搾りたての豆乳「豆漿(トウジャン)」でつくる、台湾式朝ごはんを食べに
お店の開店は8時。扉を開くと、たくさんのお客さんが次々とレジに並び、あっという間に満席になりました。この日は週の始まりの月曜日。開店と同時に満席になるとは、その人気ぶりが伺えます。
ここ、「東京豆漿生活」は、東京・五反田にいながら台湾の定番朝ごはんをいただけるお店です。店名にある「豆漿」とは「豆乳」のこと。毎朝お店の製造室で搾る豆乳を使った朝ごはんをメインに、台湾のパンや、おかゆなどがいただけます。
「豆漿」でつくる、「鹹豆漿(シェントウジャン)」
一番人気は、豆乳をお酢でゆるく固めた豆乳スープ「鹹豆漿」(580円)。干しえび、大根、ごま油が入った豆乳スープに、トッピングは揚げパンの「油條(ヨウティアオ)」、青ねぎ、辣油をひとたらし。店内で毎朝搾る豆乳は、宮城県産の「ミヤギシロメ」を使用しています。
「当初は全国の大豆を色々と試していたんですが、いまはこちらに落ち着いていますね」と、店長の内田さん。やさしい豆乳の甘さが引き立つシンプルな味わいは、早起きのごほうびのように滋味深く体に染み渡ります。揚げパンを浸しながらいただきましょう。
手前にあるパン2種は、左から「韭菜酥餅(ジョウツァイスーピン)」(300円)、「蘿蔔絲酥餅(ロゥボゥスーピン)」(300円)。
「餅」と付きますが、日本でいうもちもち伸びる白い餅ではなく、「小麦粉を焼いてつくる食べもの」といった意味合いで、「パン」や「焼き菓子」のことを指します。
さてお味はといいますと、「韭菜酥餅」は、にら、いり卵、春雨、ピーナツが入ったパン。春雨がたっぷり入っているのでヘルシーです。
「蘿蔔絲酥餅」の具材は、干しえびと大根。干しえびのうま味をたっぷり吸った、大根の細切りがぎっちり。
「何をいただいても、ほんとうにおいしいです。本場の味を、日本でいただけるのはとてもありがたいですね。行列覚悟で並ぶ価値があります」(八幡眞梨子編集長)
平日限定のお粥「香茹鷄肉粥(シャングージーロウジョウ)」
しいたけと鷄肉のお粥「香茹鷄肉粥」(620円)は平日限定のメニューです。鷄としいたけのうま味をまとったお粥に、ほぐした鷄肉、油條、味の染みた煮卵、自社工場でつくっている肉でんぶ「肉鬆(ロゥソン)」がたっぷりのって、なんとも豪華。お粥に使用している鷄肉は、五反田で長く愛されている鶏肉専門店「信濃屋」さんから仕入れているのだそうです。
「緑豆椪(リュードウポン)」(320円)は台湾伝統の月餅で、中に緑豆の餡と肉鬆が入った甘じょっぱい味。ちなみに「椪」とは、「膨らむ」という意味。
「鹹豆漿」「香茹鷄肉粥」で使われているこちらの器、あつらえたようにぴったりだなと思いどこのものか尋ねると、オリジナルの波佐見焼の陶磁器なのだそう。
よく見ると金継ぎの痕がちらほら。聞けば、「うちのスタッフに直してもらいました」と内田さん。欠けた器も手をかけて、長く大切に使う姿勢がとても素敵です。
お店に伺った際は、ぜひ器にも注目してみてください。
次回は「燒餅(シャオビン)」、「飯糰(ファントァン)」をご紹介します。
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〈編集部員・高橋撮影の一枚〉こちらの撮影の10日ほど前にちょうど台湾旅行に。台南にある人気の朝食店の「鹹豆漿」をテイクアウトで、近くの公園でいただきました。
今回ご紹介した「朝食」はこちら
鹹豆漿(シェントウジャン)/580円(税込み)
韭菜酥餅(ジョウツァイスーピン)/300円(税込み)
蘿蔔絲酥餅(ロゥボゥスーピン)/300円(税込み)
平日限定
「香茹鷄肉粥(シャングージーロウジョウ)」/620円(税込み)
「緑豆椪(リュードウポン)」/320円(税込み)
〈撮影/林 紘輝〉
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東京豆漿生活
東京都品川区西五反田1-20-3
MKYビル1F
☎03-6417-0335
年中無休
月~金/8:00~15:00
土・日・祝/9:00~15:00 (8:00より整理券を配布)