• 手を動かしてつくったり代用したり、自分たちの暮らしに合った「ちょうどいい」を見つけた丸瀬家の丸瀬由香里さんに、むだを出さずに楽しむ暮らしとアイデアを聞きました。
    (『天然生活』2022年8月号掲載)

    丸瀬由香里さんの「むだを出さずに、楽しむ暮らし」

    土に触れ、植物を室内に

    週末に1時間ほど、家庭菜園の土いじりをするのが定番に。

    画像: 「土は1cmできるのに100年かかるそう。いろいろと乗り越えてここにあるから、何かを感じるのかも」

    「土は1cmできるのに100年かかるそう。いろいろと乗り越えてここにあるから、何かを感じるのかも」

    「土に触れているだけでいやされるんです。夫がいっていたけれど、『+』と『-』で『土』と書く。プラスマイナスゼロじゃないけど、私の心と体も調和されているようです」

    家の中に植物を飾る習慣も。

    画像: 多肉植物は世話が楽。切って乾かすだけでどんどん増える

    多肉植物は世話が楽。切って乾かすだけでどんどん増える

    「雰囲気がパッと変わるのが面白いです。土や植物に触れる機会が増え、むだなごみは出したくないという気持ちが強まりました」

    少しずつ、プラスチックを減らす

    プラスチックフリーに関心をもつようになった丸瀬さん。滞在時間が長い台所から見直しています。

    画像: ストローをプラスチック製から「アンベッサ」の麦わら製へ。使用後は土に埋める

    ストローをプラスチック製から「アンベッサ」の麦わら製へ。使用後は土に埋める

    おすすめはへちまのスポンジで、奥津典子さんのインスタライブで知りました。

    画像: いろいろ試してこの形に落ち着いた。どんな食器にもフィットし使いやすい

    いろいろ試してこの形に落ち着いた。どんな食器にもフィットし使いやすい

    「硬くて使いづらいと思い込んでいたけれど、歴代の食器用スポンジのなかで一番使いやすいです」

    ほかにも空きびんを活用するなど、できることからひとつずつ取り組んでいます。

    画像: お店で頻繁に使うピーナッツバターやココナッツオイル。空きびんは捨てずに保存容器として再利用

    お店で頻繁に使うピーナッツバターやココナッツオイル。空きびんは捨てずに保存容器として再利用

    洋服は友人に繕ってもらう

    自身は裁縫が苦手なので、お直しは友人のミスミノリコさんかお母さんに頼んでいます。

    画像: 右のふたつはミスミノリコさんに、左のデニムはお母さんに繕ってもらった

    右のふたつはミスミノリコさんに、左のデニムはお母さんに繕ってもらった

    「ミスミさんが繕いをテーマにした書籍をつくるときに、『何かない?』と、声をかけてくれたんです。台所でこがしてしまったお気に入りのトップスを送ったら、想像した以上に素敵な出来栄えで戻ってきて驚きました! 世界にひとつしかないアート作品みたい。大事にずっと使っていきたいです」

    むだを出さないアイデア

    塩麴を使った、日持ちするおやつのつくり方を教わりました。

    「たくさんつくっても期間内に食べきれますよ」

    「塩麴クラッカー」のつくり方

    画像: 「塩麴クラッカー」のつくり方

    水の代わりにすりおろしたにんじんを入れるのがポイント。

    「冷蔵庫ににんじんの切れ端が余っていたら、ぜひつくってみて。そのまま食べるのはもちろん、ポテトサラダに添えたり、チーズと合わせたりしてもおいしいです。塩けが効いてるので軽食にもぴったり」

    材料(約20枚分)

    ● 薄力粉(または中力粉)200g
    ● 塩2g
    ● なたね油55g
    ● 塩麴小さじ1と1/2
    ● にんじん(すりおろしたもの)30g

    つくり方

     ボウルに薄力粉をふるい入れ、塩を入れて、手で軽く混ぜる。

     になたね油を入れて、手ですり合わせ、全体に油をなじませる。

     塩麴とにんじんを小さめのボウルに入れて、よく混ぜる。に加えて、へらでさっくりと切るように混ぜ、ひとまとめにする。

     まな板の上にラップを敷き、をのせ、めん棒で厚さ4mmほどにのばし、包丁で約4cm角に切る。

     オーブンシートを敷いた天板に間隔をあけてを並べ、フォークで穴をあける。

     180℃に温めたオーブンで25~30分焼く。

    *保存びんに入れ、常温で約3週間保存可能。

    「塩麴グラノーラ」のつくり方

    画像: 「塩麴グラノーラ」のつくり方

    材料を混ぜて焼くだけと、とても簡単。

    「ドライフルーツを替えれば、季節感も楽しめます。今回はパイナップルやバナナなど、夏らしいトロピカルな素材を入れました。塩麴を入れると、日がたつにつれてうま味が増し、よりおいしくなりますよ」

    材料(つくりやすい分量)

    ● A
    ・なたね油70g
    ・てんさい糖シロップ(*)60g
    ・塩麴10g
    ● B
    ・オートミール150g
    ・米粉60g
    ・ココナッツファイン35g
    ● 好みのナッツ50g(軽くローストしておく)
    ● C
    ・好みのドライフルーツやチョコレート50〜100g
    ・ローストロングココナッツ20g

    つくり方

     Aの材料をボウルに入れ、泡立て器で乳化するまで混ぜる。

     Bの材料を順に加えて、ゴムべらで粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。好みのナッツを加え、全体をさっと混ぜ合わせる。

     天板に移し、手のひらで押しつけながら、1cm厚さになるよう広げる。

     170℃に温めたオーブンで16分焼き、一度取り出し上下を返す。160℃に下げ、さらに16分焼く。粗熱を取り、大きいかたまりは手でほぐす。Cを加えて全体を混ぜる。

    *てんさい糖500g、水270mLを鍋に入れて中火にかける。へらで混ぜて溶かし、沸騰直前で弱火にして、透明なシロップ状になったら火を止める。保存びんに移す。
    *保存びんに入れ、常温で約2カ月保存可能。



    <撮影/森本菜穂子>

    丸瀬由香里(まるせ・ゆかり)
    夫の和憲さんと一緒に「丸瀬家」として活動。田畑の管理や食品の販売を行う。自然栽培の田畑と発酵を生かした食を通じ、「土ある暮らし」を提案。2019年にカフェ「食べれる森シュトレン」(不定休)を開業。夏に森本菜穂子さんとの共著『発酵ある台所』(亜紀書房)を発売予定。https://maruseke.jp/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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