばかり。好きなものだからこそ並べて収納。

    私の大事② 目を喜ばせてくれるものが大事だから

    周りをシンプルに設える

    画像: 私の大事② 目を喜ばせてくれるものが大事だから

    (右)結婚10年目の記念に思いきって購入した西脇一弘さんの絵。「伏し目の横顔の美しさが好きで、毎日眺めていても飽きません」。(左)カプセル型の照明は、ガラス作家ピーター・アイビーさん作。右は、京都「ARUSE」で見つけた、マーキュリー(水銀を塗布した)ガラスの古いペンダントライト。

    私の大事③ いまの気分が大事だから

    物を循環させて、「好き」を取り入れる

    画像: 私の大事③ いまの気分が大事だから

    (右)「好きなものを並べて“スタイリングごっこ”をしてインスタグラムに投稿するのは、小さなころのおままごとのような気分で楽しい」。RARI YOSHIOさんの本「SUNDAY R ABBIT」を、大好きなガラスの器と一緒に飾って。(左)ベッドリネンを白でそろえた寝室。クマのぬいぐるみのポスターが甘さを添えて。

    がんばりすぎず、笑っていたい

    好きなものがくれる豊かさを、同じ想いをもつだれかと分かち合いたい。

    もともとは、東京の出版社でインテリア雑誌の編集者として働いていた大橋さん。京都出身の夫との結婚を機に引っ越し、現在は、築90年以上の家をリノベーションして、6歳の息子と家族3人で暮らしています。

    大橋さんが日々心がけていることは、がんばりすぎないこと。

    「子どもって、親の機嫌にダイレクトに影響を受けてしまいます。がんばりすぎて余裕がなくなるぐらいなら、早起きが苦手でも、疲れてごはんがつくれない日があっても、笑ってるお母さんのほうがいいなと思って」と話してくれました。

    ありのままの自分を受け入れて、機嫌よく過ごす。そんな暮らしを助けて、励ましてくれるのが、好きなものの存在です。

    「器で料理のモチベーションを上げたり、バタバタした夕方にふっと大好きな絵と目が合ったり。小さな喜びが、なんでもない日常の一瞬を輝かせてくれる。収納が少なくて、ずぼらだからこそ、目に入るものは美しく、自宅には好きなものだけ選んで置きたいと思っています」
     



    <撮影/津久井珠美 取材・文/新沼涼子>

    大橋知沙(おおはし・ちさ)

    京都在住のライター・編集者。夫、息子・徳くんとの3人暮らし。朝日新聞デジタルマガジン& Travel に「京都ゆるり休日さんぽ」連載中、著書に『京都のいいとこ。』(朝日新聞出版)。2021年秋から自宅の一角で展示室「written」をスタート。noteでは日常の暮らしにまつわる発信も。
    インスタグラム@chisaespresso

    画像: 好きなものがくれる豊かさを、同じ想いをもつだれかと分かち合いたい。

    <訪ねた人>
    新沼涼子(にいぬま・りょうこ)

    主に暮らしまわりの記事にかかわる、フリーの編集者・ライター。1977年愛媛県生まれ。『sesame』『天然生活』編集部を経てフリーに。現在は兵庫県在住。好きなものは、本とお茶と温泉。

    ※記事中の情報は『暮らしのまんなかvol.34』本誌掲載時のものです

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    別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.38

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    一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.38。暮らしの実例12軒でお見せします。

    1章は「自然とつながって暮らす」。いつものキッチンの水道の下に、大きな海がつながっているとしたら……。そんな視点で暮らしを点検したら、洗剤の選び方や、器の洗い方が変わってくるかもしれません。ちょっとした「意識」の変化をきっかけに、自然とつながって暮らすことを選んだ、3人の暮らし方を紹介します。

    2章は「私時間を過ごすリビング」。忙しい毎日のなかでは、家事や育児に追われていつの間にか「私自身」が迷子になりがちです。そんなときは、一番多くの時間を過ごすリビングを見直してみませんか? 本をじっくり読んだり、刺しゅうをしたりすれば、大事なものを思い出すことができそうです。

    3章は「サステナブル=持続可能な収納」。あれこれ収納グッズをそろえて、部屋を片づけても、1週間もしたら、またごちゃついて……。収納で一番大事なことは、サステナブル=持続可能であるということ。「私でもできること」を見つけ、長持ちする収納システムをつくってきた、5人を取材しました。



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