(『天然生活』2022年6月号掲載)
におわせないための、干す前のひと工夫
水分をしっかり取り除いてから干すと、その分早く乾かせます。
また、乾きやすい素材を選ぶだけでも、部屋干し対策に。シーツを麻や絹にしたり、枕に古い絹のスカーフをかけて枕カバー代わりにしてもいいでしょう。洗ってもすぐ乾き、肌触りも快適です。
ボックスタイプのシーツはゴム部分が乾きにくいので、選ぶならフラットシーツを。
「うちでは、フェイスタオルをバスタオル代わりにして、洗濯物をコンパクトに。ひとり5枚まで使えるルールにして、頭も体も新しいタオルを使います。もちろん、洗濯しても乾きやすいので助かっています」
乾きにくいものは追い脱水を
デニムのジーンズ、厚手のフード付きパーカなど乾きにくい衣類は、洗濯が終わったあとに再度2~3分の追い脱水をして余計な水分を取ります。
水気をしっかり絞るので、厚手のものもぐんと乾きやすくなります。
ただし、追い脱水をする前に、下着やデリケートな素材の衣類は傷まないように必ず先に取り出すのを忘れないようにしましょう。
洗ったらまずはアイロンで消毒
Yシャツのように最後にアイロンをかけて仕上げるものは、干す前に先にアイロンをかけてしまうのも手。
アイロンの熱で半乾きにしてから干すので、早く乾きます。加えて、アイロンで高熱を加えることによる除菌効果も。
濡れた生地にアイロンをかけるほうが、乾いた生地にアイロンをかけるよりも簡単にシワを伸ばせるというメリットもあります。
濡れた汚れ物は洗濯前に乾かす
お風呂上がりに使ったバスタオル、汗でぐっしょり湿ったTシャツ……。そんな湿気をたっぷり含んだ汚れ物を洗濯かごに入れると、雑菌が繁殖し始めます。
湿った汚れ物をすぐに洗えないときは、風通しのいいところにかけておきましょう。
「夏なら、湿ったままかごの中でひと晩寝かせるより、夜のうちに洗濯して外干しすれば、朝にはもう乾いていますよ」
速乾機能で水分を減らしておく
部屋干しが乾きにくくて困っているのなら、洗濯機の速乾・乾燥機能を利用するのもひとつの手段。
完全にではなくても、半乾きにするだけで干す時間を短縮できます。高温になるので雑菌が繁殖する心配がなくなり、イヤな生乾き臭も解決できます。
厚手のものやシーツやバスタオルなどの大物など、乾きにくいものだけを速乾・乾燥にかける使い方もありです。
梅雨時は乾きやすい素材を選ぶ方法も
部屋干しトラブルの解決法として、乾きやすい素材を選ぶという方法も。おすすめは、綿に比べて断然乾きやすい麻や絹素材。
スポーツウェアや涼しさを強調した夏向けの衣類に使われているポリエステルは、乾きやすい半面、汚れが落ちにくいので要注意。
「化学繊維は汚れを吸着しやすい特性があります。洗うたびにほかの洗濯物の汚れを寄せつけて、だんだん黒ずんでしまうので、汚れの強いものと分けて洗濯して」
<監修/本橋ひろえ イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋>
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。出産後、専業主婦となるが、自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説するナチュラルクリーニング講座をスタート。著書に『ナチュラルおせんたく大全』(主婦の友社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです