(『天然生活』2022年10月号掲載)
板やフックを駆使して造作。台所道具や器を「ぴったりの場所」にDIYで配置
ほかにもきらりと光るアイデアが随所に見られます。包丁用のマグネットラックは、オープン棚の棚板の裏に付けて。大皿の置き場所はハンガーバー2本で解決。
増えていく道具や器に合わせ、ちょうどいい収納をつくってきました。一つひとつの道具が絶妙な位置に置かれているのは、日々料理をするゆかさんを観察しているという、まさしさんの試行錯誤の賜物です。
「どうしたら使いやすくなるかを考えるのが好きなんです。たとえば『この道具が置きっぱなしになっているということは、いまの収納法がよくないのかも』と考えて手を加えたりします。道具を吊り下げる位置も、使い勝手を聞いたりしながら微調整しているんです」
小さな不便や違和感を見逃さないまさしさんの手によって、いまも進化し続ける台所。みずから手を動かしてつくってきたものだからこその愛着もあります。
「『この棚はあのときつくったもの』とか『この棚板を手に入れるのに苦労したな』とか。一つひとつのものにストーリーがあって、意外と全部覚えているんですよね」
これからも暮らしの変化に合わせて、アイデアあふれる収納が次々と生まれるでしょう。それぞれのストーリーが積み重なって、うだ家の台所はさらに味わい深くなっていくはずです。
うだまさしさん、ゆかさんの収納アイデア
コンロまわり
![画像: レンジフードにはマグネットフックを](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/bde96e5813d41b056b605102988162f75916ad6d.jpg)
レンジフードにはマグネットフックを
コンロの後ろの柱にフックを打ち付け、中華鍋などを引っかけて。
「かける道具やフックの位置は、使い勝手を考えながら変えています」
食器棚
![画像: 木や土、ガラスなど、自然素材の器を並べて](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/0d9162a81f275fa2354e609e64ab1477c5adeb81.jpg)
木や土、ガラスなど、自然素材の器を並べて
食器用のオープン棚をつくったのち、収納力を高めるためにコの字ラックも製作。下の戸棚もシンクの高さに合わせて手づくり。
![画像: 食器棚](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/4bdfdc715495c055c155e31418d85ed3f14e991a.jpg)
棚板の裏にマグネットラックを付け、包丁を収納。
「シンクの側なので洗い終わってすぐしまえるし、刃物が人目につきにくいのも安心」
![画像: アイアンバー2本が大皿置き場に変身](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/949ae54e566822e0f3188c43d9fbb836bc12bf81.jpg)
アイアンバー2本が大皿置き場に変身
棚板の裏にアイアンのバーを2本取り付け、置き場所に困っていた大皿の収納場所に。100円ショップで買ったアイアンのバーを白く塗った。
収納棚まわり
![画像1: 収納棚まわり](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/f8da4dc5101013656afb15e5f718d72363ba54ae.jpg)
古道具店で買った和箪笥は乾物などの食材やおやつ、日用品の収納に大活躍。上に置いた棚などと一緒に、後ろにある冷蔵庫を上手に目隠し。
![画像2: 収納棚まわり](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/8893c2b4e53a6c28b1a441161e6661e9c3dec3f5.jpg)
フックを使ってクリップや輪ゴム、ほうきを使う場所の近くに収納。
「ほうきはすぐ横にあるトースターのパン屑を掃除するために使います」
![画像: ごみ袋は専用の引き出しに入れて](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/5016dfe29de4f6bd8cea6ff9039d2feb03b5e3dd.jpg)
ごみ袋は専用の引き出しに入れて
ひとつの引き出しにワンジャンルだけ入れるのがルール。ごみ袋も小さめの引き出しにこれだけを入れると、ストレスなく取り出せる。
台所収納のひと工夫
ホウロウバットを引き出しに
![画像: ホウロウバットを引き出しに](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/8c7175991a22e4e934d5c1d1be62e7a25857dcf9.jpg)
古道具店で買ったホウロウバットには細かい調理道具を入れて。棚と棚のすき間に置けて、さっと引き出せる。
「ホウロウは清潔を保てるので便利です」
布をかけてほこりよけに
![画像: 布をかけてほこりよけに](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/a7a7c9be23e724892cbebcafa3251bd8daae1e40.jpg)
「土間はほこりが立ちやすいので箱や棚、道具などの上に布をかけたり吊るしたりしています」
色は白かグレーで統一。カーテンの余り布などを使って。
汎用性のあるりんご箱
![画像: 汎用性のあるりんご箱](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/96644ea593718504e894882e1cf4838edc35a9e4.jpg)
大きさ、形が程よいりんご箱は、棚板の上に置いて2段収納にしたり、DIYで戸棚にしたりと大活躍。
「近所の農産物直売所などで手に入れています」
<撮影/有賀 傑 取材・文/嶌 陽子>
うだ・まさし、ゆか
大道具会社、家具工房での勤務を経て2011年、「monom」として活動を始める。木の器やカトラリー、カッティングボードなど、暮らしにまつわるものを制作している。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです