(『天然生活』2022年7月号掲載)
「ゆる薬膳」で体調や肌も改善
ゆる薬膳を十数年間続けてきた池田さん。体調や肌の状態は昔と比べて明らかに改善したそうです。
「季節や体調に合った食材はあるものの、基本的に“これは絶対に食べてはだめ”というのがないのも薬膳の魅力。缶詰やスパイス、調味料なども活用しながら工夫するのも楽しいですよ」
ふだんの食事で体調管理ができると思えば、湿気の多い梅雨や暑い夏も前向きに乗り切れそう。これからの時季、楽しみながら食養生をしてみませんか。
夏の薬膳的スキンケア
強い日差しによるシミやソバカスが気になる季節は、血のめぐりをよくする、水分を補うなどの「食べるUVケア」を。
日焼け対策によい食材

シミの原因は血のめぐりの悪さ。肌に栄養を与える血が滞ると肌の新陳代謝を衰えさせ、老廃物がたまりシミの原因になります。
夏の日焼けによるシミを予防するためには体内の血をめぐらせる食材を取り入れることが大切です。
なす、チンゲン菜、玉ねぎ、らっきょう、黒豆、黒きくらげなどや、果物なら桃が効果的な食材です。さばやいわし、あじなどの青魚にも血行を促進し、老廃物を排出する働きがあります。
黒酢は美白とダイエットに

黒酢は血をめぐらせる「活血効果」の高い調味料。血行が促進することで代謝もよくなるため、美白や美肌だけでなくダイエット効果も期待できます。
ドレッシングや炒めものに使ったり、はちみつなどと混ぜてドリンクにしたりと活用法もさまざま。
お風呂のお湯に好みの量を入れて入浴する、洗顔の仕上げに水で薄めた黒酢で顔をすすぐなど、体の内側からだけでなく外からのケアにも使えます。
水分を補って日焼け防止

日焼けを防ぐためには血のめぐりをよくするのと同時に体内に水分をチャージすることが大事。
日差しという「火」を水が消してくれることで日焼けしにくくなります。そこで積極的に摂りたいのが体に体液を生み出す食材。
トマト、バナナ、キウイ、パパイヤ、牛乳や豆乳、ヨーグルトなどが役立ちます。日焼けしそうな日の朝はトマトとバナナ、牛乳をミキサーにかけたスムージーがおすすめです。
<監修/池田陽子 イラスト/升ノ内朝子 取材・文/嶌 陽子>
池田陽子(いけだ・ようこ)
薬膳アテンダント。国立北京中医薬大学日本校卒業、国際中医薬膳師資格を取得。ふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる「ゆる薬膳」を提案。著書に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局)ほか多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです