• 精神科医で「和田秀樹こころと体のクリニック」院長の和田秀樹さんは、60代からは「やりたい放題」に生きることこそ若々しさを保ち、頭の回転を鈍らせないための秘訣であると話します。ただ、本来「やりたい放題」の人生の始めどきであるはずの50〜60代の女性たちは、「家事」や「介護」といった日本流の古典的な「道徳」に今もなお、縛られ続けているのです。今回は、『60歳から女性はもっとやりたい放題』(扶桑社新書)より、「第2の人生」を無理なく楽しく生きるための7か条をについて紹介します。

    「『第2の人生』を無理なく楽しく生きる」ための7か条

    「『第2の人生』を無理なく楽しく生きる」ための7か条を記させていただきます。

    この7か条だけでも、これからの長い「第2の人生」でぜひ何度も読み返してほしいという気持ちを込めてまとめました。

     増える男性ホルモンに身を任せる

    更年期以降の女性は、女性ホルモンの分泌が徐々に減っていくのに対し、男性ホルモン量は増えるので、より意欲的に、そして活動的になります。「やりたい放題」に生きるポテンシャルが高まるとも言えるので、そのポテンシャルを活かし、ずっとやってみたかったことや、興味をそそられることに、どんどんチャレンジしていきましょう。

    海外移住や海外での就職など、一見難しいと思えることであっても、「やろうと思えばなんでもやれる!」の精神で、怯(ひる)むことなく挑戦してみてください。

    また、おしゃれに定年はありませんから、ファッションやメイクも、自分の好きなように楽しみましょう。

     義務感にとらわれない

    長年連れ添ったからといって、第2の人生でも夫に尽くし続ける必要はありません。子育てを経験した女性は特に、「誰かの面倒を見る」ことを当たり前のこととして受け入れてしまいがちですが、夫の世話は決して義務ではありません。

    定年を過ぎてたいして稼ぐこともなくなった夫であればなおさらです。

    だから「夫に尽くすことが楽しくて仕方がない」という人以外は60歳を機に、「家事は半々にする」「昼食はそれぞれ自分で用意する」などのルールを決めて、自分が一方的に尽くすとか、仕方なく面倒を見る、という夫婦関係から脱却しましょう。

    また、自由になろうとするまさにそのタイミングで、年齢的に「親の介護問題」に直面しがちですが、女性ばかりにその負担がのしかかっている現状は、自ら変えようとしない限り、変わることはありません。

    特に女性は「完璧にやらなければ」と自分を追い込んでしまうケースが多いので、その結果、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかってしまいます。

    自分の人生を生きるためにも、「親の介護をするのは当たり前」という思い込みは手放して、第三者に委託する手段を積極的に講じてください。

     お金の心配より働く楽しみを

    老後は生活が困窮するのではないかという不安を抱いている人が多いのですが、過剰なお金の心配は不要であると私は思っています。

    介護保険制度ができたおかげで、仮に一人暮らしで介護が必要になったとしても、要介護認定されれば公的な介護支援を安価で受けられますし、年金の範囲内で入れる特養もあります。

    少なくとも60代のうちはまだまだ体力がありますし、「楽しい」と思える仕事であれば積極的に働くのもいいでしょう。

    もう一つ大事なのは、子孫にお金を残そうとしないこと。そしてそれを表明しておくことです。

    あなたのお金はあなたのものなのですから、自由に使う権利があります。

     嫌な人付き合いはやめる

    ストレスは健康長寿の大敵ですが、その最大の原因になることが多いのが人付き合いです。だから、「嫌な人とは付き合わない」ことは「やりたい放題」の人生のためにも、そして健康を維持して長生きするためにも欠かすことができない心がけです。

    夫に嫌気がさしているのなら、無理に一緒にいる必要はありません。で、一緒にいて楽しいと感じられないのなら自分から距離を置くようにしましょう。

    60歳以降の人付き合いは、社会適応のためのものではなく、楽しむためのもの。

    だから、その人といると幸せを感じられる人とだけ付き合っていけばいいのです。

     体型を気にせず、十分な栄養を摂る

    美容面だけでなく健康のためにも太りすぎは良くないという思い込みがありますが、「小太り」くらいの人のほうが長生きできることはさまざまなデータから明らかです。

    また、年齢とともに代謝が落ちて太りやすくなるのは自然なことなので、60歳以降は痩せることにこだわる必要はありません。

    たんぱく質は、「幸せホルモン」の原料となるので、老化を遅らせて、若々しい体を維持するためだけでなく、心の健康のためにもたっぷり摂りましょう。

     医者の言いなりにならない

    老化すること自体は避けられませんし、歳とともに病気のリスクが上がることも事実ですが、適切な対処法を知っていれば、病気を予防したり早めに治療したり、老化を遅らせることもできます。

    ただし、医者の言うことに従っていればそれがベストかと言えば、決してそうではありません。

    常に勉強を欠かさず、最新の知見に積極的にアクセスしようとする医者は驚くほど少なく、中には古い知識のまま、患者に間違った指導をしているケースが多々あるからです。

    下手な医者より、ネットで患者さん自身が調べる統計データのほうが余程当てになると私は思います。

     「やりたい放題」でいろいろなことにチャレンジ

    歳をとっても思考力や記憶力、判断力を衰えさせないコツは前頭葉という脳の部位をサボらせないことです。

    前頭葉をしっかりと働かせるためには、いつも自分の頭で考える癖をつけることが大前提ですが、より活性化させるのにお勧めなのは、毎日が実験だと思って、新しい場所に行ったり、初めてやることや難しそうに思えることにもどんどん挑戦することです。

    そうやって前頭葉が若々しく保たれていれば、何事に対しても意欲的になれるので、生きることがどんどん楽しくなっていきます。

    高齢になっても生き生きと輝いていけるかどうかは、前頭葉の若さにかかっていると言っても過言ではありません。

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    『60歳から女性はもっとやりたい放題 』 (扶桑社新書)|和田 秀樹 (著)

    『60歳から女性はもっとやりたい放題』 (扶桑社新書)|和田 秀樹 (著)

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    35年以上にわたり高齢者の精神科医として活躍してきた著者・和田秀樹さんが、60代からの新しい生き方を提案する一冊。60代を迎え、医者の言いなりにならず「やりたい放題」に生きることが、若々しさと健康を保つ秘訣だと説きます。しかし、現実には家事や介護などに縛られ、思うように生きられない女性たちが多くいることに気づくのです。本書では60代女性の「やりたい放題」への一歩を後押しする具体的なアドバイスや、心身の健康に対する助言が盛り込まれています。さあ、本当に自分らしい「やりたい放題」の人生への第一歩を踏み出しましょう。



    和田秀樹(わだ・ひでき)
    1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹 こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。ベストセラー『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『60歳からはやりたい放題』『90歳の幸福論』『60歳からはやりたい放題[実践編]』『医者という病』(扶桑社)など著書多数。



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